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この話で平日を潰すので、月曜から金曜です。

「座れー始めんぞー」


 チャイムが鳴り、少ししてから先生がやって来ました。


「……よし。さて、連絡だが……転入生が来たぞ?」

「『は?』」

「入れー」


 夏休み明け一週間後と言うとても微妙なタイミングで転入生ですか?

 先生に呼ばれて入ってきたのは……入ってきたの……は……。


「「ぶはっ」」


 入って来た2人を見て、智大と傑が吹き出したのを聞きつつ、私は頭を抱えます。


「…………確かに、夏休み明けで帰ったとも聞いてませんでしたし……? 普通にゲームにログインしてましたね……」


 エリーとアビーですよ。聞いてませんよ? イタズラ成功してやたらニコニコしてますね。


「両親が仕事でしばらく日本にいるという事で、留学だそうだ。という事で、よろしくな」


 先生がめちゃくちゃこっち見ながら言うんですが、最後の完全に私に向けて言ってますよね?


「エリザベス・オフィーリア・レンフィールドですわ。よろしく」

「アビゲイル・セリーナ・ルークラフトです! よろしくです!」

「一応聞きますが、アビーは妹のクラスでなくて良いのですか?」

「学力的に問題ないと判断されたぞ」


 なら良いですかね。

 私を挟むように左右に陣取られました。


「よろしくですターシャ!」

「ふふふ、来てあげたわ」

「ゲームにいる時点で気づくべきでした……」


 ……ん? ちらちら見えるあれは……。


「もしや、レティさんとドリーさんまで来たので?」

「ん? ああ……先生リアルでメイドさん初めて見たぞ? しかもガチの本職な」

「……あそこでチラチラされても気になるので、いっそ中に入れては? どうせ席は余ってますし、むしろ2人の近くに置いた方が本職だけあって気配消えますよ。心配してるだけでしょうからね」

「ふぅむ……向こうが遠慮してんだが、やっぱ入れちまうか」


 どうせ見学自体は元々自由だったはずですからね。そう思えば別に問題はないでしょう。格好がメイド服なのを除けば。

 先生が呼びに行くとスルスルと入ってきて空気になりました。


「さて、2人以外には特に連絡無しな。じゃ、怪我しねぇように」


 先生が教室から出ていき、生徒達がガヤガヤし始めます。

 少しして智大と傑がこっちへ。


「「おっす」」

「「ごきげんよう」」

「公式トレーラーに動画が追加されたっぽいぞ。キャンプイベントのやつだな。CM版とロング版だとよ」

「今回は遅かったね?」

「長かったからだろうなぁ。時間あるし、見るか?」

「見るです!」


 智大の問にアビーが元気に答えたので、見ることにしましょう。

 まずは短いCMバージョンから。


「お、いきなりクライマックスじゃんか」

「トリフィドだな」


 傑と智大が言うように、いきなりイベントのラスボスから始まりました。

 地上部隊と航空部隊でちょいちょい視点を変えながら流れていき、ボスが倒され大宴会を映しながらタイトルロゴが出て終わり……じゃないですね?

