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方言は雰囲気で

 

 

 

「死んだんはなんで?」

「くも膜下出血らしいです」

「突然か」

「そうですね。全然、死ぬとか思ってなかったです」

にいちゃんまだわけぇもんなぁ。家族もおったっぺ?びっくりしたんでねぇか?」

「でしょうね。まあ、死亡保険かけてあったのが、まだ救いですかね……」


 溜め息を吐く天使候補に、面接官が同情的な目を向ける。


「子供は?まだ小せぇんか?」

「はい。……次男の、入学式だったんです」


 天使候補は、堪えきれなかったように声を震わせた。


「式の途中で、倒れてしまって、せっかくの、晴れ舞台なのに、オレが、台無しに……」


 天使候補の目から、ぽたりとしずくが落ちた。

 面接官が、そんな天使候補の肩を叩く。


「病気は兄ちゃんのせぇじゃねぇっぺ。兄ちゃんがそんな泣いてっと、嫁さんや坊主はもっと泣いちまうぞ」


 天使候補が歯を食い縛って、頷いた。


「そうですよね。遺された方がずっと辛いのに、オレが泣いてちゃ……」

「駄目じゃねぇけど、度が過ぎりゃ情けねぇな。ほどほどにしとけよ」

「駄目じゃない、ですか?」


 顔を上げた天使候補に、面接官が頷いて見せる。


「泣くのだって、たまには必要だっぺ。我慢してっと、ぶっ壊れちまうかんな。たまになら、思いっきり泣いたって良い」


 ぱんぱんと、面接官が天使候補の肩を叩く。


「まだ若ぇのに、可愛い嫁さんと子供遺して死んじまやぁ、悔しっぺ?今は、思い切り泣いとけ」


 見開かれた天使候補の目から、ぼろぼろと大粒の涙がこぼれ落ちた。


「オレ、もっと、生きたかった。アイツにも、親にも迷惑掛け通しで、なんも、返せてない」

「ほーか、ほーか」

「子供にだって、全然、良い父ちゃん、してやれなくて」

「悔しかったな」


 面接官の言葉に大きく頷いて、天使候補はしばらく、静かに涙を落とし続けていた。

 

 

 

m(__)m

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