第二十四話 管理局探索
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コツコツコツ……。
入り口から管理局内に入り、私たちは地下へと続く階段を歩んでいく。
階段は、コンクリートで塗り固められただけの簡素なもので、電灯も剥き出しの白熱電球が5m間隔ごとに吊るされているだけ。
中には、切れている電球も何個かあって、割と薄暗い。
ただ、白熱電球のおかげか、それとも単に密閉空間だからか、少なくとも室内の温度は年平均気温3度の地上よりは暖かい。
……階段が途切れて、目の前に木製の扉が姿を現す。
どうやら、鍵がかかっているようだ。
和美先輩がドアノブを回しても、うんともすんとも言わない。
さて、どうしようか。
「先輩、どうしますか?」
「ま、私に任せなさい。……とりゃっ!!!」
……そう言うと、和美先輩は右足で扉を蹴り飛ばす。
すると、扉は奥に続く通路へと吹っ飛んでいった。
敵にバレないだろうか? 少し不安である。
ガンッ……っという衝突音がしてる……。
本当に心配だ。
「は、はははっ……ちょっと力加減間違えちゃった。……ちょっと」
ちょっと。
なるほど、ちょっとか。
「先輩、先に行きましょう」
「え、えぇ、行きましょうか」
気を取り直して扉の先まで進む。
ポツポツと天井から水の雫が落ちてくる。
先ほどよりも少し薄暗く、ジメジメとしているので、不気味な雰囲気を醸し出している。
どうやら、地下には3つの扉があるらしい。
1番近くにあるのは……警備員室と書かれたプレートが埋め込まれた扉のある部屋だ。
和美先輩と私は、防御魔術を展開した上で、その部屋の中に突入する。
……部屋の白い壁に付いている鮮やかな赤以外は特に変わった所はない。
やっぱり、警備兵は殺されたか。
床には、2発分の薬莢と拳銃2丁が落ちている。
薬莢を触ってみる……まだ少し温かい。
そして、和美先輩の方は壁に付いている血液の方に触れている。
どうやら、まだ乾いておらず、液体状らしい。
「……近いわね」
「……そうですね」
敵は近くにいる。
それは分かった。
それ以上の手掛かりは得られなかったので、この部屋を出る。
次の部屋は……神造兵器研究室。
先ほど、防御魔術は展開したので今回はそのまま突入。
すると、部屋の奥からナイフが2本飛んでくる。
もちろん、私たちの身体に向かってくる。
しかし、防御魔術のおかげで身体に刺さることなく足元に落ちる。
そして、ナイフを投げて来た張本人……元は先ほどの警備員室にいた警備兵であったのであろう2体の生ける屍に私はM9A3を発砲する。
銃弾を食らった彼らは燃え尽きて灰となった。
……ここには、荒らされた跡以外何もない。
さぁ、次に行こう。
次が最後だ。そして、敵もそこにいるのだろう。




