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「んで、どうしてこうなる?」
今、俺はどこかの牢屋にいる。
武器を持った連中に囲まれた。
パッと見、十人、二十人で利かないくらいの数だった。
中には逃げていった三人もいた。
こりゃあどうしようもない。
多勢に無勢とはよく言ったものである。
俺は完全無欠のヒーローじゃあない。一人で百人相手にできる無敵の男でもない。抵抗するだけ無駄と悟るのに時間は掛からなかった。
大人しくあいつらの言うことに従った結果がコレだ。
「にしてもどこだ、ここは」
なんというか、典型的な牢屋だ。
石造りで所々水が天井から滴っている。
すぐにでも壊れそうな木製のベッド、かび臭い布団と枕。たぶん用を足す用のチャチな桶。
天井付近に窓が設けられていて、しっかりと鉄格子がはめられている。
寝具の質は置いておくとして、それなりの設備があるところか?
「よっ」
ベッドを足場にして窓から外を眺めてみる。
それなりに手入れされている庭が見える。
その庭の面積も広そうだ。パッと見、おとぎ話に出てきそうな屋敷とか、城とか、そういう規模のようにも見える。
こういう設備があるところだ。少なくとも、人を管理するための場所・・・つまり、拠点みたいな位置付けになるはず。
ここは恐らく、純粋種とやらの拠点だろう。
俺がいた場所からどれくらい離れたのか・・・?
幌付きの荷車に乗せられたし、目隠しもされた都合で周りが全く見えなかった。
たぶん、馬車みたいな物で移動したんだろうけど、
「だとすると大体時速三十キロか四十キロくらいか?」
感覚頼りになるから正確なことは分からないけど、馬車の揺れからして、大した速度で走ってはいないように思える。
たぶん、車でいうところの一般道下道を通るような感じだろう。
時間が分からないから何とも言えないところだけど、二時間程度乗っていたとしたら、単純計算で六十キロそこそこ離れたことになるか・・・?
ここで痛いのが寝ちまったってところかなぁ。
目隠しされた上にやることが何もないってのがなかなか辛くて、うっかり寝ちまったんだよなぁ。
そういうところの緊張感の無さが俺のダメなところかもしれない。
「さて、次はどう来るか・・・?」
捕まって牢屋に入れられて、次に来ることと言えば・・・
「おいお前、出ろ」
ほら来た。




