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「今日はお呼びじゃないのかな・・・?」
一晩、牢屋で明かした。
びっくりするくらいかび臭い布団と枕だった。
じゃあ使わなきゃいいじゃんって言うんだろうけど、この小さい窓から入って来る夜風が想像以上に俺を冷やしてくる。
さすがに風邪を引きたくないし、使わざるを得ない・・・というわけだ。
それに加えてこの湿気の酷さ・・・
天井から水が滴ってきているってことは、上に何かしらの水を使う設備や施設があるか、地上に溜まった水たまりがあるか、他に何かあるってこと。
日当たりがあまり良くないのも湿気の多さの要因の一つだろう。
常にぴちょん、ぴちょんと滴ってくるこの空間・・・控えめに言って最悪だ。
飯も大したものが出なかった。
何でできてるのか分からないけど、石かと思うくらい堅いパン。口に入れた瞬間に水分を全部持っていかれた。
汚れたカップに入れられた臭い水。雑巾を絞って溜めた水か?
さすがに食えたもんじゃないってんで、味見に口にした分以外は全部残した。
これは何か?いじめか?って思うくらいの仕打ち・・・
まあ、牢屋に入れられてる段階でいじめもクソもないんだけど、それにしては扱いが酷すぎる。
一応、俺って勇者の可能性があるんだよな?
そんな人にこんな対応していいのか?
人によっちゃあ、よくも俺にこんなことをしてくれたなってキレられると思うけど。
そう考えたら、ゲームの勇者って相当待遇いいよな。
大体、国王に呼ばれて、魔王を倒してくれってお願いされる流れだよな?
ある程度の資金もくれるし、バックアップもしてくれる場合だってある。
ゲームによっちゃあ、娘と結婚とかもあるだろう。
とんでもない差だ。
結婚とかはどうでもいいけど、正直やっとれん。
どうにかしてここから出られないかね・・・?
牢屋も一泊すれば十分。いい体験ができた。
待遇が変わるなら考えてやってもいいけど、今の環境が続くならお断りだ。
かと言って牢屋ぶりできる技術はない。
「さて、どうしたもんかなぁ」




