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哲学
「死因を教えて頂けますか?」
「普通に」
「普通に?」
「面白味もない死に方を」
「別に面白味は求めてないですよ」
面接官に言われて天使候補は頷き、死因を説明したあとで問うた。
「いままで聞いたなかで、いちばん良い死に方ってありますか?」
「良い死に方ですか?」
「ええ。ありますか?」
面接官は目を細めると、きっぱりと言った。
「ありません」
揺るぎない答えに、天使候補が目を見開く。
「それは……どうして?」
「死んでいるからです」
面接官が、淀みなく答える。
「死んでいるから……」
「ええ」
だって、と、面接官は続けた。
「死んだらお終いですから。終わらない方が良いに決まってるんですから、終わってしまったら良いわけがありません。どんな形であろうと、ね」
m(__)m




