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ライたちが次に出会ったのはコカトリスという、鳥型のモンスターだった。
コカトリスの成体は一対一の番が群れの基本単位である。雛がいる場合もあるが、その場合戦闘をせず逃げることがほとんどだ。それが六羽、つまり異常個体群との遭遇であった。
「グリーンテイルだな。あと縞模様のあるやつが二羽か」
「だな、模様持ちのヤツだけ警戒。他は蹴爪と嘴だけだ」
「了解」
この魔物の脅威度を測る指標として、その尻尾の蛇の模様がある。
模様が有り、かつ派手であるほど毒をはじめとした特殊な能力を持つと言われている。
三分の一が特殊能力持ち、しかも体高が人の背丈ほどもあるコカトリスを相手に、ライはランベルトと共に並んで前に出る。
その後ろで、セリアは攻撃を受けた時に備え、周囲の聖気功に意思を通し始める。
こうすることで、即座の治癒術の発動、また緊急時には治癒を飛ばすことも可能になるのだ。
「遠距離治癒は距離が遠いほど効果が落ちるから、注意してね!」
「分かった!」
ライの返事と共に戦闘が始まった。
「おおっりゃああああああ!」
声を張り上げ、ランベルトが大剣を肩に担ぐように構え突撃する。
ライはその背後に隠れるようにして、同じく走った。
偉丈夫と言って差し支えないランベルトの後ろは、ちょうどコカトリスの視線からライの姿を隠してくれる。
ランベルトが斬撃のモーションに移りグンと前に出たのを見て、ライもその影から飛び出して手近なコカトリスの喉笛に刺突を差し込んだ。
「ケェエエエェェェ!」
交錯。
痛みに喘ぐコカトリスから蹴爪が返ってきたが、側面に飛び込むようにして躱す。
すれ違いざま、ライは足の付け根の羽毛の薄い部分にも斬撃を加えた。
ちらと視線を移すと、ランベルトの一撃は片方の羽を叩き落としたようだ。
ライの攻撃した一羽と同じく死亡まではいかないが、ほぼ倒したと言ってよいダメージだ。
ランベルトは、気の制御に至っている戦士だ。
ライは最初の手合わせでもそう感じていたが、トラッドが見せたようなうっすらとした発光現象が彼の体を包んでいる。
「ぜああぁっ!」
横薙ぎに払ったランベルトの大剣が、コカトリスの腹を切り裂いた。
ぼたぼたと中身をこぼし、崩れ落ちる。
ランベルトは暴れさせておけばよいだろう。
そう考えたライは、コカトリスの尻尾の蛇を打ち払いながらセリアと自分、自分とコカトリスの位置を調整しながら戦うことに決めた。
すると彼の判断は正しかったのだろう。
ちょうどコカトリスがランベルトを避ける動きを見せ始める。
突進の先にはセリアがいるが、ライが割り込むには十分な位置取りだった。
「せあっ!」
走り寄り、強く踏み込む。
真横からガラ空きの首筋に袈裟斬りを叩きつける。
鮮血が舞い、コカトリスがたたらを踏んだ。
「ランベルト!」
「おうよ!」
追撃の前蹴りを受け崩れた体勢から転倒したコカトリスを、ランベルトの大上段からの大剣が叩き潰した。
これで残り二羽。
ランベルトの横をすり抜けてまでセリアを狙おうとした闘争本能は、凄まじいと言るだろう。けれど流石にここまでくれば、いかにモンスターと言えど負けを悟ったようだ。
その二羽は甲高い声を上げながら、一目散に逃走していった。
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