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童心に返る
「死因はなんですか?」
「ピタゴラ的なアレで」
「ピタゴラ的なアレ?」
きょとんとした面接官に、天使候補が説明した。
「まず、金属部品を運んでいた従業員が転び、部品をぶちまけました」
「はい」
「その、金属部品のひとつが遠くまで転がって、粉の入った紙袋を運んでいたフォークリフトの足元に」
「ふむふむ」
「フォークのタイヤが金属部品を噛んで横転」
「うわあ」
「積載されていた紙袋が飛ばされる」
「でしょうね」
「飛ばされて落ちた紙袋が衝撃で破裂、辺りに舞い上がった粉が充満」
「え」
「タイヤに噛まれた部品が勢い良く跳ね上がる」
「まさか……」
「跳ね上がった金属部品が別の金属に当たって火花が」
「あ、ああ……」
「火花は充満していた粉に着火し、どーんと」
「うわぁ……」
面接官が呻いて、顔を覆った。
したり顔で頷いて天使候補がのたまう。
「まさにピタゴラ」
「そんなピタゴラ嫌ですよ!!」
m(__)m




