91 遺跡ダンジョン
83話 クレス教の前半、追憶の蜂蜜酒とレモネード辺りをこっそり修正。
あの2つ品質A級乗りますわ。そして料理のA級は確定バフ。
Tips
剣を振るスピードは敏捷だが、同じところに剣を振る正確性は器用である。
お、イベントの情報が出ましたね。
『ハロウィンパーティー ~神聖と冒涜の混じり合う夜~』
今年は仲間達と、異界の異国でハロウィンパーティー!
火を掲げて悪意を跳ね除け、収穫のお祝いをしよう!
お祭りで華やかな中、ちらほらと見つかる不審な品々……。
10月の第四回公式イベントはハロウィンパーティーです。
開催日は10月の第三土曜日、13時から始めるので空けておいてください。
第二回と同じくゲーム内加速を行います。今回のイベントはシティイベントとなります。さも当然のように問題が発生しますので、頑張って解決へ導いてください。
同じフィールドを複数用意し人数を振り分けますので、当日PTを組むのを忘れないようにお願い致します。
ハロウィンの起源は悪霊退散と収穫祭という事で、キャンペーンも開催。
期間中、《採取》《採掘》《伐採》《釣り》《農業》などの採取系統スキルの採集数にボーナスが入ります。
沢山収穫しましょう!
タイトルからしてクトゥルフ神話がチラつくのですが、何でしょうね。冒涜ってワード、他ではあまり使いませんよね?
まあそれはイベント当日を楽しみにするとして、シティイベントですか。町中がメインということですね。求められるのは情報収集能力です。それと問題解決能力。情報を貰うのは助けるのが一番楽ですよ。
このゲームだと職業……立場によるゴリ押しもできるんでしょうか? 失敗すると権力で殴り倒す嫌な奴になるので、かなり難しいでしょうけどね。
「帰っぞー」
学校から帰りまして、少しのんびりしてからログインです。
「問題は?」
「特には。庭師からの連絡で、茶木が安定したとの事です」
安定しましたか。さて、どうしましょうかね?
緑茶や紅茶は茶葉の加工法の違いです。つまり、茶木の品種による相性をガン無視すれば緑茶も紅茶、更にウーロン茶なども可能です。
まあ、ここは私の好みで紅茶にする予定ですが……問題は、肝心の加工をどうするか。私の場合《料理人》を有効にしたまま茶葉を採取すると、加工前である生の葉っぱが手に入ります。加工に使用するスキルを所持していると、加工前が採れるのでしょう。《農業》系統も恐らく加工前が採れるはずです。
関連スキルを外すと加工後の茶葉が手に入ります。これはどの茶葉か選択ですね。楽ですが、採集品の品質がCに固定されます。
関連スキルが有効だと、生の葉の品質は畑の状態依存です。畑の状態が良くても、関連スキルを外すと加工済みで品質はC。畑の状態が悪ければC未満。
つまり拘る場合、畑の状態を良くして茶葉の品質を上げ、関連スキルを有効にして加工前を入手し、自分で加工する必要があるわけですね。
生の葉っぱで採取してもらうか、加工後で採取してもらうか……これが問題です。
どうせ飲むなら美味しい方が良いですか。手間はかかりますが、がぶ飲みするようなものでもありませんし。
んー……茶葉用のハウジング設備もありますね……作りましょうか。
[家具] 全自動製茶機 レア:Ra 品質:C 価格:100万
様々なお茶を作るのに特化した器材セット。
茶葉を入れ、何を作るか選択しよう。
品質は設置した人物の所持スキルに影響を受ける。
これ設置しましょうか。緑茶や紅茶専用の機械もありますが、多分これが現状の最上位です。専用の方が高品質ができる……とかだと悲しみに包まれますが……掲示板に情報はありませんね。
「加工前の状態で採取してもらってください。後で茶葉にしておきます」
「畏まりました」
RP的に考えても、品質を上げた方が良いでしょう。問題はフレンドしか客人に来れない事ですが……手土産として持っていくのも良いかもしれませんね。
RPと言えば、宰相のところに行きましょう。
「宰相ー」
「なんですかな?」
「支配者の振る舞いを教えてください」
「ふむ? サイアーはそのままで構いませんぞ?」
「そうですか?」
「自由に振る舞う事こそが支配者の振る舞いですからなぁ。既に必須ポイントは押さえているので問題はありますまい」
「そのポイントを詳しく」
「常に堂々と優雅であれ。他者を惹き付けるカリスマを持つものこそが支配者となる。簡単に言えば、他者を気持ちよく動かす能力が上に立つ者に必要ですな」
