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忘れられた記憶Ⅰ
今日はめちゃくちゃ短いです。
Side:■■■■
「ママー」
金髪に赤い瞳を持つ、純白のドレスに身を包んだ貴婦人の膝にちょこんと座っている幼い私が、彼女のことをそう呼ぶ。
「何かしら、■■」
「あれ、なーに? 」
私たちの座っている庭のすぐ横、そこには庭の横にあるしては不釣り合いなオブジェ……巨大な、近未来的なデザインの大砲が鎮座している。
私にとっては……すごくイヤな感じの雰囲気のする砲。
「あれ? アレは……そうね。ちょっと昔に、人と私たち魔女が一緒になって作り出した……」
そうして彼女は語り出した。
人がおこした……いや、おこしてしまった奇跡を。
神殺しの奇跡を。




