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節目の話がこれで良いのか
「どうして死んでしまったか、お聞かせ下さい」
「ホームステイが」
「ホームステイ?」
「あっ、ミッキーです」
「ミッキー?」
首を傾げる面接官に、天使候補が困り顔で眉を下げる。
「ええと、黒い悪魔」
「悪魔?」
「名前を言ってはいけないあのひと」
「んんん?」
「だから、GですG」
「G……」
「イニシャルG」
そこまで言われて、ようやく面接官は合点が言ったと頷いた。
「ああ、ゴ」
「その名を口にするなァッ!!!」
「ひぇっ、す、すみません」
天使候補の剣幕に、面接官が椅子ごと飛び退る。
一瞬前の般若のごとき形相が嘘のような気弱げな表情で、天使候補は首を振った。
「わかれば良いんです。それで、その、ホームステイが、いて」
「どこにですか?」
「階段です。アパートの」
「家の中じゃないんですね」
「月2でバルさんやっていますから」
「……それ人体への影響的な意味で大丈夫なんですか?」
「ホームステイ排除>>>>越えられない壁>>>>健康ですから。本当に、滅びれば良いのに」
眉を寄せて吐き捨てると、天使候補はため息を吐いた。
「アパートの階段の踊り場の壁に張り付いていて、驚いて飛び退ったら、床が濡れていて滑って、階段を踏み外して、一階分転がり落ちて、首がグキッと」
「グキッと」
「あらぬ方向に」
「ひぃぃ……」
青ざめた面接官に向けて、天使候補が宣言する。
「私はもう、ホームステイのいる世界に生まれたくありません!!」
「……いやでも、害は、無いですよ?ほら、スズメバチとかに比べれば」
「存在が許せない」
「存在否定……!」
「でも」
天使候補が、しれっと言い放った。
「人間でもたまにいるでしょう。存在するだけで他人を不快にさせる、なぜか無性に目障りなひとって」
「ノーコメントで」
m(__)m