支配者、王とは人を扱う者の事を指す。他者に指示を出し、他者をコントロールするリーダー。この人の為なら……と思わせるカリスマこそが最も大事である……と、言われてもピンときませんがね。
「カリスマにおいて必須なのは堂々としている事。誰も自信の無い者に付いて行きたくはありますまい? その自信とは言動に最も現れる」
言動……動作は動作アシストもあるので問題はないでしょう。今更外す気もありません。
「言葉遣いはこのままでも問題は無いのですか?」
「問題ありますまい。言葉遣いは重要ではなく、自分の意志を通す力強さこそが重要ですからな。『これをする』という意思を下の者達に与えられれば、口調は些細な事ですぞ」
「口調より意志ですか」
「難しい事は言っておりませんぞ? サイアー。何度も言いますが、支配者とは上に立つ者の事。つまり下に指示を出す時、具体的であれば具体的な程良いのです。曖昧な事を言いまくり振り回してくる上司より、具体的な指示が来る上司の方が良い……なんて、時代で違いはありますまい?」
「ああ、なるほど。具体的な事を言わなかった癖に、違うことをして怒鳴り散らす奴ですね」
「そういう事ですな。数少ない指示で主の求める事、もしくはそれ以上を熟すべきだ……というのは仕える側の心得ですぞ。支配者側が言い出すとただの無能に成り下がるので、注意するべきですな」
「それで回るなら部下が優秀なのでしょう。お飾りになるわけですか」
「最悪クーデター案件ですな。カリスマ持ちの主がいる組織は本当に強い。サイアーに求める事は多くありませぬ。今まで通り堂々と、それでいて貪欲に力を求めて下され」
「力を求めるのは良いことですか」
「勿論です。力なき正義はただの戯言……勝者こそが正義。世とはそういう物。己が持てる全てを用いて、女神の意志を通すのです。そうそう、リーゼロッテの件はお手柄ですな」
宰相に褒められました。
「ああ、ただし。部下に対する接し方と外の者達に対する接し方は違うので気をつけなされ。譲っても良い部分と譲ってはならぬ部分。しかと見極めるよう」
「私個人ならともかく、女神と外なるもの、それと不死者に対して喧嘩を売られたら買うつもりです」
「それで良いでしょう。立場を持つ者の義務ですからな」
たまに支配者の心得を聞きに来るとしましょう。RPするなら必須情報です!
旧支配者……グレート・オールド・ワン的な意味で、外なるもの達は参考になりそうですが……ある意味彼らこそが支配者の振る舞いなんでしょうか? めちゃくちゃ自由ですよね、彼ら。基本的に深淵から出れませんが、絶対ではありませんし。
まあ彼らの事は思考破棄しまして、宰相のところをお暇して少し生産しましょう。
離宮の裏にある大鉱脈から掘りほ……いや待て? 採取量増えるキャンペーンが来るので、今掘るのは勿体無いですね。1週間分は溜めておけるので、キャンペーン開始の土曜日までお預けですね。
採取回数を保存できない畑から夜光草を採取。大鉱脈と畑の採取は頼んでいません。自分の採取系スキルも上げたいですからね。全部頼んでいるのは蜂と茶木です。
他のプレイヤーも住人を雇えば収穫なども可能です。ただし『雇う』なので、それなりのお金がかかるそうですが。当然住人が持っているスキルでお給料は上がる。
お城の彼らは雇用費がかからず、長命種……と言っていいのかはあれですが、存在して長い彼らはスキルも高い。とても良いアドバンテージですね。
蜂蜜と言うか、グラウィタスハイブも大鉱脈と同じ仕様なんですよね。あっちも一旦採取やめて貰いましょうか。鉱石と蜂蜜は後回し。
冥府素材で蘇生薬、畑から採った夜光草でMPメガポを生産。それと手持ちの蜂蜜で追憶の蜂蜜酒とレモネードも生産しておきます。蜂蜜酒はレモネードのついでですけどね。
そう言えば、ついに大鉱脈からミスリルが出始めました。今まで出ていた銀が魔銀に変質している感じですね。普通の銀が出なくなりましたが、問題ありません。
魔力適性は魔鉄より高いでしょう。属性金属にするベースをこちらに変えても良いのですが……まずは下僕の装備を一新するべきか。今はハルチウムと3属性武器ですね。
いや、待て? リジィの埋葬品に回すべきですかね。肉塊は装備できませんし、主力はリジィなので素材回すのはそっちが優先。埋葬品の仕様を確認しますか。
遺体と遺品は1個ずつしか無いので良いとして……。
埋葬品は……『装備の追加/置き換え』と『素材の強化』ですか。メモしながら色々確認してみましょうかね。
