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輪廻は、めぐる。
命を終えた魂は洗われ、まっさらになってからまた新たな命へと旅立って行く。まっさらになる過程で、自我を司る霊は洗い流され、消滅する。
だが、死した霊のなかには、まだその自我に留まっていたいと望むものもいる。
そんなわがままな霊が望みを叶えるための狭き道、それが、天使として採用されることである。天界で諸々の仕事をこなす天使となれば、リストラされて天使の地位を喪うまで、自我の消滅から逃れられるのだ。
天使になるためには、天界総務部人事課天使採用試験管理室による採用試験と、面接を受ける必要がある。
その採用面接のなかで、必ず訊かれる質問があった。
もちろん、名前や志望動機も訊かれるのだが、それ以外に、必須とされる質問、それは。
「で、なんで死んだの?」
死因、である。
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