表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/382

日本恐い、危険と言われる原因

 

 

 

「最後に、死因をお聞かせ頂けますか」


 面接官に訊ねられて、天使候補は、ひゅっ、と息を吸い込んだ。

 みるみるうちに、その顔が青褪めて行く。


 かたかたと震え出した身体と見開かれた瞳、にじむ脂汗に、面接官が心配そうな顔を見せる。


「あの、無理でしたら、」

「いえ」


 否定するも、天使候補の声は震えていた。


「あの、」


 喉すら震えてしまっているのだろう。どうにか声を出そうとしても出すことが出来ず、何度も何度も深呼吸を繰り返してから、天使候補は声を絞り出した。


「ハチに、刺され、て……」


 がたがたと震える身体、荒い呼吸。

 ただ、刺されただけとは、思えない怯え様だった。


「サバゲ、中、に、ペイント、弾が、スズメバチ、の、巣に……」


 ぽろ、と、見開かれた目から涙が落ちる。


「わ、わたし、の、弾、じゃ、な、かた、ですけ、ど」


 何度も深く早い呼吸を挟みながら、それでも天使候補は語る。


「たまたま、わた、しが、近くに……」


 面接官は立ち上がり、天使候補に歩み寄ると横に膝を突いて震える背を抱き寄せた。


「もう、大丈夫ですよ」

「っぁい」


 頷く天使候補の、未だ震える身体を面接官が撫でる。


「恐かった、ですね」

「……っ」


 両手を握り締めて、天使候補は何度も頷いた。

 

 

 

m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