ふぅむ。ダメだこれ。生産職の協力が必要ですね。んー……エルツさんですかね。まだいないので、寝る前に頼みましょうか。
土曜日に纏めて採掘して、ミスリルも加工して貰いましょう。まだ貴重なので、自分でするのはちょっと勿体無い。
日課の生産はしましたし、確認はエルツさん待ち。となると……夕食までレベル上げに行きますかね。
南に行くか、ダンジョンでも行くか。ダンジョンなら北のあそこより、機械系のダンジョン行きたいですね。遠距離系多い方が楽なので。
掲示板でマシンナリー云々と盛り上がっていたので、場所の情報も出たはずですが……これか。
帝国の帝都から南東にあり、遺跡っぽい入り口をしている。
敵はかなり索敵が優秀と思われるため、火力が足りないとぞろぞろやってきて詰む。そして敵は射撃系が多いため、囲まれると蜂の巣にされるので、低HPは要注意。敵の一部武装の射程がかなり長いため、近づく前にサヨナラすることも。弱点は打撃に加え雷と氷。次点で火と水。
一部武装って言うと、狩り物で相手した敵の肩の武装ですかね。あれ100メートル以上射程ありましたし。
せっかくなので、遺跡ダンジョン行ってみましょうか。1番近いポータルは……キャステルガウですね。早速転移。
おぉ……随分立派な。屋敷と言うにはいささかごつい。もはや城ですね。綺羅びやかではなく、実用性重視の城。砦に近い気がしますね。
大通りを通り北へ向かいつつ、周囲を観察してみましょう。
……北にダンジョンがあるので冒険者が多いのは理解できますが……兵士も多いですかね? そんな人達相手に逞しく商売をする大通りの人達。賑やかですね。マシンナリーの方が多いでしょうか?
おや……これまた随分と立派な厚い壁で囲まれていますね。門番の人に聞いてみましょうか。
「ごきげんよう。随分立派な壁ですね?」
「ごきげんよう。お嬢さん。この町は初めてですか?」
「はい、先程。異人です」
「そうでしたか。この町は元々砦だったんですよ」
「では、あのお城は……」
「元砦……ですね。結果的に今のような姿に」
ここから東の森が危険地帯と指定されている森であり、元々はその防衛拠点だった砦があった。
北にダンジョンが発見されたため、冒険者がやって来た。元々砦だったので責任者は軍の者だったが、冒険者達へダンジョンまでの拠点として使用する事を許可した。予備戦力としても当てにしていたようですね。
更に商人などもやって来て人が集まり、軍人から領主へ昇進。結果的に今のような町まで発展した……と。
「砦の纏め役から領主ですか。大出世と言うべきなのでしょうか」
「当の本人は嫌そうだったみたいですけどね。しかし元はと言えば、自分が冒険者達の滞在を許可したことが原因なので……」
「軍人というのもあって、嫌とは言えませんか。必要な能力も違うでしょうし、さぞ苦労したでしょうね」
「本人が望んでいたかはともかく、結果的にこうなっているのですから、間違えではなかったのでしょう」
「すぐ東に危険地帯があるとは思えない賑わいっぷりですね?」
「戦える者が集まっているので、何だかんだで1番安全なんですよ。この通り壁もしっかりしていますから」
戦闘要員のいない少し離れた場所より、戦闘要員の沢山いる隣ですか。元々防衛拠点だからこそ、下手に離れるよりも安全と。ガッツリ離れるならまた話は変わるのでしょうが、村や町のお引越しはそう簡単ではないでしょうからね。
気になったことは知れましたので、ダンジョンへ向かうとしましょう。敵の情報は掲示板にあったので、組合に寄る必要はないでしょう。
やって来たところは遺跡跡地のセーフティーエリアです。何かがあったんだろうな……という感じの入り口ですね。等間隔である石柱とボロボロの石壁があります。
ダンジョンの入り口には立像が置かれているので分かりやすいですね。
そう言えば……ポータルのないダンジョン直送便としてビヤーキーが使えるんですかね。レベル上げの移動が楽になりますね。次からそうしましょうか。
中へ入ると人工物っぽい感じの通路。北側のダンジョンは普通に洞窟系だったので、雰囲気がだいぶ違いますね。
なるほど、道幅が結構広いですね。幅が広いからこそ射線が通って蜂の巣にされるわけですね。私としては好都合です。
私が警戒するのは強襲四足型ですね。犬型のロボットで、走ってきて行動制限のためにショットガンを撃ち、噛み付いてゼロ距離ショットガンというかなりエグいワンコです。散弾なので反射が辛いと言うか、12個同時に飛んでくるのでまず無理。
