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93 スキル上げ

Tips

 割と様々なところで見るクトゥルフ神話。

 クトゥルフ神話と言うけれど、実はクトゥルフは主神どころか神ですら無い。

 クトゥルフは旧支配者、カタカナだとグレートオールドワン。人からすれば神に等しい力は持つけれど、神ではない。あくまで惑星規模。

 外なる神と言われるもの達が神であり、魔王アザトースと副王ヨグソトース。こちらは宇宙規模である。

 なろうでは、転スラのスキル名。オバロは超位で見ましたね。

 10月、2回目の土曜日。だんだん寒くなって来ましたね。

 朝のあれこれを終わらせ、8時ぐらいにログイン。


 さって、今日は……んん~……深淵に行きましょうか。

 突撃、隣の技術者! イスかミ=ゴ、最初に会った方で良いでしょう。


「お、ミゴさん。機甲種について聞きたい事があるのですが」

「なんだ?」

「汎用抹殺型の持つ多弾頭ミサイルの良い対処法知りませんか?」

「ああ、あれか。あれ対策知ってる者からすると弱いんだ。複数の弾がほぼ同時というのは利点であり欠点でもあるよな」


 ミ=ゴAさんによると、多弾頭ミサイルの対処法はいくつかあるらしいです。

 まず盾にある【リフレクトシールド】による反射。安全に相手に返せるので推奨。

 次に簡単なのが、飛んできた時にバースト系を使用して迎撃する事。ギリギリだと爆発に巻き込まれるが、気にするのはそれぐらいで楽に落とせる。多弾頭ミサイルはその性質上、爆発範囲が小さいからとても有効な手段。

 スピードがあるなら下がりながら撃ち落とす。またはマルチロックのマジックミサイルで迎撃するのもありだが、多弾頭ミサイルは弾速が速いので非推奨。

 可能なら分裂前に遠距離で迎撃、または反射も有効な手段。分裂前に詰めてしまえば分裂後のミサイルにはロックされない。ただし汎用抹殺型は高機動なので、人類には非現実的。やはり非推奨。

 距離があるならウォール系も有効だし、分裂前にシールドをぶつけて迎撃もあり。


「というように、対応手段はかなりある」

「むぅ……なるほど。言われてみれば確かにそうですね」

「知っていればなんてことはないが、初見だと辛いな」


 私の場合、分裂前に撃ち落とすか反射。それができなければ【ダークバースト】で破壊が安定ですかね。

 【ラウムエスクード】を張って分裂前に突っ込むのもありですが、その距離なら反射すれば良いか。

 多弾頭は性質上一つ一つが小さい。よって少ない衝撃で爆発する。威力も控え目だが、数と命中精度で補うタイプですね。


 続いて魔導銃に関してと、作成法を聞きました。魔導銃の誕生秘話は教えて貰えましたが、作り方は自分で考えろと一蹴されました。

 後で纏めて掲示板に書いておきましょう。


「ところで、どこで会ったんだ?」

「南の大陸にあるディナイト帝国の遺跡ダンジョンですね」

「ほー、あの辺りに防衛システムの出るダンジョンできてたんだな」

「そう言えば、そもそもダンジョンってどういう原理なんです?」

「ふむ。簡単に言えばクレアール様とステルーラ様の影響によるものだな。まあ我々は技術者だ。学者ではないので、その辺りはシアエガにでも聞くが良い」

「シアエガですか。まだ会ったことありませんね」

「奴は一定の場所にいないからな。だが城2階のバルコニーから呼べば来るぞ」


 呼ぶ場所があるんですね。折角なので聞いてみましょうか。

 ミ=ゴとは別れまして、古城へ向かいます。……そう言えば私はどうやってミ=ゴやイスと話しているんだ? いや、今更ですか。ワンワン王も喋るし、ゴーレムだって吠えるし?


