第四十五話後編 前線基地での日常Ⅰ
軍人さんに着いて行って着いた先は……プライバシーとかそれ以前にそもそもの耐久性とかそこら辺に多大な疑問を抱かざるを得ない仮設感満載のそれなりに大きな建物だった。
「……ここ、ですか?」
思わず、尋ねてしまう氷華。
「はい、こちら基地建設中の隊員用の仮説シャワー室です。あ、ちゃんとお湯は出ますし、男女で分かれてますよ」
「……それは、ありがたいです」
ひょっとしたら、お湯出ないんじゃない?
とか思ってたんだけど許された。
……許された? それでいいのか、私……。
「では、ごゆっくり。女性隊員が後から衣類の回収及び着替えの用意を行いますのでご安心ください」
彼が去って行ったのを見送った後、建物に入る前に氷華が呟く。
「……なんで服のサイズとか分かるんですか?」
「そりゃ、私たち魔術師のあらゆるデータは軍や政府のデータサーバに保存されて、共有されているもの。それこそ、身長とかバストとかまで」
「……プライバシー保護とかって考え、ないんですか?」
「ある訳ないじゃない。魔術師なんてそんなもんよ」
はぁ、とため息をついてから、諦めたように氷華はドアを開けて中へと入る。
……まぁ、頑張れ。
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