それ以外にも近接武装がいるようなので、その辺りは注意でしょうか。
いっその事ワンコは肉塊に任せるのも良いですが……いや、肉塊は相性が悪いですね。アーマー……よりもスケルトンか。弓と同じなら刺突系なので、その方が相性良さそうですね。リアルに考えるとすり抜けダメージ0か、直撃即死の両極端な気がしますが……。ゲームなので気にしたら負け。首切られてもクリティカルなだけで確定死ではありませんからね。……倍率的に基本死にますけど。
一号をスケルトンのタンクカスタムで召喚しましょう。大盾に防御系スキルと、ここはメイスですね。ソロなので、メインタンク2枚にしておきますか。
それと……霊体系2体に《影魔法》も持たせて上空待機。犬が来たらまずバインドから攻撃してタゲを取らせましょう。
後はリジィですね。
しっかり作戦を伝えておきます。タゲ取ったらあまりうろちょろしないように。当たり前ですが、ここでは特に流れ弾が危険です。私も反射メインで行くつもりですからね。リジィには一号の敵を攻撃していって貰いましょう。
安全マージンはこのぐらいですかね……よし、行きましょう。セーフティーエリアから出ます。
……スケルトンだとトラップ踏みますね? まあ状態異常は効きませんし、大岩ゴロゴロや丸太などの原始的なトラップじゃなければ問題ありませんか。
まだプレイヤーが来たばかりなので、浅い部分しか情報が無いんですよね。浅い部分も全て分かっているわけではありませんし、何かしら情報が手に入ると良いのですが……。まあ主目的はレベル上げですけど。
索敵能力が高いっぽいとは書いてありましたが……敵来ませんね? どこかに固まっているんでしょうか。先客に集っている可能性も無くはないですからね。
ん……? なんか床に小さい丸い物がありますね。……ビーコンって表示されていますが……ビーコン? 機械系の敵でビーコンとか嫌な予感しかしませんね。
一号とリジィに警戒するように伝えます。
来ましたね。犬3体ですか。強襲四足型。見た目は金属の犬ですね。中型犬ぐらいの大きさ。背中にある筒がショットガンなのでしょう。
骨1霊1を1ペアとして1体ずつ持たせます。後1体は私が持ちましょう。リジィは遊撃ですが、基本的にはヘイトアーツのある大盾とセットですね。
真正面からショットガンと殴り合うのは不毛過ぎるので、上に行きますか。距離を取ってしまえばショットガンは減衰かかるはずです。
《座標浮遊》で浮かびつつ犬を正面にするので斜めになりますね。それでも地上と変わらない動きが可能な不思議体験。
3人同時にそれぞれの犬にバインドからのピラー。ダメージを与えつつタゲを取り分断。
犬が走ってきて表示される《危険感知》の範囲。直後に甲高い音と共に放たれ、蒸気のような排出音と共に薬莢が飛び出て地面に落ち、弾けるように消えました。
うへぇ……飛んでくるだろう範囲が表示されてるだけで、どこに飛んでくるかまでは分かりませんか。うん、ショットガンは無理ですね。
距離を取って直撃しなければダメージは大したことありませんね。ペレットの数発なら問題ないですが、狙って反射するのは無理です。直撃コースの1,2発を弾ければ上々か。
そしてこの犬……空中にいると遠距離攻撃がショットガンしか無いから、連射してきますね!? とても面倒!
リジィは良いとしても、タンクの一号がよろしくないですね。魔導銃だけあって魔法判定ですか。物理的な大盾では防御力が……いや。
「一号、この者達が飛ばしてくるのは【マジックガード】と【リフレクトシールド】で防ぐように」
「カクン」
これで被ダメが減るはずです。
それにしてもこのAI優秀なようで抜けていますね。今まで魔法の敵は少なかったので気づきませんでした。そろそろオーブを食べさせてAIレベルでも上げましょうか。そのうち勝手に敵に合わせて使い出す……といいですね。
それにしても……シャッガンかなり鬱陶しいですね。ほぼ同時と言っていい速度で来るので確実に抜ける。ペレットの飛ぶ範囲は分かっても、ペレットが飛ぶコースは発射されてからなので難易度が高すぎますね。
私の場合魔法防御が高いので、距離を取れば致命傷にはなりえませんが……さっさと倒す良い方法ありませんかね。
機甲種なのでEPか魔力か分かりませんが、銃口に触手突っ込んだら暴発して1発で武器破壊できませんかね?
