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【ビジネス書】『読んだら忘れない読書術』樺沢紫苑 ~何はなくとも、まずは読むべき本~

【はじめに】

著者の樺沢紫苑さんは精神科医で、公式メルマガは15万部以上を配信、Facebookのイイネは14万Twitterのフォロワー数12万。ハイスピードで著作を展開し、毎日YOUTUBEの動画を配信しているというパワフルな方です。脳科学・心理学的な側面から、数々のビジネスシーンや日常生活に使えるノウハウをわかりやすく伝達しています。


【内容】

たとえば、「一ヶ月に10冊本を読んでいる」という人がいるといましょう。その人に、その読んだ本の内容を聞いてみて下さい。内容をちゃんと話せる人はどのくらいいますか? 『嫌われる勇気』などは大ベストセラーになりましたが、『読んだ』という人も、その内容を聞かれて、答えられる人は少ないと思います。この記事を読んでいるあなたも、『本は読んだけど、内容をあまり覚えていない』という方は多いと思います。

それって、もったいなくないですか?

せっかくお金と時間をつぎ込んで、本を購入したんですよ?

その知識を、感動を、記憶していなければ、その『投資』は全くの無駄。

『一ヶ月に10冊本を読んでいる』人でも、そのうちの1冊の内容しか覚えていないなら、一ヶ月に3冊読んで、その内容をつぶさに覚えている人よりコスパは全然悪いのです。

本を読んで、それを忘れないで血肉に出来る。

そんな方法が、この本には書かれています。

読書を始めるに当たって、まず読むべき本だと言えるでしょう。


【感想】

本書は『本の内容を忘れないためのノウハウ』について書かれているのですが、良い点はそこに止まりません。

『本を読むとはどういうことか』と言うことを易しく説明してくれていて、本を読むことの大切さ、楽しさに気づかせてくれます。

たとえば、こんな感じです。


~引用~

 自分でFacebookのアカウントを作り、自力で試行錯誤しながら、Facebookを使い始める。あれこれ色々と試しながら、何とか使い方を学習して、三ヶ月くらいしてようやく一通りの機能が使いこなせるようになります。1日1時間としても90時間。だいたい100時間程度の試行錯誤をすれば、自力でFacebookを使えるようになるでしょう。

 でも、もっと簡単な方法があります。Facebookを始めようと思ったら、まずFacebookについての本を一冊読んでみるのです。

 本を読んで基本をきちんと学んでから、100時間かかる試行錯誤が10時間に短縮できるかも知れません。たった1500円の本を数時間掛けて読むだけで90時間節約できるのです。あなたの時給が1200円だとしたら、10万円以上の節約です。

 新しいことを始める場合、ゼロから試行錯誤する必要はないのです。何百時間も試行錯誤してくれている先人がいて、本をまとめてくれているのですから、その先人から試行錯誤の結果を学べば良いのです。

……

 本は、何千人もの成功体験と何千人もの失敗体験が載っています。ありとあらゆる成功事例と失敗事例の集大成が、本と言えます。


~~


 つまり、『本を読む』というのは、その本を書いた人の人生や経験や考えや思想・知識を『買う』と言うことに他ならないと思います。小説であれば、数十時間、数百時間費やして出来あがった物語に対価を払って、それを買うわけですね。

 たとえば皆さんは10万文字書くのに、どれだけのことを調べ、どれだけの時間を掛けますか? それらの結晶としてできあがった作品を、対価を払って、買うわけです。

 それを考えたら、本を読むって、凄いことじゃないですか?

 『本を読む』とは、すこしのお金と時間で、それを書いた人が時間を掛けて積み上げてきた経験や知識を『買う』ことなんです。


 まず、そのことを、この本は気づかせてくれます。


 そして、本書のキモ、『忘れない読書術』に関してのノウハウですが、これには『アウトプットすること』がとても重要だと書かれています。たとえば、こうしてこの本を紹介することも『アウトプット』。


 映画や本を読んで、そのまま忘れてしまうという人は多いと思います。

 でも、もしその内容を、感動を誰かに伝えたい、と決めたらどうでしょう?


 その内容を伝える(アウトプットする)こと。

 この構えだけでも、記憶に残る強力なテクニックであると書かれています。


 ここで触れるのはこの程度にしておきますが、心理学的・脳科学的な側面から、本の内容を記憶しておく――――つまりは本当に「本を読んだ」ということの出来るノウハウが、わかりやすく、つぶさに書かれています。


 そして何より、本書は『本を読む楽しさ』を再発見させてくれる一冊です。


 読んでみて、私の読書スタイルもかなり変わりましたし、『お金を出して、それ以上のものを買っているのだ』と考えると、本というものが、凄く価値があるのだと気づかされました。


 まず、読書を始めるのなら、この一冊から始めると良いと思います。


【終わりに】

樺沢紫苑さんは、他にも『神・時間術』『アウトプット大全』『無駄にならない勉強法』など、多数の心理学・脳科学的なアプローチによる本を出版しています。時間を大切にしたい、学んだことを生かしたいというのなら、特にこの三冊は無駄な投資ではないと断言できます。是非、読んでみて下さい!

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