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10話 親友は女城主

(2018/10/22改稿)

 馬車はここまで襲撃を受けていない。もうすぐ首都につけるかな。

「数日で作るっていうのは一枚に数日って意味だからね。それにその子って凝り性だから生地も作ろうとしてたんだよ? よくわからないけど、遠くに運べる藍玉を南部で工房つくって現地生産するしかないか……とかいってたっけ」


 ってそうだよ鞠子だよ! アリマ君の再会に夢中で忘れてたごめん鞠子!


「エヴァ、勇者クランにマリコっていう女の子いた? 今話した子の事なんだけど」


「いたわよ。やっぱりマリコの事だったのね。南部の工房っていう所でなんとなくそうおもってたわ。向こうはしょっちゅうあなたの名前を口にしてたのに薄情なものね」

「うう……ごめんねマリコ」

 会ったら謝っておこう、心の中で。面と向かって謝ると何させられるかわからないし。


「そうだ、それでマリコって今どこにいるの? クランの中でも割と仲良かったんでしょ?」

 クランは転移者だけじゃなく王国の若い実力者が集まった大所帯だった。そこで覚えているんだからきっと友達なんじゃないかな。

「そうね。マリコは今レビ伯に封ぜられて西方の領土を治めているわ」


 え、なにそれもうちょっとくわしく!


「あぶな! やめてよ驚いて手綱さばき間違うの」

 急に加速したせいでエヴァに怒られた。でもどういうこと?


「彼女は勇者パーティと同じく独自のパーティのリーダーで、たくさん武勲もたてていたのよ。でもアルマを一切弁護しないでいなくなるんだからあの子も薄情者よ」


 エヴァは怒っているけど、あのマリコが保身や薄情でもらった領土に引きこもるとかあり得るかな?


 アルマは今辺境伯という地位を得て表向きは英雄とたたえられる立場にある。

 それでも魔法が消える事で被害をうける貴族に恨まれて内戦になった。


 アルマが犯罪者として、もし死刑になんてなってたら?

 やっぱり内戦がおきていただろうな。一位がはっきりしないと二位以下は争うっていうし。主に狼の群れの話だけど。


――実用品や現物を押さえていない商売は脆いわ。戦争になればブランドや紙幣なんて風に飛ばされておしまいよ。どれだけわめいても誰も訊いてくれない。


 マリコはこの内戦を予想していたんだろうな。マリコだもの。

 親しく無い人はマリコを人間不信なのかと思うほど、彼女はどこまでも現実主義だ。


 彼女が敵か味方かわからない、でも一度は会わないと。でもよりによってレビかぁ……

 


「さ、もうそろそろメノスが見えてきたわ。気を引き締めて……なに、あれ」

 エヴァの言葉でハッとしたら遠くに見えるメノスの大門に大きな旗がいくつも垂れ下がっていた。





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