いや、できそうですがそれよりも効率の良い方法がありますね。試してみますか。
銃口からのラインが出た瞬間に、触手を巻きつける。具体的には胴体と銃の先を……です。つまり、犬の首元に銃口が向く。自滅するがいいさ。
おぉ、ガッツリ減りましたね。これは楽で良いや。上にいればシャッガンしか攻撃手段がないので、連射します。巻き付けておけば勝手に死にますね。
バインドで体を止め、触手で銃口を固定し、ピラーで焼く……うん、早いですね。
後は……1体ですか。リジィが向かうので、私は今来た増援を相手しますか。
汎用射撃型MK.Ⅰと支援射撃型MK.Ⅰですね。
汎用射撃型MK.Ⅰはハンドガンタイプの人型。リボルバーを持ってますね。
支援射撃型MK.Ⅰは……4本腕かつ多脚。腕に1丁ずつの肩に2門の計6門。イベントで会ったMK.Ⅱよりゴツくないですね。MK.Ⅰは連射型か。
何はともあれ、漸く楽しめそうです。1体で6門とは大いに結構。
汎用射撃型は80メートルほどから、支援射撃型は100メートルほどから撃ってきますね。
やっぱり魔導銃は射程が長いですね。ただ曲射ができないので、結果的には弓の方が射程は長いと言えますか。魔力なので弾道落下無く、霧散するでしょうね。
なんというかこの撃たれ具合、音ゲーやってる気分になりますね。タイミングに合わせてラインに武器を持っていこう! 的な。
あら、死んでしまうとは情けない……。と思ったら追加ですね。もう1回遊べるドン! ……あれ普通に腕疲れるんですよね。
それはそうと、確かに結構来ますね。《危険感知》や《直感》に加え、《古今無双》を上げるには好都合ですが、支援射撃型が1体いるだけで6体分と考えると相当ですね。連射力的に1発はかなり低めになってるようですが、肝心なのはそこではなく……腕とアサメイが足りなくなる事。
腕の動きも多分敏捷ですよね。装備のセット効果で上がっているにしても、足りてないんですよね。視界の仕様上、見えていても間に合わないが発生するので、それを無くせる程度の敏捷は欲しいですが……アクセを敏捷に回しますかね? 一応足に敏捷上昇が付いていますが、基礎ステータスも考えるともう少し振るべきですかね。
フォースを操る彼らは先読みだったはずですが、私のは《危険感知》による直前から直後ですからね。どうしてもある程度のスピードが必要になります。
ラーナが言うには、3次スキルが《未来予知》と《第六感》のようですが、この辺りってプレイヤーには効果無さそうなので、結局敏捷はある程度必要そうですか。
揃えたアクセを考えるとそろそろ変え時ですかね? 今は器用、知力、精神で2個ずつなので……器用を敏捷に回すべきか。それとも知力を敏捷に回すべきか。
現在魔法は《窮極の魔術》により精神がベースになっているようなので、精神を下げる事は無いでしょう。知力もできれば下げたくはありませんが……器用減らすと反射精度に直結するんですよね。
基礎ステータスを考えても、知力を敏捷に回しましょうか。次のアクセは器用、敏捷、精神を2個ずつ買いますか。
とりあえずある程度集まってきたら一号やリジィを動かして数を調整しながら進みましょうか。
普通の近接系の敵に興味はないので、そいつらは最初から一号達に任せましょう。
第1層、41~46レベ。以降、最小と最大レベル共に1ずつ上昇していく。敵は強襲四足型、汎用白兵型MK.Ⅰ~MK.Ⅲ、汎用射撃型MK.Ⅰ、支援射撃型MK.Ⅰを確認……と。
そして現在第5層、50~55レベ。今の私のレベルは43。これ以降は今の状態では無理ですね。既に一号達を待機させる余裕はありません。一応狩れている状態ではあるので、やはり相性が良いのでしょう。《未知なる組織》による状態異常も良い感じに役立ちます。
