レーザーとパーティー
ワームが震えながら、レーザーを継続する。
伸びてきたガーの枝が砕け散る。
は、はあ!?MPどんだけあんだよ!?
あの技MP消費半端ないんじゃねーか!?
あんだけ継続して打って、攻撃も重ねて受けたというのにまだ打つか!?
「おらあああああああああ!」
グーの体重が乗った枝の一撃をワームに放つ。
ワームのへこんだところが耐えきれず皮膚がちぎれ、血が溢れる。
俺が防御に回した左の枝が砕け散る。
本体を削り、半分ほどで止まった。
ワームが地に倒れたのだ。
体の後ろ半分の皮膚が破れ、血が溢れている。
《経験値を20得ました。》
《レベルが2上がりました。》
《スキル〈種族図鑑〉を得ました。》
《種族〈レッサーマジックワーム〉を〈種族図鑑〉に記録しました。》
《耐性〈火炎耐性〉を得ました》
《スキル〈サンド〉の習熟度が1上がりました。》
ほうほう、耐性か。ステータスを確認してみるか。
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種族:チャイルドトレント
状態異常:なし
Lv :3/5
HP :2/11
MP :0/6
攻撃力:2
防御力:11
魔法適正:5
機動力:2
ランク:G+
種族スキル:
〖光合成…2〗〖擬態…1〗〖根…1〗〖トレント言語…1〗
耐性:
〖火炎耐性…1〗
スキル:
〖サンド…2〗
〖マナスフィア…1〗
〖自己ステータス確認…1〗
〖種族図鑑…1〗
称号:
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い、一気にパワーアップしてやがる、、、
レベルが上がると、ステータスも上がるらしい。
なら、もっと戦った方がいいんだろうか。
つーか、HP2しかねーじゃん。ちょっとのことで死にかねんぞ。
《4体での共闘での経験値獲得を確認しました。》
《4体のパーティー登録を認証しますか?》
は?パ、パーティー?
《パーティーとは。どんな戦い方をしても経験値を等分します。》
《また、一人欠けるごとに一時的なステータス補正(小)が重ねがけされます。》
《登録した後でも解除と再登録が出来ます。》
《人数制限はありません。しかし2パーティー同時に掛け持ちすることは出来ません。》
ふーん、個々が弱い内は役に立ちそうだな。
しかし、経験値は等分というのがな、、、
レベルが上がるまで高レベルでステータスの高い者たちを前面に立たせても経験値を稼ぐことができるというのは大きい。ん?一人欠けるとステータス補正(小)、か。
だが、世話になることはない、と思いたい。
「なあ、パーティーどうすっよ?」
ギーが聞いてくる。
みんなにも同じメッセージが届いているらしい。
「一回パーティーなってみる?ダメなら解除すればいいし。」
グーの提案。ふんふん、良さげだ。
「「「賛成!」」」
《4体のトレントで構成されるパーティーの認証を承諾しました。》
「よし、じゃあなんか倒してみっか?」
おいおい待てよ。
「俺の体力は2しかないんだが?」
「ああ、そうか。経験値の等分を試してもいいが、、、俺らが抑えきれなかったら
お前が死んでまいそうだな。ここは安全策で、明日からにしようぜ。」
「ああ、そうしてくれ。急ぐことでもないしな。」
その後何事もなくしっかりと回復し、、、、、
(スキル〈光合成〉と〈根〉があるので回復はまあまあ早い)
「いくぞおおおおおおおおお!」
「「「応!」」」
「ワシャアアアアアア!」
「〈サンド〉で足止めしながら〈マナスフィア〉を打て!役割は以前と同じだ!」
あの後〈種族図鑑〉というスキルで倒した相手の種族的特徴を調べられることが判明。
それによると、
《レッサーマジックワーム:E+ランクモンスター》
《魔法を巧みに操る〈マジックワーム〉系統の進化途上の姿。》
《進化途上とはいえ回復魔法を扱えることから、ただの弱者ではないことがわかる。》
《しかし、魔法の威力はそこまで強くはなく、自滅覚悟の〈ワームレーザー〉以外はさほど強くはない。》
《一つ一つの魔法に威力はないが、魔力が多いため先に相手の魔力が尽きるのを待つのがこの
モンスターの戦法である。》
俺が食らった魔法は〈ワームレーザー〉というらしい。
説明文を読むにあの芋虫の最大規模魔法だったらしい。
それよりも、だ。
メッチャ格上じゃねーか!
ABCDEFGのG+だぞ、俺!
まあ、〈マナスフィア〉の二重炸裂からの土の針の上に落ちたってのがうまく効いたらしいな。
それに最終盤の〈ワームレーザー〉の乱射によるMP消費で回復できなかったってのが良かったな。その〈ワームレーザー〉の精度もまあまあだったし。
そして今2匹目のレッサーマジックワームとの戦いが始まろうとしている。