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第五十話前編 人類史終焉の地、そして……
お久しぶりです。いよいよ、0章も中盤へと差し掛かってまいりました。
2022年 5月5日 05:06 D-3地区上空・輸送ヘリ内
Side:宵月瑠奈
「こちらポラリス01、本機は降下地点上空に到着。魔術師2名は、即座に降下されたし」
ヘリのローターが奏でる騒々しいメロディーが響き渡る機内に、パイロットである青年の凛とした声が通る。
「こちら宵月、了解。これより降下を行う」
私は、そう返事を返しながらヘリのドアをスライドする。
外からの風で、私と氷華の髪が勢いよく靡く。
「こちらポラリス01、了解。グッドラック」
さぁ、地面へと飛び降りるとしよう。
もちろん、空中で転移魔術は使用させてもらうが。
「氷華、私がカウントダウンをする。降下開始って言ったら飛び降りるよ!」
「了解です! 」
一度深呼吸をしてから、カウントダウンを始める。
「……5、4、3、2、1、降下開始!」
私たちは、ほぼ同時にヘリから飛び降りた。




