ウォール街の大決戦
pm11:24
三人を乗せたリムジンがウォール街を走っていた
「今日は大きな取引だったねぇ・・フゥ〜・・ぁぁ疲れた・・」
「おめでとうございます社長、グッジョブ、それから明日のスケジュールの件ですが午後から日本の東京都知事の石腹珍太郎氏と24丁目の寿司バー『スパルタ教育』で会食のお約束が入っています」
「あぁ、ありがとうスージー・・それより早く私のオムツをとりかえてくれたまえ、さっきからもうムレてムレて」
「天花粉もなさいますか社長?」
「決まってるだろうスージー、前立腺マッサージもだよ君、丹念にだよ君」
「ぅぅぅ・・ぉぉぉ・・ぅぅぅ・・ずぅおんっ!・・ぉぉぉぉぉ〜・・」
運転手のウラジミールはバックミラーごしに後部座席で行われている光景を震える指先にグッと力を入れながらもハンドルをとられながら充血した切れ長の一重まぶたのまなこで鼻息荒く固唾をのんでジッと見入っていた
「(始まりましたね・・)」
ゴンッ!ゴゴンッ!ゴゴゴンッ!ゴゴンゴンゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!
「!! 何事かね!この音はウラジミール!?」
「あぁ・・社長・・電池が降って来ましたよ・・今年の初電地です社長」
「ほぉぅ・・初電池かね・・もうそんな季節になったんだねぇ、ウラジミール・・早い物だねぇ、月日の移り変わるのは・・」
「そうですねぇ社長、もう電池が降る季節になってしまいましたねぇ・・本当に早いものです・・」
「それにしても嬉しいねぇ、ぇえ?ウラジミール?今年の発電地は少々小ぶりじゃないか?ん?単3ぐらいかな?何だか嬉しくなって私のこの一見ロマンスグレー風のカツラをこの窓から外に投げ捨てたくなってきたじゃないか、ぇえ!ウラジミール下川Jrよ!」
「ミートゥー、ミートゥー、社長、とっくに私なんか自分のこの一見デザインパーマ風のカツラをワイパーの先っちょに引っ掛けてシャカンシャカンさせながらジグザグ走行してますよ」
「ふふふふっ・・・ウラジミールめ・・私も何だか口を尖らさせて箱乗りしたくなったじゃないか」
「社長・・わ、私・・なんだか・・なんだか・・ぁぁ・・ぁぁぁぁっっ・・こ、興奮してきましたわ・・」
「エクスタシーを感じているんだねスージー・・今日は大きな取引も成功させたことだし無礼講といこうじゃないか君達、スージー、イッテいいよ、イッテ、イッテイキまくりなさいスゥゥゥウウウジィィィイイイイッッッ!!!」
「ァ、ァァ・・アイム、カミィィイイイイーーーーーーンンッッッ!!!」
ズゥドッガァァアアアアーーーーンッ!ドッゴォォオオオオーーーンッッ!バッゴォォオオオオオオーーーーーーーンッッッ!!
スージーはウィンドをシャーっと下げ常時足もとに設置してあるバズーガ砲を肩に乗せるとおもむろに無差別にぶっ放し始めた。路上に駐車していた車が吹っ飛ぶ。ビルの真ん中に大きな風穴が開く。ガソリンスタンドが火花をあげて大爆発する。ウォール街は戦場と化していた。ウラジミールもヒートアップする。ジグザグ走行しながら周りの走行車にガンゴンぶち当て始めた。街灯も次々薙ぎ倒してゆく。スピンしながら走行してゆく。この時ウラジミールは車内の天井を見上げながら白目を剥き奇声を発しながら握り拳でフロントガラスを叩き割りながら「キス・マイ・アス!キス・マイ・アス!」と何度も何度も叫びながらスタントマン顔負けのカーテクニックを披露していた。やがて何台ものパトカーがせわしそうにサイレンを鳴らし追ってきた。スージーはパトカーめがけてバズーガ砲をぶち込む。パトカーは次々と火だるまになり吹っ飛んでゆく。ウラジミールは全速力でスピンしながらパトカーの連帯を振り切る。そんな中社長はと言えば、口を尖らせ箱乗りしたまま振り落とされないように必死に車にしがみつくも、自分も何かしらのアクションを起こさねばと、足先でウラジミールの首を挟み込むと常時、車の天井に設置しているマシンガンを手に取り「ハレルヤ!ハレルーヤッ!」と社長も拡張ハンドスピーカーで連呼しだし夜空に向けて乱射し始めた。ウラジミールは大音量でベートーベンの第九のCDかけ、三人は満面の笑みで第九を謳歌していた
やがてヘリの音が街中に響き渡りだし戦車のキャタピラの音も響き渡り出す。しまいにはF16イーグル戦闘機まで夜空を劈きだす。アメリカ軍戦闘態勢モードONというわけだ
その後このウォール街はアメリカの歴史上、人々の記憶から決して消え去ることの出来ない壮絶な戦闘が繰り広げられることとなる。それによりこの街全体が火の海となり全世界の株価のレートも壊滅状態に陥り世界中を大パニックの渦に巻き込んでしまうことになる。その歴史的世界大恐慌は後に歴史が証明することになるであろう・・
〓END〓