 かなり映像が暗いですが……。


「なんだ?」

「あ、これあの忌々しい嵐の時じゃないかしら?」

「ああ……鬼畜の所業だったあれな……」

「うわ、骨です!」

「ん?」

「『愚かな人間めぇ……後悔させてやるぞ……ひゃひゃひゃひゃ!』」

「ふふっ……これスケさんのあれじゃないですか! あ、終わった」


 雷嵐竜の嵐でスケさんがふっ飛ばされて、這って戻ってくる時の場面ですね。


「そうか。イベント中は2人とPT組んでたもんな。琴音が知ってるのも不思議じゃない」

「私もあの場面動画撮ってたので、帰ったら上げようか。ロングの方でネタバラシがなければだけど」

「じゃあ長い方見るか」


 編集によってホラーですが、本来はネタ動画ですからね……あの場面。


 ロングバージョンは1日毎のダイジェスト版でした。

 1日目が酷いのなんの。拾い食いした被害者纏めみたいになってますよ。これは酷い。突然暴れだしたり、突然倒れたりと地獄絵図ですね。

 そしてやっぱりと言うか、4日目が1番面白かったです。やってる当人達かなり必死なんですけど、こうしてみると面白いですね。酷い話です。


「帰ったら動画上げますかね。『トレーラーの真相』と言うタイトルで……」

「楽しみにしてよう」


 それから授業をして、昼休みに妹が来てエリーとアビー達を見て固まり、帰りは車で送ってもらい楽ちん帰宅です。


 さて、ゲームしますか。

 例の動画をサイトに上げてから、ゲームにログインします。




 ワンワン王と雑談タイム。有益な情報がポロッと出たりするので、油断なりませんよ。


「《空間認識能力拡張》はどうだ。ちゃんと使いこなせているか?」

「使いこなすも何も、あれってパッシブスキルでは?」

「む……?」


 物凄い『何を言ってるんだこいつは?』って感じで見られている気がしますね。

 《空間認識能力拡張》って、《看破》系や《感知》系に補正を加え、偏差予測や魔法範囲予測などにも補正を加えるスキルですよね。パッシブスキルでは? 勝手に上がってるのは、銀の鍵による脳内3Dマップにリンクしているからでしょう?


「あれ、何か勘違いしていますか?」

「……とりあえず《空間認識能力拡張》を無効にして、銀の鍵も外してみろ」


 言われた通りに銀の鍵を外し……ても脳内3Dマップがありますね。認識可能距離が激減しましたが……減り過ぎでは?

 《空間認識能力拡張》を控えに入れると、脳内3Dマップが消えました。


「このマップ……銀の鍵の固有能力では無かったのですね……」

「むしろ銀の鍵がその能力を強化しているのだ。本来はみな、スキルのみだぞ」

「銀の鍵はとても素晴らしいと言うのが分かりました」

「当然だろう。誰が作ったと思っている」


 レア度Goでしたね。これもステルーラ様が作ったやつか。

 スキルと銀の鍵を装備し直します。


「で、使いこなせているか?」

「いえ、正直あんまりですね」

「ふぅむ……何が問題だ?」

「純粋に処理しきれません」

「向こうでは人間だったか。純粋に処理能力の問題か? それは実に惜しいな」

「切り替えのタイムラグが厄介ですね。視界外が分かるのは確かに便利ですが」

「……む? さてはお前、まだ視覚情報に頼っているな? 目、潰してやろうか」


 流石外なるもの。発想がぶっ飛んでますね。


「《空間認識能力拡張》に慣れてしまえば目など劣化品でしかないぞ?」

「色も分かるようになるのですか?」

「なる。と言うか、仲間になるなら目は今のうちに捨てておけ。目がない種などザラだぞ? 余にも無い」


 ……確かに?

 そう言えばアルフさんも、高さは頭がある位置だけど、首が付いているわけじゃないから真後ろも見れるとか言ってましたか。

 でも《空間認識能力拡張》は掲示板では見たことありません。スライムやゴーレムなど、アルフさんも含め違う見え方なのでしょう……。

 銀の鍵で解放されたSP16のレアスキルですからね。銀の鍵以外での解放条件はかなり厳しそうです。


「むぅ……」

「光を捧げると他の能力に補正が入るぞ? せっかく銀の鍵も持ってるしな」

「え、どういう事です?」


 聞いたところによると、要するに……産まれながらにして欠損を持つ者は、他の能力が高くなりやすいとか。

 生まれた時から目が見えないなら、耳が良くなる。複数の音を聞き分けたり、コウモリなどのエコーロケーションなど。耳が聞こえないなら相手の表情を読み取る能力や、口の動きだけで読み取る読話、口話……所謂読唇術ができたり。

 まあ、『簡単』とは一言も言っていませんが。欠損と言うペナルティは不便かもしれないが、必ずしもデメリットだとは限らない……だそうです。他に回せるリソースがある……という意味でもありますから。


 私の場合は実に単純です。

 目からの情報と、脳内の《空間認識能力拡張》による情報。この意識的な切り替えが難しいなら、最初から目を閉じればいい。ハイブリッドなんてせず、最初から処理を《空間認識能力拡張》に回せばいいのです。

 そもそも上位互換があるにも関わらず、目という劣化品を使っているのが問題だ……と、ワンワン王は言っているわけですね。複数の良いところでハイブリッドは良いけど、完全劣化品だから捨てろと。

