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「そ、れであればそうであったとして」
理由が単純すぎて、話についていけない・・・
面白そうのたった一言は分かりやすい。それは別に良いと思う。
ただ、そのためにわざわざ他国に仕掛けるのはリスクが大きすぎる。国際問題に発展することを平然とやってるわけだし。
この魔王・・・サッパリしてるのか大胆なのか、それともバカなのかよく分からん。
まあ、バカっぽくはないかなぁ・・・とは思うけど、今はそれ以上は分からない。
「俺にそこまでの価値はないと思うんですけどねぇ」
「何故そう思うの?」
何故、か。
そう言われるとなかなか困るところがあるな。
「まあ、なんとなくですかね」
こういう場面で考えられるとするなら、自分に価値がないと何故思うか・・・そういうことだろう。
あくまでもこれは俺個人としての意見なんだけど、自分に価値があるって思うヤツってそうそう多くはないと思う。
いや、価値は平等にある。誰にだって価値はあるんだ。
だけど、それを自覚できる人がどれくらいいるんだろう?
俺は頭がいいわけでもないし、運動ができるわけでもない。
今まで大した成績を残したわけじゃないし、賞を取ったわけでもない。
何か秀でた才能があるわけでもない。
絵を描くことも、動画を作成することも、ラジコンやドローンの操縦も大したことはない。一応言っておくけど、できないことはない。結果に繋がってないだけ。
いや、結果に繋がってないだけならまだいいのかもしれない。
「あまり上手くいかなかったしね」
俺は俺自身をそこまで悲観してるつもりはない。
だけど、悲観している傾向があるのも確かか。
学生時代も大概だったけど、社会人になってからも上手くいったことは少ない。
特に社会人になってからは特に酷かったか。そこそこの会社に就職したけど、上との関係は良くなかったし、取引先と揉めることも多少あった。女性関係も上手くいかなかったなぁ。
「いかんいかん」
失敗した経験ばかり思い出してしまう。
めちゃくちゃ疲れたし、思い出したくもないことだ。できるだけ思い出さないようにしたい。
「ふぅん・・・」
魔王はつまらなさそうだった。
「まあ、別にいいけど」
「―――陛下、お待たせしました」
御者台から執事の声が聞こえる。
「城へ帰還致します」
・・・城ってか。




