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魔王と行く異世界道中  作者: ちとせ


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14/18

8

「んで、どうしてこうなる?」


 今、俺はどこかの牢屋にいる。


 武器を持った連中に囲まれた。

 パッと見、十人、二十人で利かないくらいの数だった。

 中には逃げていった三人もいた。


 こりゃあどうしようもない。

 多勢に無勢とはよく言ったものである。

 俺は完全無欠のヒーローじゃあない。一人で百人相手にできる無敵の男でもない。抵抗するだけ無駄と悟るのに時間は掛からなかった。


 大人しくあいつらの言うことに従った結果がコレだ。


「にしてもどこだ、ここは」


 なんというか、典型的な牢屋だ。


 石造りで所々水が天井から滴っている。

 すぐにでも壊れそうな木製のベッド、かび臭い布団と枕。たぶん用を足す用のチャチな桶。

 天井付近に窓が設けられていて、しっかりと鉄格子がはめられている。


 寝具の質は置いておくとして、それなりの設備があるところか?


「よっ」

 ベッドを足場にして窓から外を眺めてみる。


 それなりに手入れされている庭が見える。

 その庭の面積も広そうだ。パッと見、おとぎ話に出てきそうな屋敷とか、城とか、そういう規模のようにも見える。

 こういう設備があるところだ。少なくとも、人を管理するための場所・・・つまり、拠点みたいな位置付けになるはず。


 ここは恐らく、純粋種とやらの拠点だろう。


 俺がいた場所からどれくらい離れたのか・・・?

 幌付きの荷車に乗せられたし、目隠しもされた都合で周りが全く見えなかった。

 たぶん、馬車みたいな物で移動したんだろうけど、

「だとすると大体時速三十キロか四十キロくらいか?」

 感覚頼りになるから正確なことは分からないけど、馬車の揺れからして、大した速度で走ってはいないように思える。

 たぶん、車でいうところの一般道下道を通るような感じだろう。


 時間が分からないから何とも言えないところだけど、二時間程度乗っていたとしたら、単純計算で六十キロそこそこ離れたことになるか・・・?


 ここで痛いのが寝ちまったってところかなぁ。

 目隠しされた上にやることが何もないってのがなかなか辛くて、うっかり寝ちまったんだよなぁ。

 そういうところの緊張感の無さが俺のダメなところかもしれない。


「さて、次はどう来るか・・・?」


 捕まって牢屋に入れられて、次に来ることと言えば・・・


「おいお前、出ろ」


 ほら来た。

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