 シアエガ……どんなのでしたか。えーっと……ああ、浮いてる目玉としていろんなゲームで見ますね。

 別ゲーはともかく、このゲームはクトゥルフTRPGが準拠だと思うので……触手に囲まれた緑色の一つ目。知的好奇心が旺盛……ですか。それで学者と。

 後は呼んでみれば分かるでしょう。


 ……来たのは良いですが、もう少し細かく聞くべきでしたね。具体的な呼び方が分かりません。呪文唱えろとは言ってないので、単純に呼びかけるだけで良いのでしょうか。呼んでダメなら考えましょう。


「シアエガ、聞こえますか? お聞きしたい事があります」


 ……これ、一方通行ですよね? しかも私は遠くが見えない。つまり合っているのか分かりませんね。飛行速度も分かりませんし、5分ぐらい待ってみますか?

 あ、3分ぐらいで来てくれましたね。合ってましたか。


 ……そうですね、言葉にするとしたら……丸い黒い塊が空に浮いており、近くで見るとそれは長い触手だと分かるでしょう。その塊に切れ目が入り上下に分かれると、緑色の一つ目がしっかりとこちらを見ます。

 あからさまに血走ったような狂った目ではなく、とても知性を感じさせる瞳です。


「聞き慣れない声だと思ったら、なるほど。新人のアナスタシアと言ったか」

「はじめまして、シアエガ。ミゴにダンジョンについて聞いたら紹介されました」

「ほー。ダンジョンの何が知りたいんだ?」

「そもそもダンジョンとは何か、を知りたいですね」


 この人……ではありませんが、触手と目しか無いのにどうやって喋ってるんでしょうね……。ゲームだから気にする必要もないんですが。


「クレアール様の創造と、ステルーラ様の時空のお力の影響だ。アカシックレコードという言葉は知っているか?」

「確か世界の記憶でしたか」

「そうだ。ダンジョンというのはそのアカシックレコードに繋がっている」


 ステルーラ様のお力にこびり付いていた記憶の断片が、クレアール様の創造のお力を受け、マナというエネルギーが加わり顕現した異界……と、言えるだろう。

 そこへ新たに2柱の立像を加える事で安定させ、人類の利用できる正式なダンジョンとして機能する。


「つまり世界に満ちている神々のお力と、マナによる影響だな」

「主神と副神のお力の影響というのは間違い無いのですね?」

「意図的か、そうでないかは分からないがな。マナだけでは説明がつかんのだ」

「では、ダンジョン内で出るもの達は?」

「主に過去の記憶から生まれた存在だ。過去の記憶の再生……再現。残念な事に、それ以上ははっきり分かっていない。ダンジョンと言う異界は常識が通じない」


 神々のお力の一片と、マナから生まれただろう異界で、なぜ倒した敵のドロップ品が存在するのか? 過去の記憶の再生や再現だとしても、それは幻に過ぎないはず。しかしドロップ品としてしっかり残る、あの物理的な物質はどこから来たのか。


「クレアール様の創造のお力が影響しているのでは……としか思えないのだが、証明のしようがないのだ」


 目と触手だけのはずですが、やたら感情を感じる存在ですね。今まさにヤレヤレ……状態なのが容易に浮かびますが、目を見る限り嬉しそうなんですよね。

 完全に学者、研究者の類ですね。


「未来の敵は出ないのですか?」

「無くはない。だが未来を見通すよりも、過去を遡った方が楽だろう。言い換えれば必要なエネルギーが少ない。エネルギーとなるマナが豊富な巨大ダンジョンなら見ることもあるかもしれんな」

「小さいとそこまでの余裕はありませんか」

「恐らくな。だが、正直問題はそこではないのだ」

「そうなんですか?」

「未来の分からぬ我々が、なぜ未来の敵だと分かるのだ? 我々が見つけていないだけでどこかには存在したかもしれん。ドラゴンのような存在もいれば、妖精のような存在もいる。我々ができるのは精々、恐らくそうだろう……という推測までだ。それを記録に残し、いずれ答え合わせが行われるだろう」


