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敵は外気温だけじゃない
「どうして死んだんですか?」
「熱中症で……」
「あれ……?」
今って春だよなと、面接官は季節を確認した。
「夏日でしたっけ」
「いえあの、レストランのキッチンで、フライ担当だったんです」
「なるほど」
それは暑いだろうと、面接官が頷く。
「ですがそれなら、すぐに冷やしたり出来たのでは?」
「具合が悪くなったら言えって、言われてたんです」
「でしょうね」
「でも、迷惑掛けるのが怖くて、言えなくて」
天使候補が俯いて言った。
「喉カラカラだし、フラフラで汗も出ないし、目眩もするのに、大丈夫ですって言い続けて、倒れました」
m(__)m




