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裏切られたと思わなければ裏切りは存在しない
「右にしなって、言ったんだよな、幼馴染みが」
「それで、右を選んで?」
「毒入りだった」
天使候補が、へらりと笑う。
「つってもさ、たぶん毒入りって予測してるだけで、本当に毒入りかは。飲んで、ふらって、死んだから」
「自分では、どう思ってたの」
「んー、幼馴染みが言うんだから、右が正解だったんだろうなって」
「なんで自分で考えなかった……え?正解だった?」
唖然とした顔で、面接官は問い掛けた。
「今でも、右が正解だと思ってるの?死んだのに?」
「そうだけど」
「言われた方選んで、死んだんだよ?」
「そうだけど、だって、苦しまずに死んでるし」
「え?」
戸惑う面接官とは対照的に、天使候補はなにも疑問を抱いていない様子で語る。
「左を選んでいたら、もっと苦しんで死ぬ毒だったかもしれないし、死ぬより苦しいことが起きたかもしれない。だから、そうだね、なんで、幼馴染みに右を譲らなかったんだろうとは、思ったよ」
m(__)m