 なるほど……仮に未来の敵だった場合、証明ができない。証明ができないものは学者としては不完全であり、仮説でしかない。

 世界の全て、隅々まで探すなど不可能であり現実的ではない。

 そして厄介な事に、この手の者は自分で調べて回るのが好きなのであり、神々に直接聞くという選択肢がそもそもない。

 ステルーラ様もこういった者には絶対に喋らないでしょうし? ……望めば答え合わせぐらいはしてくれるかもしれませんが。


「知りたいことは十分知れましたね。ありがとうございます」

「そうか。では、こちらも情報を貰おうか。名前と種族、それとそれは化身だな? 化身名と……本体の姿も知りたいものだ」

「……一応個人情報なので聞きますが、知ってどうするのです?」

「む? お前がダンジョンについて聞いたのと同じ事だ。ただ知的好奇心を満たすのが目的であり、それ以外にはない。勿論誰彼構わず喋る事もない」

「情報貰ってはいさよならもあれですから、まあ良いでしょう」


 キャラ名に種族名と化身名、それと職業を伝えてから、銀の鍵を使用して本体の場所へ案内します。


「ほう、ほうほう。興味深い。実に興味深い」


 私の本体……膨張し続ける肉塊の周りを飛びながらじっくり見ていますね。


「そう言えば、選択は覚えているか? どの顔を信仰している?」

「えっと……時空、生、死、運命、契約、断罪の順ですね」

「そ、そうか。欲張りな奴だ」


 再びぐるぐるしながらブツブツと考えを纏めているところですね。そっとしておきましょう。纏まってから教えてくれた方が混乱しなくて済むので。

 しばらくグルグルし続け、更に触手でツンツンしたりして、落ち着いたようです。


「ふむ。どうやら生の力が強いようだな。進化前がゾンビなのも影響がありそうだ。だからこそ増え続ける。逆に言えば、他はまだ開花していないな」

「他を開花させるにはどうしたら?」

「強くなれとしか言えんな。活かそうにも活かす土台ができていないのだろう。聞くが、《時空魔法》は?」

「まだ空間の54です」

「《未来予知》は?」

「58なのでもうすぐです」

「《第六感》は?」

「同上」

「やはり現状では土台がないな。死は粘液で多少か。契約と断罪は恐らくこのまま開花しな……いや、違うな。むしろ選んだからこそネメセイア継続か? ふむ。やはり興味深い。今後が楽しみだ」

