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GW中とどっちがマシか

 

 

 

「なんで死んだん?」

「あの……」


 天使候補が言い難そうに呟く。


麻疹ましんで……」

「ましん?」

「はしかです。はしか」

「ああ」


 面接官が頷いて、首を傾げる。


「死ぬような病気やった?」

「死ぬときは死にます」


 言ったあと、天使候補が両手で顔を覆って溜め息を吐いた。


「どしたん?」

「あの、麻疹とか日常的に掛かる病気と違うじゃないですか」

「せやなぁ」

「だから、あの、最初は疲れが出たかなとか、思って、病院行かなくて」


 地を這うような声で天使候補は語る。


「それで悪化して死んでしまったん?」

「そうなんですけど、そうじゃなくて」

「ん?」


 首を傾げた面接官に、天使候補が合同演習で砲弾を外した自衛官のような表情で、ぐぅぅっと呻いた。


「3月なんですよね……」

「せやんなぁ」

「年度末、ですね」

「やんなぁ」

「忙しい、わけですよ、皆さん」

「やろうなぁ」

「きっと免疫力も落ちている」

「そやねぇ」


 なんでも言うことを聞いてくれる面接官サンと化した面接官に、お通夜状態の天使候補が語る。


「そんな中、せめてマスク等の対策も取らず、満員電車で通勤し、営業先を回り、買い物に行き、街中を闊歩したんです。インフルエンザより感染力の高い感染症を保菌した状態で」

「あーねー」

「完っ全ギルティ!!疑いようのない戦犯!!」


 ああっと叫んで、天使候補は頭を抱えた。


「でも、わざとやないやんなぁ」

「悪気がなければ許されると思ったら、大間違いですよ」


 荒んだ顔で天使候補が吐き捨てる。


「ひとりの不摂生が、エピデミックの原因となり得るんですから、感染症対策は、義務ですよ、義務。つまり、義務を怠ったわたしはギルティです」

 

 

 

m(__)m

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