第五十一話後編 D-3地区中枢攻略作戦準備
2022年 5月5日 12:40 D-3地区前線基地自室
Side:宵月瑠奈
さて、私たちが例の対神魔砲設置場所である旧新宿駅の砲台陣地の偵察情報を前線基地司令部に持ち帰ってから数時間が経った頃。
国防軍士官たちや私と氷華を含むこの基地に滞在している魔術師たちが、D-3地区前線基地司令部へと呼び出された。
……私たち、偵察任務を行うって言う理由でここに居るんだけれども。
この呼び出しって絶対D-3地区攻略作戦の会議だよね。
どんだけ人的資源が足りてないんだこの国……いや、この世界の国にまともな人口を保有しているところなんてないか。
ま、ここで私たちが文句を言って出撃しなかったら国が滅びて人類消滅への不名誉ある一歩を進ませるだけだ。
さて、司令部に行くとしようか。
2022年 5月5日 12:50 D-3地区前線基地司令部施設
Side:宵月瑠奈
「さて、全員揃ったな。では、早速話しを始めよう」
私たちが部屋に入り椅子に座ってすぐ、前線基地最高司令官が入室し、口を開いた。
彼は、背後にあるスクリーンに映されているD-3地区の地図を指差しながら話し続ける。
「今日の早朝、秋風武装学園高等部より派遣された魔術師2名によって旧新宿駅付近にかつて神殺しの偉業を成し遂げた特殊魔力砲……ミストルティンが存在することが発覚した。それに従い、国防軍並びに皇国議会からミストルティン奪還作戦を実施せよとの命令が下った。これよりその作戦内容について説明する……」
「以上が作戦の内容だ。作戦実施時期は、不明だが大本営より実施時期が連絡され次第至急連絡するものとする。では、解散! 」
私たち全員は、椅子から立ち上がり司令官に向けて敬礼をする。
彼が部屋から退出すると、敬礼を解いて部屋から次々と人が出て行く。
「宵月先輩、要するに今回の作戦って戦車と魔術師を盾にしてD-3地区中枢に突入するって話しですよね? 」
「まぁ、そういうことね。魔術師と魔術的補強をした戦車は良い壁だもの、そりゃ誰だって盾役にするよねって話し。とりあえず、さっさと自室に帰りましょう」
「そうですね」