「《空間魔法》に《危険感知》と《直感》ですか。もうすぐですし、少し優先して上げましょうか……」

「そうするが良い。種を持っていても植える場所がないのでは意味が無い。さて、戻るぞ」


 銀の鍵で古城のあるパブリックエリアへ戻って来ました。

 結局、情報的に私が得した感じがしますが……とても満足そうなので、自分から突く必要もないでしょう。


「ではな! 強くなったらまた見せろ」

「ええ、また」


 どこかへ飛んでいくのを見送りまして……。

 さて、土曜日ですし……集中的に3つのスキル上げに励むべきですかね。やたらこの3つがプッシュされるので、流石に気になります。


 おっと、そう言えば《超高等魔法技能》にしてから寝たんでしたね。確認しなければ。


《超高等魔法技能》

【精密魔力操作】

 魔法使用時に無駄を減らし、消費MPを減少させるパッシブアーツ。

【認識阻害】

 印象が薄くなる。住人の記憶に残りづらく、プレイヤーには薄れて見える。

【光学迷彩】

 目に見えなくなる。視覚以外の熱感知やエコーロケーションなどには無意味。

【防汚結界】

 汚れが付着しづらくなる。

消音結界サイレント

 聴覚対策。自分が発する音を軽減する。

消臭結界デオドラント

 嗅覚対策。自分が発する臭いを軽減させる。

【耐熱結界】

 暑さによる地形ダメージに対する耐性。

【耐寒結界】

 寒さによる地形ダメージに対する耐性。

【防風結界】

 強風による行動阻害に対する耐性。

【防水結界】

 水による行動阻害と濡れに対する耐性。


 後は【耐電結界】なんかもありますが、種族的に関係ありませんね。

 光と闇の【認識阻害】は既に出ているので、光と闇の複合である【光学迷彩】と、《空間魔法》で解放された【なんたら結界】系を掲示板に出しますか。


 そして《超高等魔法技能》の影響はこれだけではありません。私としてはこちらの方が重要ですね。


《空間魔法》

【ショートジャンプ】

 視界内の任意の場所へ転移できる。


 短距離転移魔法ですよ!

 転移可能範囲を視界内とかなり限定する事で、必要魔力とクールタイムを抑え、発動時間を早めたものでしょう。まあ《空間魔法》にしては……という意味ですが。

 奇襲向きの魔法ですが、そうポンポン使うと速攻で魔力不足に陥るでしょう。……転移、暗殺、撤退ですかね。暗部で重宝されそうですね。


 更に、装備のアサメイと旧き鍵の書が《超高等魔法技能》に適応。


 さて、とりあえずお昼までレベル上げに行きましょう。週間クエストの経験値アップ使いましょうかね。これでお昼前までに3個ぐらい3次に行けそうです。パッシブ系も2次入るかもしれません。

 問題は《空間魔法》のレベル上げですね。【インベントリ拡張】などでじわじわ上がっていますが、狙って上げるには私でもMP消費が激しいんですよね。しかも攻撃系無いし。

 一気に消費するタイプだとレモネードも向きませんし、やはりポーションがぶ飲みか。チケット中は頑張りますかね。

 狩場は勿論遺跡ダンジョン。多弾頭ミサイルの対策も分かりましたし、リベンジですよ。

 ……いあいあしよ。



 深淵から帝国に転移して、いあいあします。

 空から手に何かを持ったビヤーキーが降りてきました。


「移動か?」

「ここから南東にある遺跡ダンジョンへ頼めますか?」

「良いぞ。座れ」


 ……空中ブランコ! 夢がありますね。持ってるのビヤーキーですし、背もたれもありますけど。


「一応言うが、揺らすなよ。落ちても苦情は受け付けんぞ」


 まあ、うん。

 背もたれも肘置きもある、結構しっかりとした椅子に座りまして、優雅に運ばれるとしましょう。

 いざ、空の旅。


 完全に気分的な問題ですが、自分で飛ぶのと運ばれるのとでは違いますね。基本的に飛行中は前方に集中する必要がありますが、運ばれる場合は周囲に向けられます。運転手と助手席の違いみたいなものでしょう。運転したことありませんが。


「ああ、お前ならこっちの方が速いな」


 ビヤーキーがそう言った瞬間、前の空間が開くように分かれてその中へ入りました。

 中に入った事で流れていく背景が爆速になりました。しかも少し薄いですね? とか思っているうちに到着。


「着いたぞ」

「ありがとうございます。……今のは?」

「ああ、お前はまだできないのか。普段の地上からほんの少しだけ軸をずらした亜空間を移動する。障害物などを無視した高速移動が可能な半面、亜空間を認識できないと行き来は不可だし、亜空間は空気も温度もないから対策しないと普通の生物は死ぬ」


 ……宇宙用と思っていた黄金の蜂蜜酒は亜空間用? このゲームで宇宙戦などが考え難い以上、そっちの可能性が高そうですね。

 黄金の蜂蜜酒、または【呼吸補助ブリージング】や【耐熱魔法】【耐寒魔法】が必要になりそうですね。コストを考えると蜂蜜酒よりも魔法でしょう。


「亜空間に関われる者の事を【亜空間能力者】という。亜空間の行き来可能な者などは『亜空間航行能力持ち』などとも言われるな」

「ティンダロス系統も能力者ですね?」

「そうだ。筆頭だな。では戻る。またな」

「はい。また気が向いた時に呼びます」

「うむ」


 飛んでいくビヤーキーを見送り、ダンジョンへ潜ります。

 ある程度階層を降りてから経験値チケットを使用して、本格的な狩りを始めましょう。3次スキルだとチケットの効果が悲しみに包まれるらしいので、とりあえず手持ちは使ってしまいましょう。



