異世界にて一人
・・・何かがおかしい。
なんか外が騒がしい。
明らかに人間の声が聞こえる。
あれ?このキャンプ場にいる客って俺だけって話じゃなかったっけ?
「おい、なんだこりゃあ?」
「知らんよ」
距離からして、俺が張ったタープテントのそばまで来ている感じだな・・・
今が何時かは知らないけど、感覚からして明け方くらいだと思う。
そんな頃合いに客が来るのか・・・?
確かチェックインは早くて13時とかだったはずだけど。
「レーダーはここで合ってるんだろ?」
「ああ、間違いない」
レーダー・・・?何の?
「おい、この中にいるんじゃないのか?」
・・・状況から察して、俺を探しているような感じだな。
その理由が分からんけど。
もしかして管理人か?
いや、仮にそれだとしても、理由が分からん。
別にマナー違反をしたわけでも、そのつもりもない。他の客はいなかったけど、別段騒いだわけでもない。ただ静かにキャンプしただけのはず。
あ。
アレか?
昨日叫んだからか?
だったら申し訳ないなぁ・・・
あの時はなんかもう、とにかくムシャクシャしちゃってさぁ。つい叫んじゃったんだよねー。
とにかく、相手は複数・・・たぶん三人くらい。
管理人さんはおじいさんが一人だったはず・・・
聞こえてくる声は二十代前後くらいの男ばかりだ。
もうテントの中にいるのもバレてる風だし、
「あのー・・・なんか用ですか?」
自分から行くか。
タープを捲って表に出ると、
「うおっ、やっぱり中にいたのか!」
表には推察どおり、男が三人いた。
パッと見、大学生くらいが一人、社会人になり立てくらいが一人、三十代が一人・・・ちょっと予想が外れた。
ただ、これは全く想定していなかったが、全員甲冑を身に着けている。
ヨーロッパ風というか何と言うか、マンガに出てきそうなデザインの甲冑・・・
それに加えて槍を持っている。
斬るほうを優先させているような感じの、こっちもらしいイメージ。
何だ?急にハロウィンでも始まったのか?
「武器は持っていないようだな・・・」
今手元にはないけど、しようと思えばあるこたあるな。
めんどくさいことになりそうだし、黙っておくけど。
「大人しく表に出て来い」
槍の切っ先を向けられた。
・・・こりゃあ、タダじゃ済まんってやつだろ。たぶん。




