魔法、食らうもの
「「〈サンド〉!」」
俺たちが土の針で足止めをしてからの
「「〈マナスフィア〉!〈マナスフィア〉!」」
ギーとガーの二連〈マナスフィア〉。すでに2つずつ浮かべている。
一発ずつ打ち、左右で挟み込むように炸裂、、、しなかった。
いや、炸裂はした。
しかし、ギーが打った片方だけだ。
もう片方は、、、ワームの口の中で色を失っていくところだった。
く、食った!?
その後、食ったグーの〈マナスフィア〉と同じ色に芋虫が包まれ、、、
「ギーシャ、シャシャ」
それらは5つに固まり、グーの〈マナスフィア〉5つになる。
いや、正確にはワームが偽造したグーのに似せた〈マナスフィア〉か。
あのワーム、食った魔法を偽造できるらしい。
ん?前に倒したレッサーマジックワームとは違うのか?
まずい。俺たちはレッサーマジックワームと戦うつもりだったんだが。
「こ、こいつレッサーマジックワームじゃねえ!」
グーが気付いた。
しかし、もう遅かった。
「シャシャシャシャシャ」
5つの偽造〈マナスフィア〉が発射される。全てグーを狙っている。
俺はとっさに〈サンド〉で土の壁を作った。
ガーも同じ考えのようで、土の壁がもう一つせり上がる。
二重の土の壁で3つは抑えきれたが、4つ目はグーに向かう。
グーは浮かべていた〈マナスフィア〉をぶつけて消した。
5つ目はグーに当たってしまった。
だが、5つ飛んで来たことを思えば、まずまずの結果だろう。
グーも大丈夫だとサインを送って来た。
次こそ当てようとワームは〈マナスフィア〉を再充填していたが、その〈マナスフィア〉が発射されるより前にギーのマナスフィアがワームに放たれ、ワームの真横で炸裂する。
「ギシャアアアアアアアア!」
「僕たち〈マナスフィア〉はあと一発しか、、、」
「チイッ!交代だ!」
グーとギーが下がると同時に俺たちが前に出る。
俺たちは〈マナスフィア〉を後二発は打てる。
グーとギーが〈サンド〉で足止めに徹し俺たちの4連〈マナスフィア〉で一気に仕留める。
それなら今からでも巻き返せる。
「「〈マナスフィア〉!〈マナスフィア〉!」」
〈マナスフィア〉を打つ。
左右で挟み込むように炸裂する〈マナスフィア〉。
ワームが飛ばされる。そこに下からガーの〈マナスフィア〉。更に高く飛ぶワーム。
更に俺の〈マナスフィア〉が下から飛んでいき、もっと高く飛ぶ。
「「〈サンド〉!」」
ワームの着地するだろうところに土の針が地面から生えてくる。
「シャシャシャアアアアアアアアアアアア!」
ワームの叫びが森に木霊した。