15話 仲間は意外と多い
・修正:ハサ子爵→ハサ侯爵(2018/10/19)
「当然、ユダには辺境伯の地位を返してもらう」
たとえ立場を捨てても、うらみで襲ってくる人達は出てくるだろうから辺境伯の立場は捨てないか。
「いつにかえしてもらうのか、とルカは訊く——」
アルマがこちらに目だけ向けて嗤う。ぬぅ。ナツい。
「——だろうから言うと、今夜だ」
はやっ! 今日着いたばかりだよ!?
「スパイの話では今夜にユダの辺境伯叙爵パーティーが領主の館で開かれる」
パーティーね。群衆に紛れてってやつか。あるある。暗殺者が人混みの中後ろからザクッとね。
「……いや、それ以前にスパイってなによ」
「後ろにいる人達」
トビトがなんでもないように後ろを指さす。は? 後ろって壁
——うぉぁ!
振り向くと、後ろの壁が50センチくらい後ろに下がったかわりに、白いフードをかぶった人達が3人立っていた。
「え? 領軍兵?」
白いフード付きのマントは治安にあたる領軍兵の制服だ。一瞬だけ自分がザクッといかれちゃうのかとおもったよ。
「この格好は変装でござる」
ござる……いや、そこじゃなくて。
「ひさしぶり。なにしてんの鈴木君」
元の世界の学校では残念イケメンで有名だった鈴木君は、なぜか今忍者になりきっている。
「某、名は捨て申した。今後はドン・ナディと呼んでいただきたく」
なんもいえねぇ。仲間なのはわかったけど。
「話、もどしていいか? パーティーは18時には始まる。そろそろ巻きで進めたい」
だよね。色々準備あろうだろうしね。
「まず今のメンバーを先行するA班、その他のB班に分ける。A班はロレンツォ、シータ、ルカだ」
私はそこか。なるほど? 意味わからんけど最後まで聞こう。
「まず、シータが行く理由はユダの既成事実を崩すためだ。領土は基本世襲されるもので、例えば絶えた貴族に隠し子がいたと証明された場合、その子が正統な領主となり家を再興する。新しく領主となっていた貴族は立ち退かなくてはならない」
知ってる。ラノベで見た。元の世界でもたまにあったみたいだね。
「シータはハサ侯爵家の人間だけど、父親が故アルゴス卿の末子だった。だからシータは外孫になり、当然継承権がある。今回ユダが僭称できたのは、自分でアルゴス家の人間を皆殺しにして安心しているからだ」
つい隣のシータをチラ見してしまう。アルマ言い方に気をつけてよ。
そんなことを思っているとシータがこちらに顔を向けにこりとした。
こんな子が親戚の半分近くを殺されて耐えているなんて、けなげすぎるでしょ!
「ありがとうルカさん。でも大丈夫、もう何年も頭の中で響いてるんですもの。むしろそれを取り除くのに協力してくれるアルマさんの口から紡がれるなら天上の音楽も同じよ?」
響いている? 大丈夫? ……この子、ちょっと怖い。
異世界に行くとはっちゃける人、いますよね。
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