 ふーむ……やっぱり汎用抹殺型はレア敵ですかね。遭遇しない。やられると経験値アップが無駄になるので来ないで良いのですが、リベンジしたい気もする。……まあ、狩りしてれば向こうから来ますかね。

 ダンジョン内は《座標浮遊》で、一号が付いてこれる速度で飛んで移動。歩いてると《敏捷強化》の上がりが微妙なんですよね。走れば良いのですがRP的にあれですし……キャラ的には走るなら飛びますね。ダンジョン内なのでそう見られる事もありませんが、0ではありません。RPとは1種の縛りプレイである……。

 支援Ⅰ型ですか。勿論1人で相手します。Ⅱ型より手数が多いので、スキル上げに丁度良いんですよね。


 リジィは埋葬品を弄った事で、多少強化されましたが……鋼なのでまだまだですね。遺体レベルと遺品レベルを上げたいところですが、敵が機甲種なので魔力が増えません。悩ましいところです。

 現状強化にオーブを砕く事になっているんですよね。正直全然使っていないので、良いと言えば良いのですが……。入手法が1日多くて3個から4個なので、貴重なんですよね。かと言って魔石買って砕くくらいならオーブ砕きますし。

 魔法生物と言う意味では北東の洞窟ダンジョンが良いのですが、あそこソロはちょっと大変なので、行くならアルフさんやスケさんとPT組みたいですね。

 ダメージ的には一号とあまり差がないので、召喚者である私に合わせて制限がかかっているのでしょう。一号より身のこなしや反応などが全然良いですし、AIが独立しているのでしょう。骨より身軽……。



〈《精神強化》がレベル30になりました。スキルポイントを『2』入手〉

〈《精神強化》が成長上限に到達したので《最大MP強化》が解放されました〉

〈《舞踏》がレベル60になりました。スキルポイントを『2』入手〉

〈《舞踏》が成長上限に到達したので《絢爛舞踏けんらんぶとう》が解放されました〉

〈《空間魔法》がレベル55になりました〉

〈《空間魔法》の【ラウムディストーション】を取得しました〉



《絢爛舞踏》

 立てば芍薬しゃくやく、座れば牡丹ぼたん、歩く姿は百合ゆりの花。

 いついかなる時も優雅でありたいあなたへ。

 体幹、姿勢、足運びなどに補正を加える。


 《舞踏》が来ましたか。SP10払って3次にしましょう。

 《最大MP強化》……最大MPはあるに越したことはないので、取りましょうか。一応私のメイン火力は魔法ですからね。どうしても触手が目立ちますけど。

 次の3次は《危険感知》と《直感》が来るはずですね。《精神強化》だけでは特に何もないので、《知力強化》待ちと。


【ラウムディストーション】

 空間歪曲エリアを自分の周囲に生成し、遠距離攻撃を逸らす。


 お、これは今まさに使えそうですね。このダンジョンなら【ラウムエスクード】よりこっちの方が良さそうです。

 よし、狩り再開。



 《空間魔法》を積極的に使っていかないといけないので、【ラウムディストーション】や【グラウィタス】を使用していきます。無いよりマシなので、スキル上げ用ですね。

 ちなみに【ラウムディストーション】は効果中、確率で逸してくれます。あくまで確率なので、保険としては【ラウムエスクード】でしょうか。ショットガンのような相手だと【ラウムディストーション】ですね。

 最大の問題は【水面の型】の判定前に、【ラウムディストーション】の判定が来る事でしょうか。逸らすだけなので反射自体は可能ですが、進入角度が変えられるので難易度が上がります。ショットガンは逸らされない直撃コースを反射すれば良くなりますが……まあ、言わずもがな無理ですよね。


