258/382
251
にこいち
「どうして死ぬことになったんですか?」
「幼馴染みに刺されました」
「え?」
「幼馴染みに、刺されました」
繰り返された言葉に、面接官が恐る恐る訊ねる。
「それは、どう言った文脈で?」
「文脈?」
「あ、状況です。どう言った状況で、刺されることになったんですか?なにか、仲違いでもしましたか?」
面接官の問いに頷き、天使候補が説明した。
「幼馴染み、病気だったんです。発覚時にはほぼ手遅れで、もう、長くはないって。それでも諦めずに治療を受けていたんですけど、思わしくなくて。それで、ある日、お見舞いに行ったわたしに、ペティナイフを向けて来て」
天使候補が、小さな溜め息を吐く。
「『私たち、ニコイチなんだから、私が死ぬならあんたも死ぬべきだよね』って、さすがに逃げようとしたんですけど、恐ろしく速いし、力が強くて。もう、病気と治療でぼろぼろのはずなのに、どこにあんな力隠してたんだか」
m(__)m