ふふっ……とても美味しいですね。問題は増援が続けて来て戦闘が途切れないので、成長が適応されない事でしょうか。戦闘終了時ですからね……。
もうすぐ3次スキルに入るでしょうから楽しみですね。夕食まで時間ありますし、もう少し狩っていきましょう。
5層目から汎用射撃型MK.ⅡとⅢ、支援射撃型MK.Ⅱが増えましたね。どれも武装違いなので、特に問題はありません。強いて言うならポップ数に変化があるんでしょうか。気のせいかも知れませんが、汎用白兵型が減ってる。
基本的には反射しつつ、触手と魔法で攻撃。余裕があるなら《蛇腹剣》もですね。反射だけでは殲滅速度が足りないので仕方ありません。どの道他のスキルも上げたいので良いでしょう。私的には実に美味しいダンジョンです。
〈種族レベルが上がりました〉
〈《蛇腹剣》がレベル15になりました〉
〈《蛇腹剣》のアーツ【距離拡張】を取得しました〉
【距離拡張】
蛇腹剣や縄、鞭などの伸びる距離をスキルレベルに応じて延長する。
んーっと? パッシブアーツのようですね。効果は名前通り。そしてとても重要っぽいですね。射程はある方が良いですからね。
格上だし上がりが良いですね。《高等魔法技能》がもうすぐなので、《超高等魔法技能》にできるまで粘りたいところです。
ん……? なんだこの、微かに聞こえる高音。聞こえるのは……向こうですか。あいにく見えませんが……とても嫌な予感がしますね。
高音がだんだんはっきりと聞こえて来ますね。ということは……来てるな? この音を出すような機甲種の何かが。まだ5層目の敵を全部見たわけではありませんでしたか。レア敵でもいるんでしょうか。
イベントのパンジャンに付いていたジェットエンジンとは違いますね。キィン……パシュン……キィン……パシュン……何の音でしょう?
一号とリジィが戦闘態勢になったと言うことは、遠くに見えているわけですか。音が変わりましたね。まるで……そう、何かが飛んでくるかのような……《危険感知》が動きましたね!
直線だけど範囲が広い。突っ込んでくる? ラインから逸れるように回避行動を取ります。把握距離外なので速度が分かりませんからね。
お、見えま……格好いいですね!? 完全に戦闘兵器では!? とてもロマンを感じます!
汎用抹殺型 Lv55
文字通り対象の抹殺を目的として作られた、高火力武装の高機動型。
ハンドガンとグレネード、更に剣を持ち、肩に多弾頭ミサイルを装備している。
属性:― 弱点:打撃 雷 氷 耐性:斬撃
綱:機甲種 目:人型
科:汎用型 属:抹殺型
種:汎用抹殺型
右にハンドガンと言うか、もはやライフルでは? それにアンダーマウントでグレポンが付いて、左に剣を持ち、肩にミサイルポッドが見えますね。殺る気満々。
そしてかなり速い! さっき変わった音はブースターで飛んでくる音ですかね。想像以上の速度です。回避が間に合わない。【グラヴィタスマニューヴァー】を使用して避けます。
リジィも自力で避けれますね。スケルトンの一号が厳しそうですか。
なんとか避けたと思いましたが、パシュンという音とともに空中で振り向き、再び1本の《危険感知》が発動しました。サイドスラスター付きですか。流石高機動型。空中でサイドを一瞬だけ吹かし、180度の高速方向転換とは……ゲーム違うのでは?
《危険感知》のラインは肩から1本。つまり……ミサイル!
1個のミサイルが肩のポッドから放たれ、汎用抹殺型はそのまま離れていきズサーと着地しています。
《識別》に出てた相手の武装は……多弾頭ミサイル。多弾頭!? 正気ですか?
さも当然のように飛んできたミサイルは空中で分裂。1本だった《危険感知》のラインが、中から大量の小型ミサイルが出てくる事で大量のラインに変化。収束するように私に向かって飛んできます。
あっあっあっあーっ! 無理! 多少返したものの6割持ってかれましたよ!?