「四号、それ貰うので一号の援護に」


 今の召喚は骨、骨、霊、霊、リジィ、ワーカーです。フルPTですが、ワーカーは戦闘に参加しません。骨と霊でそれぞれペアにしてリジィはお任せ遊撃です。

 使役系は指示を出す限界という最大の問題があります。使役は基本、術者は魔法による後方支援ですが、私はスキル上げのため直接戦闘がしたいのです。後方から指示出しながら補助魔法使うだけより、自分で戦いながらする方が難しいのは当然の事。まあつまり、最初からパターンを決めておくことで簡略化。

 四号の抱えている敵のタゲを取り反射を開始。空いた四号は一号が抱えてる敵を攻撃しに移動。リジィは二号の抱えてる敵を横からぶん殴っています。ワーカーは当然隅っこで待機。


 リジィは斧がトマホークブーメランになりますが、いっそ投擲武器も買って小さい棺に入れておきましょうかね? 金欠ではありませんし、買っておけば空の敵などに投げまくれます。斧系スキル持ちなので、ナイフよりトマホークやフランキスカですか。今度エルツさんのところへ行ったら物色してみましょうか。


「【ショートジャンプ】【タフトクロノ】」


 視界内……つまり、私の認識範囲内なら即転移が可能です。敵の背後に転移し、【タフトクロノ】で突き刺した瞬間9回の追撃が入り倒します。

 【ショートジャンプ】の使い勝手はなかなか良いですね。しかし、MP消費がもう少し減って欲しいですね。1割はなかなか……。



〈《筋力強化》がレベル30になりました。スキルポイントを『2』入手〉

〈《筋力強化》が成長上限に到達しました〉

〈《知力強化》がレベル30になりました。スキルポイントを『2』入手〉

〈《知力強化》が成長上限に到達しました〉

〈特定の条件を満たしたため、《霊魂強化》が解放されました〉

〈《危険感知》がレベル60になりました。スキルポイントを『2』入手〉

〈《危険感知》が成長上限に到達したので《未来予知》が解放されました〉

〈《直感》がレベル60になりました。スキルポイントを『2』入手〉

〈《直感》が成長上限に到達したので《第六感》が解放されました〉

〈特定の条件を満たしたため、《天眼》が解放されました〉

〈特定の条件を満たしたため、《天啓》が解放されました〉



 お、来ましたか。なになにー?

 《未来予知》と《第六感》がそれぞれの3次スキル。

 《天眼》が《未来予知》と《第六感》の統合スキル。

 《天啓》が……レアスキルだこれ。故に条件不明。


 勿論取るのは《天啓》です。条件不明ですが、名前からしてもう、ステルーラ様関係でしょう。

 《天眼》は《未来予知》と《第六感》以外に条件があり、肉眼以外にも複数手段を持つ、または肉眼より優れたものを持つこと……と書かれていますね。つまり目、以外の視点を持つこと? 後者の『肉眼より優れた』は分かりやすいですが、前者の条件がいまいちピンときませんね。私がクリアしたのは後者でしょうし。

 《空間認識能力拡張》を公開するつもりはないので、《天眼》の条件は出しますが、それ以外は内緒ですね。


 『天啓』……天の啓示。天の導き。神の教え。

 つまり神託。解放条件は恐らく《天眼》+神子。つまり祝福称号持ちですよね。まあ、これも内緒で良いでしょう。私が持ってるのは《天眼》だと思うはずです。

 条件に《天眼》が入るのは、神子だけで解放されるならとっくにされているはずだから。システムログも《天眼》の後だからですね。

 ただこの《天啓》……ステルーラ様の神子限定、それか選択の時空または運命、もしくは両方か。

 派生元が《未来予知》と《第六感》ですからね。時空と運命を司る神が無関係とは考え難い。効果的にも……ですね。


 そして《筋力強化》と《知力強化》がカンスト。《精神強化》がカンストしていたので《知力強化》と《精神強化》が統合され、《霊魂強化》が解放ですね。こちらは2次なのでSP6で取得。


 ショットガンが発射前から飛んでくる場所が分かりますね……。そして【ラウムディストーション】で逸らされるのも分かる……が、ダメ!

