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魔王と行く異世界道中  作者: ちとせ


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4

「そ、れであればそうであったとして」


 理由が単純すぎて、話についていけない・・・


 面白そうのたった一言は分かりやすい。それは別に良いと思う。

 ただ、そのためにわざわざ他国に仕掛けるのはリスクが大きすぎる。国際問題に発展することを平然とやってるわけだし。

 この魔王・・・サッパリしてるのか大胆なのか、それともバカなのかよく分からん。

 まあ、バカっぽくはないかなぁ・・・とは思うけど、今はそれ以上は分からない。


「俺にそこまでの価値はないと思うんですけどねぇ」

「何故そう思うの?」


 何故、か。

 そう言われるとなかなか困るところがあるな。


「まあ、なんとなくですかね」


 こういう場面で考えられるとするなら、自分に価値がないと何故思うか・・・そういうことだろう。


 あくまでもこれは俺個人としての意見なんだけど、自分に価値があるって思うヤツってそうそう多くはないと思う。

 いや、価値は平等にある。誰にだって価値はあるんだ。

 だけど、それを自覚できる人がどれくらいいるんだろう?


 俺は頭がいいわけでもないし、運動ができるわけでもない。

 今まで大した成績を残したわけじゃないし、賞を取ったわけでもない。


 何か秀でた才能があるわけでもない。

 絵を描くことも、動画を作成することも、ラジコンやドローンの操縦も大したことはない。一応言っておくけど、できないことはない。結果に繋がってないだけ。

 いや、結果に繋がってないだけならまだいいのかもしれない。


「あまり上手くいかなかったしね」


 俺は俺自身をそこまで悲観してるつもりはない。

 だけど、悲観している傾向があるのも確かか。

 学生時代も大概だったけど、社会人になってからも上手くいったことは少ない。

 特に社会人になってからは特に酷かったか。そこそこの会社に就職したけど、上との関係は良くなかったし、取引先と揉めることも多少あった。女性関係も上手くいかなかったなぁ。


「いかんいかん」


 失敗した経験ばかり思い出してしまう。

 めちゃくちゃ疲れたし、思い出したくもないことだ。できるだけ思い出さないようにしたい。


「ふぅん・・・」

 魔王はつまらなさそうだった。

「まあ、別にいいけど」

「―――陛下、お待たせしました」

 御者台から執事の声が聞こえる。

「城へ帰還致します」


 ・・・城ってか。

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