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窮鼠猫を噛む
「ええと、死因は?」
「つりました」
「吊った?首?」
「いえ」
天使候補が首を振る。
「カジキを」
「カジキ?」
「ええ。つり上げたカジキが暴れて、その拍子にクチバシが胸に刺さって」
面接官はしばらく、きょとん、としたあとで、
「ああ、吊った、じゃなくて、釣った、ですか。刺さるものなのですね」
ふんふんと頷いてから、問い掛けた。
天使候補は至極真面目な顔で頷いた。
「ええ。刺さるんです、あれ。びっくりしました」
「まあ、向こうも命が掛かってますからね」
「そうですね。窮カジキ胸に刺さるです」
「おお、座蒲団一枚」
「どうも」
m(_ _)m




