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ファンタジータグは付けていない
「どうして死んだんですか?」
「吸血鬼に襲われて?」
「んなアホな」
思わず外面を崩した面接官に、天使候補がデスヨネーと頷いた。
「別に本物の吸血鬼だとは思っていませんよ」
「……正直に答えて下さいよ」
「電波な女に首筋を咬まれて死にました。なんでも、私が美味しそうに見えるとかで」
「……マジで?」
「マジです」
ドン引いた顔の面接官に、天使候補が遠い目になる。
「睡眠薬で眠らされて、起きたら見知らぬ部屋、拘束されて動くことも出来ず、わけのわからんことをほざく女が首に噛み付いて来て」
「うっわ」
「激痛に朦朧としながら、耳には、じゅる、じゅる、と、自分の血が啜られる音が。視界の端の鏡には、自分と、口から血をだらだらこぼしながら、恍惚の表情で自分の首元に顔を埋める女が、」
「や、やめ、もう駄目!!夢に見ちゃう!!」
「ぴちゃぴちゃとか、ずるずるとか、血を啜る音が、未だに耳から離れません」
「だからやめてってば!!」
青褪めて耳を塞ぐ面接官に、自嘲気味な笑みを浮かべた天使候補は言った。
「まさか、死んでいて良かったと思うとは、予想していませんでした」
「そうだね。生きてたら恐怖だったね!」
オレは今まさに恐怖だけど!
涙目の面接官は、それからしばらく自分の腕をさすっていた。
m(_ _)m