 これではせっかくのスキル効果を活かしきれませんね。現状ではどうにもならないので、《聖魔法》上げになるという事にしておきましょう。



〈《蛇腹剣》がレベル20になりました。スキルポイントを『1』入手〉

〈《蛇腹剣》のアーツ【ソニックラッシュ】を取得しました〉

〈《体力強化》がレベル30になりました。スキルポイントを『2』入手〉

〈《体力強化》が成長上限に到達したので《最大HP強化》が解放されました〉

〈特定の条件を満たしたため、《身体強化》が解放されました〉

〈《器用強化》がレベル30になりました。スキルポイントを『2』入手〉

〈《器用強化》が成長上限に到達しました〉

〈《聖魔法》がレベル30になりました。スキルポイントを『2』入手〉

〈《聖魔法》の【プロテクション】を取得しました〉



【ソニックラッシュ】

 即座に対象に衝突し、刺突ダメージとノックバックを与える。

【プロテクション】

 効果中、被物理ダメージを軽減する。



 どんどん来ますね。

 魔法お馴染み【プロテクション】は、とりあえず使っていきましょう。

 SP6で《身体強化》と《最大HP強化》を取りますよ。覚えたアーツは……敵に試せば良いか。

 ……【ソニックラッシュ】、使い勝手がとても良いですね。発動が早いアーツはとても良いですよ。微妙に残った敵の始末に重宝しそうです。

 それにしても、やっぱり最後のパッシブは《敏捷強化》でしたか。こればっかりは仕方ありませんね。


 このダンジョン、ドロップも使えるのでとても美味しい。


[素材] 機甲種の残骸(魔鉄) レア:Ra 品質:C+

 元機甲種だった物。今は無残な形である。

 マギアイアンが抽出可能。


 基本的にこれが出るんですよね。敵倒すだけで鉱石掘ってるようなものなので、悪くありません。

 まあ、リジィで使う分を残しておくぐらいですかね。それ以外は使わないのでエルツさん行きです。


 む、この音は……来ましたね? ワーカーを【クイックチェンジ】で大盾装備に変更しておきます。

 しばらくすると汎用抹殺型がやって来ました。さあ、死合と参りましょう。2人目の私は予習もバッチリです!


「一号、奴がミサイルを撃ったら分かっていますね?」

「カクン」

「リジィは投擲で」


 敵の突進を避け、射撃を反射。リジィは投擲をしつつ、突進時に合わせて斧を振るいます。

 そして、ミサイルを撃ったら一号が【カバームーブ】で前に来て、【カバーリング】と【リフレクトシールド】で反射。その後一号は再び離れます。

 おー……多少迎撃されますが、減りますね。多弾頭を3回反射するだけで倒せそうな減り具合です。討伐を高速化するなら、いかにミサイルを撃たせるかになりそうですね。グレポン反射したところで当たりませんし……。


「む、一号」


 再び撃ってきたミサイルを、今度は二号が前に来て反射。爆風に巻き込まれ、壁にぶつかり動かなくなりました。

 対策知っていると確かに楽ですね。指示を出す時に一号や二号と呼びますが、中身は同じクラウド形式です。一号の個体がクールタイム中なら、やり取りせずに二号が動くので、間違いなく利点でしょう。個体が重要ではない場合、呼び方を分ける必要もありません。



