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おまたせ!
書籍の作業と、《死霊魔法》系の設定考えてた。あと鉱石の名前。
朝起きたら時間まで蘇生薬やジャーキーなど生産をし、時間になったらログアウトして朝の準備をする。
朝の基本行動は顔を洗ったり歯磨きしたり、髪を梳かしたりですね。そしたら朝ご飯を済ませ、着替えて学校。
……が基本行動ですが、今日は土曜日なのでご飯を済ませたらログインですね。
んー……冥府募金のぼろ小屋をアップグレードしますか。ぼろ小屋から小屋にして、更に小屋から鳥居と賽銭箱にします。神社みたいな見た目になるようですね。
ポチッとな。
「姫様これ、なんか効果あんの?」
「え、効果? 何もありませんけど? ただの見た目オブジェクトです」
「見てくれよ! 君達の募金のおかげでこんなに豪華になったんだぜ!」
「性格悪いぞ運営!」
ええ、文句は運営に言って下さいね。
酷い話だなぁ。ハハハハ。
「んふっ……ハリボテだこの神社! 完全に舞台セットですね……」
「うわっ……建物部分ペラッペラじゃねぇか!」
「せこいぞ運営!」
「まだ2個上ですからね……こんなもんですか。さて、閻魔様の法廷でもアップグレードしましょうかねぇ……ではこれで」
「またのー」
異人達の死に戻り場所の煽り度をアップグレードしたので、今度は住人達の施設を強化しましょう。
丁度死に戻ってこちらにいた他のプレイヤー達に見送られつつ、住人専用と言って良いだろう閻魔様のところへ向かいます。
通常通り業務を続けてもらいつつ、閻魔法廷Ⅰから閻魔法廷Ⅱへアップグレードします。
光が波紋のように広がり、通った場所から更新されて綺麗に。流石ゲーム。
「おぉ……サイアー、感謝しますぞ」
「……他は足りませんか。では有効に使って下さい」
閻魔法廷にいる人達に見送られ、離宮へ戻ります。
さて、今日は何しましょうか?
《魔法触媒》も30になり【アセンブルスペル】を覚えました。同じ属性の魔法を使っていくと威力が上がっていくパッシブですね。
SP6を使用し《本》に進化させ、【リーヴルマスタリ】を取得です。消費MPが減少し、攻撃範囲が上昇するパッシブですね。
じわじわ上がる《空間魔法》も35になり、【グラウィタススフィア】を覚えました。指定した座標に周囲のものを吸引する重力球を生成する。範囲狩りするのに優秀な魔法です。
《影魔法》は15で【ハイド】を取得。レッドプレイヤー御用達。フェルフォージの鉱山にいるマーダーマンティスなんかも使用してますね。
分かりやすく言うなら……光学迷彩系魔法でしょうか。
ちなみに《空間認識能力拡張》だと目で見ているわけではないので、関係ありません。《看破》系でも分かるので、過信は禁物ですね。
《暗黒魔法》は35で【ダークボールⅡ】と【ダークヒールⅡ】となり、強化されました。新規の魔法は無しですね。
そして《高等魔法技能》の【Ex マルチロック】を開放しておきました。【二重詠唱】などで複数の魔法使用時、複数体への単体指定が可能になるものです。
つまり普段と同じ使い方で多数の敵を狙ったり、味方にヒールをかけたりできるようになります。
とまあ、スキルは順調と言えば順調なのですが……キャパシティが順調ではありません。現在9141です。まだまだ欲しいですね。
掘り掘りするのを止めて、東に行くべきでしょうか。1番体格あるのが東なんですよね。
ああ、そうだ。一度エルツさんのところへ行きましょう。そろそろ解体ナイフと包丁辺りを新調したいですね。
お肉切ってるとアサメイからシクシクと不気味な声が聞こえそうです。
始まりの町へ飛びましょう。
3陣が来てから初めて中央広場へ来ましたが、すごい数ですね。初心者装備がいっぱいだぁ。
「「あ、姫様ー!」」
この見事なハモリは……やはりアメさんとトリンさんですか、ご無沙汰ですね。
「お久しぶりですね。順調ですか?」
「「順調ー!」」
冥府を目指すためにひたすらレベリング中だそうで、そろそろ一度挑戦するつもりらしいですね。
2人は飛行タイプなので行くこと自体はそんな難しくないと思いますが、掲示板によると試練は種族によって多少変わり、中々難しいとか。
アルフさんはタイプが違う相手との連戦だったようですし、スケさんはまたパズルやったり戦闘したりだったとか。
多分スキル構成でも変わるんでしょうね。
狩りに行く2人を見送り、エルツさんのお店へ向かいます。
「姫様じゃねぇか。どうした?」
「おはようございます。解体ナイフと包丁でも新調しようかと思いまして」
「おう、おはようさん。素材はハルチウムだな?」
「その予定です。それと、魔鉄の加工しますか?」
「勿論やるぞ。美味しいからな」
ハルチウム鉱石を12個渡して解体ナイフと包丁を注文します。
マギアイアンも180個渡して加工してもらいます。60個のインゴットになって帰って来るでしょう。
私としても《錬金》で加工するより必要個数が少なく済むので、エルツさんに任せた方が得です。
「解体ナイフは在庫があるが、包丁は作らんと無いな」
「いくらになります?」
「魔鉄の加工をさせて貰えるし、材料持ち込みだからなぁ。元々そんな高いもんでもないし、合わせて2万ぐらいか?」
「安いですね。作っている間に下ろしてきましょうか」
「待て待て、組合カードで取引できるようになったろ」
「ああ、アプデ情報にさらっと書いてありましたね。ではそれで」
「おう、まいど。解体ナイフはこれな。包丁とインゴは後で構わんか?」
