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02 これが……ざまぁ?

「この放送終了後10秒で局のマナもおちっかんな、もう俺の美声きけねぇから。マジで覚悟しとけ? 聞きたいならおうk」

 チャラ王の言葉の代わりにまた国歌が流れ始めた。

 そうだね。あのままだったら辺境リスナーの王室への印象がアレで固定されるから、正解だったんじゃないかな王立放送局の人。


「さて、アスパラガス」


 今日は10本くらいにしとこう。間引いた細いのも食べられるけど……うーん、ピクルスにしとこうかなぁ。

 キャニスターはまだまだ余ってるし、ワインビネガーもあるし……あ、今日は南蛮漬けにしよう。湖のいけすに小さいマスがはいってたよね。

 手作りの桟橋まで歩いて行くと透明な湖とビロードのような新緑の大地が広がっていた。やっぱりいいなぁこの風景。王都の喧噪なんて脳裏から消えて……


「いや、魔法が消えるって……文明消えるレベルの話じゃないの?」


 危ない、チャラい声のせいで流すところだった。

 魔法が消えるってことは、ラジオ含めた魔導具がまず使えなくなるじゃない?

 放送局が止まるならどんな工場だって止まる、なら印刷所もとまる。私が楽しみにしているラノベの新刊もでない。

 ヤバい。伏線がっつり張られてた伯爵令嬢と幼なじみはどうなるの?


 それから安価に作れていたナイフとか釣り針とか高くなるだろうし。

 私は魔法が使えないから手作業でやってるけど、普通の農作業は全部魔法頼みだ。

 それが全部手作業になる。生産量もへるし、人手も今の100倍は必要になるよね? 産業として成り立つの?


「うわ、うーわー」

 どうしよう、ホントに世界変わっちゃうよ。窓ガラスも高くなるかも知れないし、地味に便利なお風呂の魔導具とかも無くなるし……

「あ……」

 ひとしきりテンパっていたけど、手を当てた顔の感触に気持ちがすべて持っていかれた。


「にやけてる……」

 私はテンパっていたんじゃ無くてこの状況が嬉しくて騒いでいたんだ。


「この心がもしかして”ざまぁ”なの……?」

 もしかしなくてもそうだよね。

 でもラノベのざまぁと違うのは、私が突き抜けてTUEEEになるからじゃない。全世界の皆がこれから自分のレベルまで落ちてくるからなんだ。世界中がYOEEEになるから”ざまぁ”って感じてるんだ私……


「ざまぁ!! 王城で私を笑いものにしていたご令嬢の皆様、それと同級生! ざまぁみろー!!」

 私の歓喜の声が山々にこだました。放牧されているハイランドシープ以外なにもいないんだからいいよね?

 他人の不幸を喜ぶ? 魔王がやったことだからね、ハイご愁傷様!

 さすがに世の中すべての皆様を笑うほどねじくれていないけど、自分を笑いものにしてきた一部の人達にはとびきりの笑顔でざまあと言ってあげたい。



 そんな事をやっていたら遠くから馬のいななきがきこえた。振り返ると4頭立ての馬車が湖の縁を走ってこっちに向かってくる。

「やば、きかれてたかも」

 こんな一軒家まで野菜の買い取り、日用品の販売をしてくれるワシのマークの運送業者さんにはお世話になっている。

 顔なじみのお兄さんと気まずい関係になったらどうしよう……ん?


「いつものワシ印の馬車じゃない……よね?」

 幌馬車なんだけど、アレは王都でみるような偉い人がお忍びで乗る馬車だ。

 なんとなく嫌な予感がする。


作中世界の魔法依存度は戦闘では頼り切り、生活ではそれなり、という感じです。

気に入っていただければ幸いです。



※ユーザー&作者フレンドリーな後書きをめざしております


ポイントで5段階評価いただければ頑張れます!

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元英雄は壁をつくる 〜やりすぎ専守防衛による最強国家建設〜

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