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102-A

あるある

 

 

 

「どうして、死ぬことに?」

「……外に、出られなくて」


 天使候補はうつむいて、消え入りそうな声で答えた。


「外に?災害や、事故ですか?」

「いえ、あの、なにか、どうしても出られない外的要因があったわけじゃなくて」


 面接官は、ぱちり、とまばたきひとつすると、静かな声で言った。


「事情を、話して頂けますか?ゆっくりで構いません。あなたの速度で。ここには、いくらでも時間がありますから」


 緩慢に顔を上げた天使候補は、ゆらり、と瞬いて、とろりと頷いた。

 しばらくしてから、ぽつり、ぽつり、と、ひとつ、ひとつ、絞り出すように話し出す。


「仕事、行けなくなって」


「それで、携帯も、パソコンも、電源、付けなくして」


「しばらく、コンビニとか、スーパーとか、買い物は、行ってた、んですけど」


「それも、行けなく、なっちゃって」


「通販とか、デリバリーとかも、駄目で」


「それで……」


 言葉が続かなくなった天使候補に、面接官がそっと問い掛ける。


「それで、食べるものが尽きて、そのまま?」


 天使候補は、のそり、と頷いた。


「ベッドから、起き上がることも、出来なくなって、眠って、そのまま」

 

 

 

m(__)m

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