勘違いの騎士と賢い従者Ⅲ
某漫才コンビのパロディー、まさかの第三弾です。
Kan様のリクエストで書きました。反省はしてますが、後悔はしていません。
「昨日の晩、小説家になれたらというサイトで」
「なろう、ね。仮定形じゃない」
「いろいろ調べてたら、また面白い推理作家さんを一人見つけたんですよ」
「というと?」
「成宮りんさんって知ってます?」
「今更だね。前回の最後に、名前だけ出してたじゃない」
「今日は成宮りんさんについて調べてきたので、お話しさせていただきます」
「大丈夫かな」
「成宮さんは、一九八二年、東京都に生まれ、ドラマ『ごくせん』で」
「待って。いま、その男性俳優の話に触れてはいけない。ちゃんと本人を紹介して」
「ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生の愉快な非日常シリーズを始め、数々の推理小説を投稿されている作家さんです」
「凄いよね。シリーズ七作ですよ。――カンペ見ずに言えたら、もっと良かったんだけど」
「何が凄いって、まずタイトルが凄いですよね。だって、ファミコンとシスコーンですよ?」
「ファザコンとシスコンだって。調子に乗ってると、任天堂と日清食品に怒られるよ」
「最近では、ドラえもん、違うな。野比のび太、違うな。えーっと」
「エビエビ太だよ。また、そうやって雑な覚えかたをする」
「『広島県警刑事部捜査1課強行犯係備品、エビエビ太ですっ!!』という長編小説を完結されました」
「そこは見ないで言えるんだね。どんな思考回路をしてるんだか」
「この作品も、設定が凄いですよね。なんてったって、読んだ後にエビの握りが食べづらくなる、という副作用があるんですから」
「まあね。口に運ぶ前に、ちょっと脳裏によぎるよね」
「そんな成宮さんは他にも、『華麗に冒険してはいけません』というヒューマンドラマや」
「カレーで、ね」
「『オレンジの猫2匹が美人化して、猫の集会に連れて行ってくれたんだが』というローファンタジーに」
「俺ん家の猫2匹が擬人化、ね。飼ってた猫が、人に化けたってこと」
「『初カープが唇に触れる時季』という恋愛小説」
「初恋だよ。鯉違いだ」
「それから『とりあえずやってみたあれこれと、2次創作について思うところを述べてみた。』というエッセイなど、推理ジャンルという枠にとらわれず、様々に執筆されていまして」
「ねえ。チェレンジ精神が旺盛……って、どうしたの?」
「長いタイトルが多すぎて、動悸、息切れが」
「運動不足だね。そんなに長かったかな? 成宮さんの作品の中では、比較的短いほうだと思うけど」
「これはもしや、昨日の晩に食べたエビフライの呪いか!」
「訳のわからないことを言わない。話を戻して」
「昨日の晩」
「また頭出しする。もういいよ、そのネタは」
「へい。お次は、何を握りやしょう?」
「エビから離れて」
「成宮さんは作品だけでなく、カッポウ(割烹/活報)も面白いんですよ。――整いました!」
「その人も、触れないほうが良いかな。あと、うまいこと言っただろ? みたいなしたり顔をやめなさい」
「それでは皆さん、この機会に是非とも、鏡音リンさんを覚えて帰ってください」
「それは最早、なろう作家でもないよ。いい加減にしなさい」
「「どうも、ありがとうございました」」
そろそろ怒られそうな気がしてきました。本当に、申し訳ございません。