 まだ色が分からないなら、色が知りたい時だけ目、開ければ? と。


 ええ、実に単純といえば単純ですけどね。

 《空間認識能力拡張》に集中すれば、スキルレベルの上がりも良くなるとは言え……慣れるまでおさらばしたくないですね。


 とりあえず、目隠しとかアイマスクの購入も視野に入れるとして……それはダンテルさんに相談すればいいでしょう。

 問題は目を閉じて、《空間認識能力拡張》をメインにした時の恐怖心克服からですね……。これが曲者でしょう。脳内3Dマップのみで行動できるようにならないと、話になりません。これはかなり個人差あるでしょう。

 しっくり来るまで見え方などを色々試すしかありませんね。『人間慣れる生き物だ』とも言うので、自分が慣れるのが早い事を祈りましょう。


 ぶっちゃけゲーム的に言うなら、盲目と言う状態異常中にのみ発揮する、効果が上がるスキルがある……でしょうね。よくある暗闇とかでも効果あるのかは分かりませんが、試す価値はありそうですね……。




 魔動装置で捏ねられるお肉を尻目に製パン機の方へ。

 全自動製パン機のUIでインベントリから……強力粉、中力粉、薄力粉、全粒粉をセット。魔法の調味料セットから塩、砂糖、生イースト、インスタントイースト、レーズンの天然酵母をセットします。

 自分の登録したレシピをコピーしたら、レシピから作るものを選択し、個数を入力したらあとは放置。

 セットした原材料が必要分減り、勝手に混ぜられる。その後チクタクされて醗酵も済まされ、成形されて更にチクタクされ、後は焼くだけの状態で出てきます。

 全自動しゅごい。この作業工程速度に周囲のマナ濃度が影響あるようで、要するに機械が動くためのエネルギーがどのぐらい周囲にあるか……ですよね。

 魔石セットする枠がUIにありましたが、錬金で使うのでパスで。ハウジング系魔動装置の燃料として微妙に値段が上がりそうですね……。


 燻製機の方も原材料をセットし、ジャーキーを作ってもらいましょう。売れますからね。むしろ料理系の主力。


 ホワイトリカーに漬けたホーリープニカをチクタク……消費MPがかなり減っていますね。こいつやっぱり空間系に属してましたか?

 鍵で半減、称号で5%減ぐらいなので、使い勝手がかなり上がりましたね。一度に飛ばせる時間が伸びるというのは楽でいい事です。


 軍隊魔戦蜂から採れた蜂蜜も使用して、蜂蜜酒も仕込んでいます。勿論使用している水は追憶の水ですよ。

 この辺りは放置でいいので、楽でいいですね。


 製パン機から出てきたパンを窯で焼きつつ、紅茶の配分を決めたり、腸詰め用の配分を変えてみたりと、私の好みで決めていきます。

 リアルのお仕事とは違い、万人受けする必要はありません。むしろ作り手によって差がある方が、掲示板では楽しそうにしてるんですよね。

 自分の好みの味を作る人を探して、お気に入りの料理人を見つける。たまには別の人の料理を買ってみる……とかの冒険が密かな流行りだとか?


 バーベキューソースや焼肉のタレがバーベキューセットで来たので、大体それ使うでしょうから私は避けます。メーガンさん繋がりのコネ、西のハーブ類を使用。ステーキ用のソルトハーブを作りました。試行中に最高に不味い組み合わせができたりしましたが、事故ですよ事故。

 後は腸詰めの方も工夫。正直ステーキ用のソルトハーブ事故より、腸詰め事故の方が処理が辛かったですね。一回にできる量の差ですよ。タイミングの良い訪問者にプレゼントしました。多分渡す時目が笑ってなかったと思います。間違いなく嫌な予感がしただろうリーナは、恐らくPTメンバーを巻き込んでいるでしょう。すまない。ムササビさんも1個食べた後、振る舞っていそうなので結構犠牲者いそう。

 ハーブとレモンのさっぱりした腸詰め好きなんですけどね。いやあ、苦労しました。とりあえずまあ良いかな程度にはなったので、しばらくストップです。後はまた気が向いたらで良いでしょう。

