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「ん」
ようやく見つけたか。
「そのまま彼についておきなさい。連中に見つからないように気を付けるのよ」
早く離れておけばよかったのに、何故あの場にとどまったのか不思議なものだわ。
いや、わたくしが去った後、彼らに詰められたのか?
どういった経緯でそうなってしまったのか。それは今、どうでもいいことね。
問題はその場所・・・
最寄りまで向かうのにそう時間は掛からないけど、
「彼らの居城に移されたとなると、接触するのも難しいと思うよ?」
「ふぅん・・・」
問題は彼らの懐に飛び込まなければいけないこと。
「下手をすれば国家間の問題になる。ただでさえ問題ばかりなのに、これ以上問題を起こるわけにはいかないよ」
それももっともな話ではある。
だけど、そのまま放置しておくわけにもいかない。
「仮にその彼が勇者だったら、僕らに危険が及ぶだろうし」
勇者・・・忌々しい存在ではある。
「だけど、それは問題ではないわ」
この問題の真意はそこではない。
もっと根底的な問題がある。
それを議論する必要は今はない。
今、解決すべきは―――
「彼の確保を優先するわ」
「何でそこまでこだわるの?たった一人の、しかも見ず知らずの、敵になるかもしれない男のために?」
「敵になるとかはどうでもいいのよ」
「・・・なら何故?」
「決まってるでしょ」
わたくしたちに牙を剥く存在かもしれない。
もしかすると、わたくしたちは滅ぼされるかもしれない。
それでも何故、彼にこだわるのか?
決まってるでしょ。
「面白そうだからよ」
それ以上に、理由は必要なくてよ。




