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第87話  貧民街

【定期】YouTubeで月曜から金曜まで小説作る配信します。開始時間は13時半ぐらいからです。スリーユウで検索すれば出てきます。尚、祝日とかは休みです。

一週間後、フェリクス達はやっと帝都に到着した。城の中にフェリクス達が入っていくとそこには指示出ししているダルクがいた。ダルクはフェリクス達を見ると声を掛けてきた。


「遅いと思ったら、馬で移動してきたのか」

「王子を護衛してきたと言ってほしいな、親父」

「まぁ、いいか、とりあえず、王子と兵士たちは長旅で疲れているだろうから、部屋に案内してやれ、フェリクスはこっちに来い」


ダルクは商会の一人に指示を出し、フェリクスを呼んだ。


「俺は疲れてないと」

「疲れてないだろ?」

「精神的な苦痛が・・・」

「そんなもの、犬にも食わせとけ」

「はーい」

「とりあえず、お前は、この国で稼げそうなものを見つけてこい」

「いつも通りね、了解、でも、それは明日からでもいいかな」

「別に構わんが、何故だ」

「一緒にアベルと回ろうと思って」

「・・・まぁ、よかろう、商会の秘密は漏らすなよ」

「それは勿論分かっています」

「なら、今日はお前が気なっていた貧民層でも見てくるといい」

「元々、そのつもりだったよ」


フェリクスが貧民層に向かうとそこでは、炊き出しが行われていた。皆、やせ細っていて、必死に食事をしていた。フェリクスが突っ立ってその様子を見ていると子供がぶつかってきた。


「ごめんなさい」


そのまま走り去ろうとする子供の手をフェリクスは握った。


「別に当たった事はいいけど、その手に握っているのは返して貰っていいかな」


フェリクスが捕まえた子供の手の中にはフェリクスの財布が握られていた。フェリクスはそれを素早く取り戻した。


「はなせー」

「別に君を責めるつもりはないよ、君のような子供がスリを行う、この国が悪い、でもこれからはこんな事はやっちゃいけないよ」

「うるさい、俺にはこれしかないんだよ」


フェリクスの言葉を聞く気が無いのか、ずっと子供はフェリクスの腕からもがいていた。


「はぁ、別に今は炊き出しもしているし、生きるのには困らないだろう、それに君のような子供がこんな金貨を持っていたとしても、この国なら、すぐに誰かに取られて終わりだろう」

「そんな説教はうんざりだ」

「別に説教じゃなくて、状況を説明しているだけだよ」

「はぁあ、わけわかんねぇよ」


ため息を着くとフェリクスはそのまま腕を掴んだまま移動し始めた。


「どこ行くんだよ、兵士に突き出すのか?」

「別にそんな事はしないよ、ちょっと見て貰いたいものがあるだけだよ」


フェリクスはそのまま子供を城の商会が働いている所まで連れて行った。


「ここはどこだよ?」

「どこって城だよ、ほら、見て見なよ、今までここに居た偉いだけの奴らは居ないだろ」

「・・・」


人が頻繁に出入りしているのを見たことが無いのか、子供は食い入る様にその光景を見ていた。


「あんまり、見てないと思うけど、少なくとも兵士の姿は変わっているはずだよ」

「何で、あいつらが居ないんだよ」


ここで初めて子供は話を聞く気になったのか、口を開いた。


「それはあいつらがこの前、起こった戦争で死んだから居ないんだよ」

「死んだ?本当に?」


子供はフェリクスの言葉が信じられないようだった。


「少なくとも、今ここにいる人たちがその証明になると思うよ」

「・・・この国は変わるのか?」

「変わるんじゃなくて、変えるのさ、その気があるなら、明日、一緒に住んでいる子供たちを連れてここに来ると良い、仕事を教えてあげるよ」

「でも、俺たちにはスリぐらいしか、特技はないんだよ」


そう語る子供の口調はとても弱弱しかった。


「安心しなよ、俺は仕事を教えてあげるって言ったんだよ、勿論、一から教えるつもりだから、何も知らない子供でも大丈夫だよ」

「本当に大丈夫なの?」

「ああ、大丈夫だよ、俺のこの商会への誇りに掛けて誓うよ」

「分かった、明日、皆を連れて、来てみる事にするよ」

「ああ、期待して待っているよ」


去って行く子供の顔は来た時とは見違えるように顔が明るくなっていた。子供が去るのを見守るとフェリクスは子供の件を商会の一員に伝えるとまた城を出た。


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