 ジャーキーも塩漬け用ソミュール液の配分を少し弄りました。違うハーブを加えた少量を沢山用意し、それぞれ数切れだけ漬けたのを纏めて燻製です。

 現状燻製用のチップが種類ありませんので、チップに合うハーブを探した方が良いでしょう。


 美味しいものを得るためには、それに至るまでの犠牲はつきものです。香水で大体察せるでしょう。合わない香りは吐き気に繋がる。南無三。


 ブレンドティーはリアル知識があるため、むしろ楽でしたね。まだ種類が少ないので、組み合わせがあまり作れないのが問題と言えば問題でしょうか。

 畑の苗木、早く育ちませんかね? どんな味か、楽しみなのです。


 ソルトハーブのステーキ、レモンハーブの腸詰め、ハーブジャーキーをそろそろ委託に流しましょうか。

 バゲットはスープとセットで、ドッグパンはホットドッグに。ジャーキーはそのまま。

 五行札も魔力紙を大量に作っておけば、五行札制作はどこでもできるので、合間の時間にちまちま作っていました。


 ちなみに《料理人》の30は【マジカルセレクト】でした。料理のバフ効果を選択できるようになりました。選べるバフ効果は本来のルールに従うようですが、バフが付く場合確実に欲しい方が付くのは嬉しいですね。


 狩りもしたいですが、エイボンの書を考えると先に言語を上げきってしまいたいんですよね。よって3時間以上の纏まった時間があれば言語のお勉強。

 とは言えずっと勉強はダレるので、休日は狩りなどに回し、学校の帰宅後に《古代神語学》を上げるのが楽です。

 そして寝る前に生産をして、作った物を委託に流して就寝。言語が終われば狩りや、町歩きでイベント探しができるでしょう。まあ、まだだいぶかかりますが。




 図書館や図書室というものは、定期的に確認をした方が良いようで。しれっと《直感》が発動するようになっているんですよね。

 まあ、何かしらの条件を達成した……と言うわけなんですけど。片っ端から全部読んでいくのは流石に面倒なので、この方法でも良いでしょう。



〈特定の条件を満たしたため、《錬金術》にエクストラアーツが追加されました〉



【Ex 魔化】

 料理を魔力へと変換する事で、本来食事できない種族が食べられるようになる。

 料理を放置しすぎると霧散してしまう事を除けば、他は変化なし。


 《料理人》と《錬金術》が30必要で、知識を得れば解放されるようですね。

 これでスケさんとかアルフさん、双子などの食事不可だった種族が、料理バフの恩恵を得られると。

 料理バフが無くても、元のステータスが高かったので重要なのはそこではありません。美味しい料理が種族気にせず食べれるようになった……が最重要でしょうね。

 味すら伝える魔力とは……いったいどんな物質なんでしょうね。私、とても気になります。


 まあそれはそうと、次からバフが付いた料理だけは【魔化】しておきましょう。作業量を考えると他は微妙ですかねぇ……。露店なら必要な物を【魔化】してあげればいいのですが、委託ですからね。


 錬成陣の改良もしたいですし……時間が足りません。

 《古代神語学》のカンストを最優先にするべきか。しかし土日まで潰すと戦闘スキル面が残念なことに。週間報酬の経験値チケットを使用するなら戦闘の方ですね。


 しかしエイボンの書。できれば早く解読したいものです。

 暗黒の神話や呪文の集大成とされる超古代の魔導書。ツァトゥグァ、ヨグソトース、ウボサスラ、アザトースなどに関する知識や儀式、呪文などが記されている。

 このゲームで言うならアザトースがクレアール様。ヨグソトースがステルーラ様に値する神格。魔王アザトースと副王ヨグソトースですからね。クトゥルフ神話の中でもこの2体は別格なんですよ。

 それら神々の知識や、召喚と退散の仕方、その他呪文が沢山書かれた物が……このエイボンの書です。ネクロノミコンにも欠落している禁断の知識が数多く含まれる。本のヤバさが知れるというもの。


 とは言え、それはあくまで元になった原作の設定。クレアール様とステルーラ様は友好的ですからね。

 このゲームでは言葉通りの魔導書なのでしょう。魔法職にとってとても嬉しい補正をくれますし、《錬金》系統にも補正をくれてますからね。まあ、不死者以外が手にした場合は知りませんが。