〈《敏捷強化》がレベル30になりました。スキルポイントを『2』入手〉

〈《敏捷強化》が成長上限に到達しました〉

〈特定の条件を満たしたため、《肢体強化》が解放されました〉



 これで……6個のパッシブ系が2次に統合されましたか。

 お昼までは怪しいですが、上げたいのは《空間魔法》です。しかしこれより先に《服装》が3次行きそうですか。

 ま、どんどん狩りましょう。これなら下の階行っても良いかもしれませんね……。

 おっと、予備として呼んだ大盾装備を送還しておきます。



〈《服装》がレベル60になりました。スキルポイントを『2』入手〉

〈《服装》が成長上限に到達したので《服装具》が解放されました〉

〈特定の条件を満たしたため、《準礼装》が解放されました〉



《準礼装》

 他《防具》系統と重複可能。

 現在の職業に見合った種類の装備をする事で、装備箇所に応じて補正が入る。


 なるほど? とりあえず《服装具》をSP10で取りまして、《準礼装》も取りましょうか。効果ちゃんと出るようですから。

 解放条件は《防具》系の3次スキル+職業だそうです。冒険者だけで取れるかは分かりませんが……いや、掲示板によると取れるようですね。

 簡単に言えばその職業の制服を着れば良い。が、冒険者の制服=戦闘服なので、条件はかなりガバガバである……と。

 私の場合も今の装備で良いでしょうし、取って損は無いでしょう。SP6で取ります。



〈『恩寵シリーズ』が持ち主に適応しました〉



 んー……ああ、《服装具》に適応ですか。《準礼装》の表記がありませんね……。掲示板を見る限り、効果は出ているようなので大丈夫でしょう。



 6層、7層と降りましたが敵は変わらず。最低レベルと最大レベルが1ずつ上がりましたね。

 もうすぐ上がりそうですが、お昼は確実に過ぎますね。んー……。

 フレンド……リーナ……リーナ……っと。


『はいはーい?』

「お姉ちゃんお昼遅らせるから、カップラーメンでも食べといて」

『おっけー』


 これでよし……と。

 幸い今日お母さんはいないので、お昼が多少遅れる事に問題はありませんからね。



〈《空間魔法》がレベル60になりました。スキルポイントを『2』入手〉

〈《空間魔法》の【効率化】【亜空間認識能力】を取得しました〉

〈《空間魔法》が成長上限に到達したので《時空魔法》が解放されました〉

〈特定の条件を満たしたため、スキルが変更されました。変更《空間認識能力拡張》〉

〈『The Silver Key』が持ち主に適応しました〉



 ん、見え方が変わった。

 《空間認識能力拡張》が変更された影響ですかね。それとも【亜空間認識能力】のせいか、もしくは両方。

 とりあえず確認ですね。


【効率化】

 空間系魔法の消費MPを軽減させる。

【亜空間認識能力】

 亜空間の認識が可能になる。


 【効率化】はまあ、パッシブアーツなので言うことありません。

 問題は【亜空間認識能力】ですよ。ビヤーキーの言ってた亜空間とやらが見えるようになりました。

 銀の鍵も『亜空間能力強化:極大』が増えていますね。

 SPは……種族扱いで6。《時空魔法》取りましょう。おや、《空間認識能力拡張》が《亜空間認識能力拡張》に変わってますね。まあ、とりあえず取得で。



〈特定の条件を満たしたため、スキルが変更されました。変更《亜空間認識能力拡張》〉

〈『The Silver Key』が持ち主に適応しました〉



 ……情報が多いですね。

 もう先にお昼食べてからゆっくり確認しましょうか。


「【リターン】」


祝……資料込みだけど100万文字!

つまりこの小説を『まだ93話か、読も』で見始めると死ぬ。

更新が遅い? HAHAHAHA! すまねぇ!

そんなあなたはランキングで話数と文字数を見比べて落ち着き給え。

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視界内転移は目を閉じていても有効か否か? と思ったら有効だった。 ビヤーキータクシーは無料? 何となく食事くらい奢った方が良さげな気がする。
[一言] >む、この音は……来ましたね? ♬ダダッダッダダ!ダダッダッダダ! トゥルル~ トゥ~ル~ トゥルル~ トゥ~ルル~♪
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