前へ目次 次へ 26/382 25 魔法使い 「死因は」 「交通事故です。歩道に突っ込んで来た車に轢《ひ》かれて」 「避けられなかったんですね」 「ええ……まあ、よくある死因ですよね」 天使候補は陰りのある笑みで言ったあと、視線を落として溜め息を吐いた。 「なにか、心残りでも?」 「……あと三日で、三十歳だったんです。だから」 「だから?」 「魔法使いになれたかもしれなかったかと思うと、心残りで」 「……は?」 面接官は意味がわからないと言いたげに、天使候補を見返した。 m(__)m