 結局は、ちまちまやるしかないんですけどね。

 次の公式イベント情報が出れば判断できるのですが……そろそろ出ると思うのですが、出てませんかね。ああ、夕食中に更新されてるじゃないですか。



 第三回公式イベント『ファンタジー運動会』の開催。

 ライバルを斬り倒し、弓や魔法が飛び交うデンジャラスな運動会を開催します。

 スポーツマンシップを投げ捨て、1位を目指しましょう。

 歴史とは勝者が書くものです。死人に口なし。

 ……とは言いましたが、祭りなので奮ってご参加ください。


 時期的には運動会ですが、随分血生臭い祭りですね……。

 公式イベント開始前日までに自分の出たい競技にエントリーしておくだけですか。

 運動会で同じチームになりたい場合は、当日にPTを組んでおけば良い……と。ただ、今回は運営的にはなるべくソロが好ましい。

 開催日時は競技のエントリーから、確認ができる。

 勿論見学だけも可能で、UIから好きな競技を観戦可能。ただ、観戦者は参加賞ぐらいしか貰えないので、1種目ぐらいは出る事を推奨。


的当て

 弓、魔法で的を撃ち抜け!

マジカルバレー

 アーツや魔法を駆使して華麗にファイト!

狩り物競争

 くじで引いた敵がポップする! 倒してドロップ品を持ち帰れ!

借り人競争

 くじで引いた条件に合う人を連れてこい! そして敵からの要求は力で拒め!

パンジャン転がし

 爆発しないようにゴールまで運べ!

魂入れ

 籠の周囲にいるMobを倒して敵より多く魂を集めろ!

 地上+1、飛行+2、対人+3、味方-2ポイント。

障害物競走

 様々なトラップを潜り抜けゴールしろ!

トレジャー

 くじで引いた素材を探せ! 死んだ時点で失格。

ツナ引き

 綱とか普通な訳がない。制限時間内に釣ったマグロのサイズを競う。

 死んだ時点で失格。

PvP

 Free For All

  周囲は敵だらけ!

 Kill Confirmed

  倒した敵にタッチして死亡を確認しよう!

 Conquest

  超大規模陣取りゲーム!

商売も戦い

 イベントエリアに露店を出せる。

 各部門別に投票制。


 そこそこありますね……。んー……出れるのは最大4競技。開催時間が被らない物を選ぶ必要があると。露店参加も良いですが……動きたいですね。


 パンジャン転がし……あのイギリスの変態兵器、パンジャンドラムですよね? まあ残念ながら、パンジャン転がし、障害物競走はステータス的に却下ですね。走る系は無理です。


 狩り物競争、借り人競争、魂入れ……PvPはやるならフリフォですかね。フリフォがソロ。キルコンはPT戦。コンクエはチーム戦。

 移動が遅いというのは結構なデメリットですよね。キルコンもコンクエも不向きです。コンクエは騎乗が使えそうですが、絶対に敵に飛行がいるのでワイバーンは辛い。精々馬ですね。

 私の場合やるならフリフォの方が楽でしょう。


 と言うわけで、エントリーが開始されたら狩り物競争、借り人競争、魂入れ、フリフォでしておきましょう。

 本番は……9月の第三土曜日ですか。3陣以降はこれが初めてのイベントになるんですね。


 このイベントまでに、《空間認識能力拡張》を実用レベルにまで持っていきたいところです。そうすればフリフォはかなり有利になるはず。


 ここ数日目を瞑って行動したりと頑張っているのですが、恐怖心の具体的な理由が分かりましたよ。当然見え方の違いです。

 目による視野は扇状。《空間認識能力拡張》による範囲は自分を中心とした球体。この違いが思ったより曲者なんですよ。

 視力の問題で遠くが見えなくても、何かあるなー……というのが分かる。《空間認識能力拡張》はそれが分からない代わりに、背後も分かる。

 《空間認識能力拡張》を上げて認識可能距離を伸ばさないと、敵が真正面にいた場合でも、矢とか魔法が突然飛んでくる事になる。


 より具体的に言うなら……真っ暗な空間の中でランタンを頭に乗せ、ランタンに照らされている部分だけが背後も見える状態。これが《空間認識能力拡張》。

 ランタンではなく、懐中電灯やヘッドライトなのが目。

 ゲームで言うなら俯瞰視点……見下ろし型のゲームで、暗いマップをランタンで攻略するか、懐中電灯で攻略するかの違いです。

 どちらもメリット、デメリットがあるんですよねぇ……。


 日常だと例えば人探し。人混みでも背後ですら探せる。ただし、遠くの人は一切見えない。服装すら見えない。捜し物も範囲外にあった場合、移動しないと一切見えない。実は2歩右に行くだけで良かったのに、それすら分かりません。