これはタンクで【リフレクトシールド】が正解ですかね……。ミサイルは誘導性。つまり魔法のマジックミサイル系統ですね。反射で触れさえすれば、雑に弾いても相手に向かって飛んでいくから楽です。問題は数が多すぎる。多弾頭ミサイルは当たれば爆発する誘導型ショットガンですよ? 冗談きついですね。
爆発自体はエクスプロージョン系より遥かに小さいですが、痛い物は痛い。
再び《危険感知》により、山なりの線とドーム状に色づきます。直後、今度はポンッという特徴的な音がしました。
グレポンポンですね。距離的にも自分から突っ込み、山なりの段階で相手の近くを狙って弾きます。
パシュンという音とともに後方に下がり、弾いたグレポンを避けられました。
ミサイル数発で目に見えて減っているので、防御力は無いのでしょうが……あの機動力ズルいですね。
高機動相手に一番楽なのは……マジミサでしょう。
「【Zex Ra'se Mexa Persepho Apollo】」
【臨界制御】で威力を上げた6発の【ノクスマジックミサイル】を放ちます。
汎用抹殺型はすぐに動かず、引き付けてからサイドスラスターで移動。すると対象を追うため曲がりますが、直角などには曲がれないため、半数が曲がりきれず壁にぶつかって消滅。
汎用抹殺型は横の移動後、メインスラスターを吹かし前進。つまりこちらに来ますが、その際サイドスラスターを吹かして逆を向き、残ったマジミサを迎撃。再びサイドスラスターを吹かしてこちらを向きます。
うっそでしょう……。何その主人公機ムーブ。
マジミサは誘導性能ある分弾速は遅いですからね……。どの道ブースターも吹かされたら振り切れるか。むぅ……。
突っ込んできた汎用抹殺型はリジィの斧を剣で受け止め、振り切ったリジィに合わせて正面のスラスターを吹かし、後ろに下がりました。
私は《聖魔法》で回復しておきます。とは言え、またミサイル来たら死ぬ気がしますが。
やたら賢いAI積んでますね。明らかにこいつだけおかしい。レアモンスターか、もしくは巡回型の中ボス? フィールドにいるエリートモブ的なポジションですね。
正直、次からは音が聞こえた瞬間がん逃げする敵ですね。辛すぎる。
上にいる一号の霊体がバインドとピラーを発動。
しかし、汎用抹殺型はバインドされた瞬間にスラスターとブースターを全開。出力で引き千切り、ピラーから即行で脱出。そのまま突っ込んできたのを慌てて回避。バインドはダメですね。突然飛び出してくるので、危険すぎます。危うくミンチになるところでした。
ランスはサイドスラスターで余裕で避けられる。つまり有効なのは……ウォールにマインですかね。
ライフルとグレポンは反射して、斬りに突っ込んできたところで【ノクスウォール】を正面に出します。
「なんっ……ぶないっ」
まさかのウォール前でスラスター吹かしてジャンプ。空中で向きを変え、天井を蹴って斬りかかって来たのを受け流します。
ウォールの展開が早かったですかね!
霊体一号と協力してマインをばら撒いたところで……あ、ミサイルですね。サヨナラ!
〈HPが無くなったため行動不能になりました〉
〈このまま蘇生を待つ/設定した復活地点に戻る〉
ほんと慈悲がないですねあのミサイル。私魔法防御高いはずなんですけど、あの爆発属性持ちですか?
私が殺られた事で、一号やリジィが強制送還。私は爆発で吹っ飛んで壁にぶつかり、端っこで寝ています。
……床うめぇ!
〈《聖魔法》がレベル25になりました〉
〈《聖魔法》の【ソウルシールド】を取得しました〉
《聖魔法》が上がりましたか。《魔法耐性》や《高位魔法無効》も上がってますね。ここは逆に、物理が上がりづらいですか。
あー……とりあえず、帰りましょうか。
私の場合死体が転移するのではなく、死体はその場で溶けます。視界が本体の方へ飛ぶだけですね。
という事で、本体からウニョンとフル武装化身を分離します。そして魔法の確認。
【ソウルシールド】
魂を護る膜を張り、威圧、恐怖、魅了に対する耐性を得る。
状態異常耐性魔法ですか。私には不要ですね。
さて、奴の対処法を考えなければ。あのダンジョンは私にとってとても美味しい。あそこで狩りがしたいので、対策は必須ですね。敵の行動早くて考える余裕ありませんでしたし。
んー……リジィは魔力による具現化なので、倒されてもキャパシティが減らないので問題はありません。召喚体にしては桁違いにMPを持っていくだけです。倒されてないのでまだ分かりませんが、多分再召喚のクールタイムが入るでしょう。
問題は一号。大盾を1体と霊体ですかね? ミサイルが来た時だけ【カバームーブ】で私の前に来て、【リフレクトシールド】で反射。その後すぐに離れさせる。霊体の一号は上空からマインをばら撒いて行動妨害。
倒すならこれか。
