第四十二話後編 始まりの地へと
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2022年 5月3日 06:27 D-3地区前線基地
「……先輩、宵月先輩! 起きてください!」
氷華に身体を揺さぶられ、大声で呼ばれたことで、私の意識は覚醒する。
……ここは、軍用車の中だね。
あぁ、寝ちゃってたのか。
にしても、さっきまで何かを見ていたような。
ま、そう大して重要な事ではあるまい。
「おはよ、氷華」
「おはようございます、宵月先輩。D-3地区の前線基地に着きましたよ」
もう着いたのか。
寝てると、あっという間だなぁ。
私たちは、運転手の男に礼を言うとこの車から降りる。
外に出て、視界に入って来たのは多くの作業用車両や軍人の人たちが忙しなく歩いているいかにも急ピッチでとりあえずガワだけなんとか設営しましたと言った見た目の小規模基地だった。
生乾きのコンクリートで雑に舗装された地面に、耐久性や住み心地がかなり不安と言うしかないような仮設住宅、工事現場にありそうな薄汚れた仮説トイレ、一応置いてある感が半端ない軽迫撃砲。
「……大丈夫かしら、ここ」
「まぁ、大丈夫だと……信じるしかありませんよ」
「それもそうね」
はぁ、人類の希望を背負った魔術師ってヤツは本当に大変よ、まったく。
とりあえず、ここのトップと話しをしよう。多分……奥の方にある他と比べると比較的マシな見た目の建物にいるだろう。
「氷華、ここの上官に挨拶しに行くわよ」
「了解です」




