57
素人は道草も道キノコも食べてはいけない
「なんで死んだん?」
「あっの……馬鹿共が!」
「んん?」
首を捻る面接官ヘと身を乗り出して、天使候補が力説する。
「あの馬鹿共、本っ当に馬鹿で!」
「誰かが原因で死んだん?」
天使候補はこくこくと頷いた。
「馬鹿なんです。悪気がないのはわかってるけど、本当に馬鹿で」
「そっか。で?どしたん?なんで死んだん?」
「闇鍋で!」
「闇鍋」
ぱちくりと、面接官が目をまたたく。天使候補は頷いて、どこか悔しげに顔を歪めた。
「あいつら馬鹿だから、食べられるものと食べられないものの見分けも付かなかったみたいで、毒きのこ入れやがりまして。いや、たぶん毒草も入ってたんだろうな」
「気付かなかったん?」
「下拵えしたあとのきのこや野草なんて、素人目じゃ判別着きませんよ!だから、食材はちゃんと買って持って来いって言ったのに」
天使候補は口惜しげに、額を押さえた。
「と言うかそもそも、なんで結婚祝いが闇鍋なわけ。新しい人生への門出じゃなく、死出の旅路にいざ行かんしましたよ!?」
「結婚祝い、だったんだ」
「ええ」
天使候補が勢いをなくし、泣きそうな笑みを浮かべた。
「幼馴染み三人で、わたしが始めに結婚が決まったんです。ふたりと違って、わたしは取り柄がなくて、ひとりでは生きてなんて行けないから」
くしゃりと顔を歪めて、天使候補は言葉を吐き出す。
「あいつらには、まだまだやるべきことが、進むべき道があったのに。わたしなんかのために三人で死んじゃうなんて、ほんっと、ばかですよ……っ」
m(__)m




