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第88話  盗賊

【定期】YouTubeで月曜から金曜まで小説作る配信します。開始時間は13時半ぐらいからです。スリーユウで検索すれば出てきます。尚、祝日とかは休みです。

城を出るとフェリクスは、気配を消し、子供の後をついて行った。そうすると子供の後ろに幾つもの不審な影が現れた。その影は一気に子供を取り囲むと、子供を地面に押さえつけた。


「よう、おめぇ、今、城から出て来たよな」

「それがなんだって言うんだ」

「いやぁ、それがよ、城に忍びこんだ仲間が誰一人帰ってこないんだよ、そして、おめぇが城から出てきたってわけよ、この意味分かるよな」


男たちの言葉から、子供は男たちが盗賊なのだと分かった。


「俺は何も知らない」

「そんなわけないだろう、中にはどんな奴が居たぐらいは分かるだろう、教えてくれよ、そんなたいした事じゃないだろ」


子供は教えるだけなら簡単だっただろう、しかし、明日、皆で仕事を教えて貰う事になっているので不利益になるような事は言えなかった。


「どうした?口が無くなっちまったのか?」

「俺は何も言わない」


口を閉ざした子供に盗賊は苛立ちを覚えた。


「ああぁん、てぇめ、自分の立場が分かっているのか?痛めつけてもいいんだぞ」

「別に構わない、俺はそれでも何も言わない」

「はっ、いつまでその強気が持つかな」


盗賊は子供を痛めつける為、腕を振り上げたが、その腕を振り下ろすことは出来なかった。


「あんまり、子供を痛めつけるのは感心しないな」


盗賊は突然、現れたフェリクスによって腕を掴まれていた。


「なっ」


突然、現れたフェリクスに盗賊たちは驚きの声を上げる。


「な、なんだ、おまえぇは」


反射的なのか、盗賊は懐に入っているナイフをフェリクスに振りかざしてきた。フェリクスは簡単にナイフを掴むとそのナイフを力で捻じ曲げた。


「そんなものじゃ、俺は傷つけられないよ」


ナイフが捻じ曲がった事に盗賊は腰を抜かす。


「ひぃ、何なんだ、お前」

「今、城にいる、ここの責任者よ」

「ここの責任者って、レオンハルト国のもんか、なんだってそんな奴がこんな子供を庇うんだ」

「それはその子供と約束があるからだよ、この国の治安が心配で帰り道を見守っていたんだ」


フェリクスの言葉に盗賊も子供も言葉を失っている様だ。


「あれ?そんなにおかしい事かな?」

「さっきもそうだけど、親切過ぎない、お兄ちゃん」

「あ、そうだ、少年、名前を聞いていなかったね、教えてくれ」


フェリクスは目の前の盗賊を退かすと子供を立たせて、質問を投げかけた。


「シン」

「シンって言うのか、良い名前だ、俺はフェリクスだ。よろしく」

「・・よろしく」


空気を完全にぶち壊しているフェリクスにシンと盗賊は唖然としている。


「ああ、そうだ、お前たち、シンにも言ったが、まともな仕事に就きたいなら、明日、城に来るといい、その物騒な武器とかは置いてね」

「お前、何、言っているんだ?」

「そのままの意味だよ」

「盗賊の俺たちを誘うとは、頭がどうかしているんじゃないか?」

「別に変じゃないと思うけどな、まぁまぁ、君たち頭いいと思うよ、偵察に出した仲間が帰ってこないのを見て、城から出てきた、か弱い子供を標的とするのはいい狙いだと思うよ」

「はぁ、俺たちは盗賊なんだぞ」


今までやってきた事の重大さを分かっているのか、盗賊はフェリクスに怒鳴る。


「そこを気にしているのか?別にこれから盗賊から足を洗えば、俺は何も言わないよ、でも一回でも同じ行為をしたなら、厳罰に処すけどね、本当に真面目に行きたいのなら、来るといいよ」


そう言うとフェリクスはシンを連れて呆然としている盗賊たちの横を通り過ぎた。


暫く歩いていると、シンがフェリクスに質問をしてきた。


「なんで、俺や盗賊たちを誘うの?一回犯罪をやったんだよ」

「それはさっきも言ったけど、この国の状況がそうさせたと俺が思っているからだよ、それに俺は一度間違えたから、そこですべてが終わる世の中は間違っていると思うんだ。一度、間違えた者にも2度目のチャンスが与えられるべきだと俺は思うよ」


少し話が難しかったのか、シンは首を傾げていた。


「まぁ、簡単に言うと、2度目のチャンスは上げてもいいと思うってことだよ」

「ふーん、やっぱり変なの」

「まぁ、そうかもね」

「でも、悪い気分じゃないよ」

「そうか、なら良かった」


フェリクスはシンをしっかりと家に届けると城に戻った。


ブックマーク、評価、誤字報告ありがとうございます。

夜はちょっと修正してみるので更新できないと思います。

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