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プロローグ
「ふんふーん、ふふーん。ふんふーん」
夜。
月が出ている。
今夜は満月。
満月の夜は不思議なことが起こる。それがこの世界の常識。
幸運を引き寄せることもあるのだとか。
まあ、それは神の気まぐれだし、我々がどうこうできることではないけども。
「・・・たまには乗っても面白いか」
そんなおとぎ話など気にしたこともなかったけど、幸運の一つや二つ、もらえるのならもらいたいものだし、起こる不思議なことにも興味はある。
「さて」
月がじんわり光っている。
静かに、ただただ夜空に浮かんでいる。
「まあ・・・そんなに都合よくはいかないか」
世の中そんなに上手くできていないのだ。
「・・・おや?」
などと思ってたけど・・・
月の光がその輝きを増した。
すると、まるで器からこぼれる水滴みたく、光の粒が零れ落ちた。
「・・・面白そうね」
探しに行くか。
月光の光が反射して煌めく、この地から探しに行こう。
幸運とやらを確かめに。