【カバームーブ】はそこそこクールタイムがありますし、【リフレクトシールド】が結構長いんですよね。クールタイム中に2発飛んできたら死ぬのはとても宜しくない。
安定させるにはミサイルを撃つ条件が知りたいですね。ミサイルを撃つトリガーが分かれば誘発できるし、リキャスト中は撃たせない事も可能。
正直レベル差も考えると、音が聞こえた瞬間送還してがん逃げ。落ち着いたところで再召喚が安定。ただレベル上げに行っている以上、倒せた方が良いのは確か。
ふぅむ……戦う場合はクールタイム中の保険が欲しいですね。
とりあえず……エルツさんがいるので連絡しておいて、ご飯。
夕食後、寝る前の諸々を済ませてエルツさんのお店へ。
「ごきげんよう」
「おう、来たか。スキルの検証がしたいんだって?」
「棺関係の仕様が気になりまして。装備がないと確認すらできないので」
炉などが置かれている作業部屋へ移りまして、錫、銅、青銅装備を借ります。
そしていざチェック。
「これ、強化に使用すると取り出せなくなりますね。まあどうせ安いので、丁度良いから強化に使用して良いですか?」
「おう、良いぞ。初期のスキル上げの産物だからな。むしろ買ってくれ」
リジィが生前から着ていた装備、あれはデフォルトの装備かつアバターでもあるようですね。この見た目が気に入らない場合、アバター機能を無効にして『装備の追加/置き換え』で、新しい装備を入れるとそちらの見た目になる。つまり今は錫一式リジィになる。このデフォルト装備は遺体によって見た目が違う可能性大。システム的に恐らく性能は一緒。
装備を入れるか素材を用意するかで、埋葬品が強化されるわけですね。
「完成品をそのまま入れるもよし。素材で入れるもよし……か?」
「そうなりますね。ただこれ、強化順を飛ばせませんね。錫から銅の入れ替えは可能ですが、錫から青銅は不可能。弾かれますね」
「生産品による品質の影響は?」
「はて、目に見えた変化は……これかな? 召喚時の消費MPが減少」
「ほう……」
最初から生産品なのでこれが正解か分かりませんが、恐らくこれでしょう。防御力なども上がってますが、これだけ異色ですし。
完成品を入れると、素材強化での必要素材数が減る……と。最初から全身分の素材を要求しているわけですね。
装備による補正は……そのまま入れた装備依存。素材で強化した場合、今までと同じにするか、変える事が可能。補正値は恐らく素材依存でしょう。
銅の生産品を、青銅の素材で強化した場合、銅装備の品質は無効化。『召喚体の消費MPが減少』効果が消えましたね。品質はこれに影響ですか。
品質の高い素材で強化した場合、多少影響はあるが、品質を気にするなら完成品を入れるべきですね。
「埋葬品による上昇ステータスは強化時に弄れるようですね。振り直しも可能なようですが……いや、1回だけか。それ以上は課金しろと。まあ、よくある」
「お決まりと言えばお決まりだな」
「素材変えれば振り直し回数も復活するようなので、温情ですね」
「操作ミス用か?」
「そんな気がしますね。ところで、今鋼はいくら程ですか?」
強化順はティン、カッパー、ブロンズ、アイアン、スチール、コバルトハイスかマギアイアン、ハルチウム、ライチウムですかね。
「ライチウムの上に魔鉄と魔銀の合金で、アイリルがあるぞ。そんで純ミスリルが来るな」
「アイリルインゴットですか」
「魔法があまり得意じゃない奴はアイリルを使うらしい。ミスリルは魔力を流さないと単品じゃ柔っこいらしくてな。かと言って混ぜるのは最低でも魔鉄じゃないと、ミスリルの利点が消えるようだ」
「お金はあるので一気に揃えても良いところですが……ステータス補正決めてからですかね」
「その方が良いだろうな」
鋼でも20ぐらいの装備ですから、リジィからするとゴミなんですよね。しかしまだ鋼は売れ時でもあるので、値段はそれなりか。
とは言え、飛ばせないので買うしかありませんね。買っておきましょう。明日装備変えながら補正値決めるとしましょうか。
エルツさんから鋼までの素材を購入してお暇します。
……必要素材増えたらまた買いに来る事になりますけど、そうなったらそうなったで仕方ありません。
寝ましょうかね。
シャッガン……ショットガンの《危険感知》は、発射前が銃口からの円錐型。発射後に12発に分離。
実際に中身の粒が飛ぶコースはトリガーを引かないと分からない。
多弾頭ミサイルも同様。
まあつまり、ある意味お決まりのスキルを手に入れれば、発射前から分かる。
マシンナリーのイメージは
武装神姫、フレームアームズ、PSOシリーズのキャスト。
球体関節やシームレス、SF風が可能。
それに比べ、機甲種のイメージは
ゾイド、PSO2のリリーパにいる感じの敵。
そして汎用抹殺型はアーマードコアである。
クイックブーストとかノリノリで書いてたら、なんか主人公機してた。
ロボットと言えばガンダムではなく、AC人間。