 戦闘だと問題なのは遠距離の敵。飛んでくる方向だけ分かるが、距離と場所、地形すら分からないため反撃ができない。アローを飛ばそうにもどこへ? 座標指定型爆発魔法を使おうにも範囲に入ってる? そもそもちゃんと座標指定できているのかも怪しい。当たっているのかも謎ですね。


 これらの問題は全て、《空間認識能力拡張》の認識可能距離が狭い事が問題。つまり、このスキルのスキルレベル不足はとても深刻な問題となります。ぶっちゃけスキルレベルを上げないとゴミスキルですね。

 現状それなりの範囲にはなりました。一応目を閉じればギリギリ実用範囲にはなっているでしょう。本当にギリギリな気もしますが……まあ、まだイベントまではあるので、当日にはもう少し広がるでしょう。


 カラーになるにはまだスキルレベルが足りませんね。つまり、料理は目でやらないと死ぬ。



〈ほねほねが訪問してきました〉



 おや、スケさんだ。



〈ほねほねが訪問してきました〉

〈ほねほねが訪問してきました〉

〈ほねほねが訪問してきました〉

〈ほねほねが訪問してきました〉

〈ほねほねが訪問してきました〉



 ちょっと? 外に出ましょうか。

 あれ、立像じゃない。



〈ほねほねが訪問してきました〉

〈ほねほねが訪問してきました〉

〈ほねほねが訪問してきました〉

〈ほねほねが訪問してきました〉

〈ほねほねが訪問してきました〉

〈ほねほねが訪問してきました〉



 ……ああ、理解しました。


「何反復横跳びしてるんですか」

「やあ姫様! どうだった?」

「ログが流れました」

「あ、やっぱり?」


 入ると通知が来るので、離宮の境界で反復横跳びをすると通知爆弾が完成すると。

 何という悪用。


「一発ネタにはなるか」

「むしろ一発ネタにしかならない」


 何回もやられたらキレるのでは。

 我が家の場合は冥府の試練をクリアした不死者ぐらいしかできませんけどね。じゃないと外出れませんし。


「それはそうと姫様、土曜日第四エリア行こう?」

「方角はどこです?」

「どこが良いかねー?」

「そう言えば私、第三エリアは北東と東しか開放してませんね」

「僕達ポーション使わないしねー。レベル上げもしたいしやっぱ東かな?」

「良いですよ。何時からにします?」

「午後からかなー。昼食べた後!」

「分かりました。フィンフェルデンですね」

「名前知ってるんだ?」

「あ、そうだ。北東にしますか? そっちの方がダンジョンが近いですよ」

「お、いいねー。ダンジョンあるの?」

「北東のヴァルオワッセから斜め右下のエリアにあるらしいです。フィンフェルデンからだと北に2個ですね。ソフィーさん情報です」

「ふぅむ。じゃあ北東を開放しに行こうかー。時間あるようなら東も開ければ良いし? ダンジョンも気になるしねー」

「では昼食後、フェルフォージ集合ですね?」

「それでよろしく!」


 そろそろかなーと思っていたら、予想通り第四エリアのお誘いでしたね。

 まずは北東を開放して、恐らくダンジョンでしょう。東を開放するならPTが良いですが、別にすぐに開けなきゃいけないわけでもなく。

 そうなるとダンジョン行きたい欲に抗えないでしょうから、ダンジョンでしょう。右下辺りの敵の強さと、ダンジョンの敵の強さ次第では引き返す事になるでしょうけど、そうなったら東の開放に行けば良いですからね。


「で、最近姫様どうよー?」

「最近は言語学に時間が吸われてて、全然動けてないんですよね」

「全然上がらん?」

「リアル3時間で5ですね。ゲーム内1日使って10です」

「6時間で10かー……」

「言語学は運動会までにカンストするかどうか……ってところですね。寝るまでの微妙な時間は生産してるので、一応ステータスは上がってるはずです……」

「あー、イベント情報出てたねぇ。何出るか決めたー?」

「かりもの2つに魂入れ、フリフォでしょうか」

「お、PvP出るんだ?」

「フリーフォーオールですし、まあ良いかな……と。と言うか他もPvPなりそうなの多いですから」

「まあ確かに」


 その後スケさんと少しだけ話して解散。

 寝る前に組合に行って委託へ出し、ログアウトです。


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スケさん、ホムンクルスでも作ったのかと思ったら反復横跳びかよ!?
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