表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

元相棒の来訪

 今日はとても目がすっきりする。

 その理由は、安心して長時間眠れたことだと思う。

 

 戦地ではいつ戦いが起きてもおかしくないため、眠れても30分ほどだった。もうあんな事をしなくていいんだと思うと、兵士には悪いが、とても嬉しい。


 そして何より、妻と一緒にいれること。


 自分の隣に妻の可愛い寝顔がある事は、ずっと夢見てきたことだった。

 これからはこんな毎日がずっと続く。


 もう死ぬリスクを負ってまで寝る必要もない。


 

 まだ早朝のため、妻はまだ寝ていた。隣にある妻の頭を軽く撫でると、妻の表情が少しだけ和らいだように見えた。


 妻にはいつも一人で居させて、本当に悪いことをしてしまった。これからは少しでも罪を償おうと決心した。



 

 辞表を提出した日から俺は家でのんびりしていた。


 ソファーの上で寝ていると、妻が


 「ご飯できたよー」


 と言い、テーブルへ並べていた。


 今日の飯は牛丼と俺の好物のキャベツ山盛りサラダだ。キャベツは生でも何でも好きであり、どちらかというと千切りとかしていない葉っぱみたいな方が好きである。


 今回は生だった。


 妻と一緒に食べると尚美味しい。


 「「いただきまーす」」


 手を合わせてそう言うと、早速牛丼を食べた。

 脂っこい物にキャベツはとても合う。肉との相性抜群。


 柔らかい牛肉の濃いめの味が白米を要求し、白米が進む。そして口の中が脂っこくなると、キャベツのみずみずしさがより美味しく感じる。

 キャベツを噛むと、シャキシャキと水分を放出しながら刻まれていき脂っこさが和らぐと、また牛丼を食べたくなる。


 これの無限ループである。


 「美味い!」


 久々に食べたこともあったのか、思わずそう声に出してしまうほど美味しかった。


 「ふふっ。ありがと」


 妻は口に手を抑えてにっこりと笑うと、そう言った。


 


 飯を食べ終えてから1時間程経過した。


 俺は、食べすぎて未だに動くのも辛かったため、またソファーで寝ていた。

 妻は買い物があると言い、数十分前に出かけていた。


 「ファァ…」


 欠伸をし、一眠りしようと思った矢先、 


 トントントン!


 とノックが聞こえた。


 満腹な体を無理やり動かし、軽く伸びをして玄関に向かった。

 

 「はーーい…」


 と言って扉を開けると、そこに立っていたのは、俺の元相棒ナークストだった。

 こいつは俺と、入隊した時から共に遊撃隊にいた。俺は隊長にまでなったが、こいつも副隊長候補に上がった男だ。


 「なぁ?何で勝手に辞めるんだ?」


 案の定、予想していた質問だ。


 「……」


 俺は、答えるのを少し躊躇った。


 「何で無視するんだ?今ならまだ間に合う…。戻ろう!」


 「悪いが無理だ。俺は辞めたくて辞めたんだ。もう来るな」


 「――無責任すぎる…」


 と言うと、去って行った。


 ああ、確かに無責任だ。自分勝手だ。勿論わかっている。


 けどな、俺にとって1番は軍で戦う事じゃない。


 

 妻への償いだ。


 


 


 

 少し短くなりました。申し訳無いです。でも続きのネタは有るので近日中には更新します。


 今後ともよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