18話 笑顔でけんか売るっていうほど楽には出来なくてよ
「ええ、確かに、我々は未来をみなければいけない。しかし、彼はもはや人に害を加えた強者、すなわち新たな魔王です。いつかふたたび姿をあらわすかもしれない。それに備え、我らは連合すべきです。今多くの領主が連合に加わりつつあります。魔族との戦いに身を投じていた王国建国以来の名門の卿にも是非加わっていただきたい」
うわ、なんか熱に浮かされたような口調で迫るなぁ。体面をたもとうとしてるけど、貴方汗びっしょりじゃない、ちょっとそういうのみるにたえないかな。
あ、ロレンツォさんが首を横に振った。
「せっかくのお誘いですが、私はもはや戦いの日々は送りたくないのです。これからは家族に愛を注ぐ穏やかな生活を送りたい。今日伺ったのはそのためでもあるのです」
え、なにそれどういうこと?
とか思ってたらすごい勢いで横に控えていた黒髪の女の子が割って入ってきた。
うん、クラスに三人はいる位の微少女? くらいかなぁ。微妙な美少女で微少女っていうやつ。
「ロレンツォ様! ああ、ついに迎えにきてくださったのですね? 兄が辺境伯となった今、ロレンツォ様の周りにいる、家格が釣り合わないなどと古い事をいう老害もきっとだまる事でしょう!」
……誰? ついて行けない、っていうか圧がすごいな。押しまくるな。ちょっと後ろにさがろう。シータもさがってるし。
周りの地方貴族も半分ぽかんとしてるし、髪質とか目の形とか多分ユダの妹か親戚なんだろうけど。
「タミラ、控えなさい。積年の想いが実り浮かれる気持ちは兄としてわかるが今こそ淑女でありなさい」
そういいつつもユダの顔はだらしなく伸びている。なるほど、タミラ。ユダのイモウト。
カタコトになりながら引きでみていると、ユダ兄妹のはしゃぎっぷりに対してロレンツォさんの周りの温度がどんどんさがっていく。
「ところで卿がやむを得ず殺害したブルノ卿の一族ですが」
「ああ、辺境伯が兵を連れて砦の救援に向かった隙に魔族が彼の家族を殺した件ですね? 彼らの死を知ってわたしも心がいたみました」
テンションが高いまま答えるユダさん。その言葉とは裏腹に死者を悼む気持ちがない。
「実は生き残りがおりまして、私はその者と、アルゴス家と辺境伯爵位を継承することに協力すると約束しているのです」
「……」
腐っても貴族、さすがに彼がただ祝いに来たのではないと気づいたらしい。遅いけどね。
そしてロレンツォさんは、笑顔の仮面とってほしい。談笑していたときと全く変わらないからこそ怖い。
「私ロレンツォ=デ=ジェローナはユダ=デ=ガルネーに決闘を申し込む」
その言葉とともに、いつの間にか白装束の集団が餌を見つけたハトの様に集まった来た。
すいません、大事なときに更新が遅れて申し分けない限りです。
現在も続きを書いておりますので、明日にも投稿できるかと!
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