「構いません。古い方いらないので、潰しちゃって下さい」
「あいよ」
組合カード同士でお金の受け渡しができるようになったので、それで支払いを済ませます。
今までのナイフは不要なので売ります。
[道具] ハルチウムの解体ナイフ レア:Ra 品質:A- 耐久:150
解体するためのハルチウムでできたナイフ。
ドロップ品品質上昇:小
耐久が増え、ドロップ品の品質上昇効果が上がりましたね。
問題があるとすれば、取り込むので使用頻度がさっぱりだと言う事でしょうか。《解体》と《目利き》スキルがさっぱり上がっていない。
まあ、残りはエルツさんに任せてお店を後にします。
さて、どうしましょうか。
《錬金》も力入れたいですし……テクニカルビルドの弱点がモロに出ていますね。やりたい事、やれることが多すぎて時間が足りない。
ワンワン王が言ってた冥府にある門が云々も確認したいですし、常夜の図書室もちゃんと確認したいところ。
ラーナから【Ex 対人の型】も教わっておきたいですし、《古代神語学》もそれなりに時間かかりますからね……。
後は《錬金》や《料理》といった生産と、RPGの宿命であるレベル上げと。
言語は平日の帰宅後にちまちま教えてもらい、生産は平日寝る前に回すべきでしょうか。
休日である今日は……門と図書室の確認ですかね。お昼まで時間あるようならラーナに教わりに行きましょう。
そうと決まれば善は急げ。早速行動開始。
えーっと……北の方としか言ってませんでしたよね。
上の方はクリスタルロータスの花畑が広がっていますが……離宮から眺める感じでは何かあるようには見えませんね。
……まあ、行ってみましょうか。
やはり特に気になるのはありませんが……怪しいと言えば、丘になっている場所でしょうか。道自体はあるので、確認しないと言う選択肢がないですね。
不死者達が花畑を見ながらピクニック……とか無さそうですし、道がある以上重要な何かがあるはずです。
丘の上まで来ましたが特に何もありません。
周囲を見ながら丘の中央付近まで来た時、銀の鍵が勝手に動いてなにかを開けようとしています。転移するときと同じ演出ですね……。
空間が裂けるかと思っていたら、突如視界が切り替わりました。
正面には巨大な門があり、手前ではなにかが台の上にある輝く球体の上で揺れ動き、低い音を発しています。
古ぶるしきもの Lv100
属性:? 弱点:? 耐性:?
属:神格 科:?????の化身
状態:睡眠
えっと……ここが目的地だと確信しました。確実にクトゥルフ系が絡んできているので、リアルの方でクトゥルフ神話系のルルブやサプリなんかを読み直したんですよね。その方が違いが分かって楽しめそうでしたから。
ヨグ様の化身にして窮極の門の守護者であるウムル・アト=タウィル。正規ルートでなら安全な神格の化身。
言葉の意味的にはタウィル・アト=ウムルで、生命長きものではないか? とか書かれてましたけど。
まあそれはともかく、銀の鍵は既にいつものポジション……アサメイの隣にぶら下がっていますね。
2歩進むと音が止み、状態が睡眠から正常へ変わりました。起きたようです。
滑るように台座から降りたそれは、人間が布を被ったようなシルエットをしています。とは言え、動きから人間では無いと主張していますけど。
『君にはまだ早い』
恐らく私の後ろ……出口を指して、頭に直接響く声で言われました。男性と女性が同時に喋ったような、特定できない声ですね……。
こちらの質問には答えてくれるでしょうか?
「ここは深淵へと行ける窮極の門へ繋がる場所……であっていますか?」
『然り』
「ありがとうございます。では、出直すとします」
大人しく下がりましょう。怒らせても良いことはありません。場所の確認はできたので、これ以上はティンダロスの王に聞くとしましょう。
すぐ後ろの闇に手を伸ばすと瞬時に視界が切り替わり、元の丘の上に戻ってきました。
離宮まで戻ってワンワン王を呼びます。
「言語か?」
「いえ、少し聞きたい事がありまして」
「ほう?」
「門を見つけたのですが、化身にまだ早いと言われまして。条件分かりますか?」
「《空間魔法》はいくつだ?」
「えー……35ですね」
「ふぅむ……足りないのはベースだな。35以上にしてから行け。《空間認識能力拡張》は?」
「14ですね」
「ふむ。最低条件は後ベースだけだが、《空間認識能力拡張》は高ければ高いほど辿り着くのに楽だぞ」
「最低条件はベースが35以上の《空間魔法》が?」
「30以上だ」
「なるほど……ありがとうございます」
「うむ、早く来るが良い。ではな」
立像の角に吸い込まれていくのを見届け、私は常夜の城にある図書室へ向かいます。どうせ今すぐレベル上げしたところで、進化は40でしょうからね。
スキルに影響の出そうな何かがあると良いのですが……《直感》反応しませんかねー? 表紙を流し見しつつ、図書室を隅々まで回りましょう。
む、『死霊の秘法と夢想の棺の考察』に《直感》が反応しましたね。実に気になるタイトルです。
どれどれ……。
骨肉を媒体とし、魔力で体を生成する……ですか。
個がある霊体はともかく下僕では意思の力が足りず、助けがないと霊体では存在を維持できない。故に生物の骨肉を媒体とし、主人の魔力を使用して維持させる必要がある……ですか。
霊体でも骨肉使うからな! って事ですね。そのための手順が書いてあると。
そして『夢想の棺』というのは……これはまた……冒涜的と言うべきか、死霊魔法らしいというべきか。
〈特定の条件を満たしたため、《死霊秘法》で霊体系の召喚が可能になりました〉
〈特定の条件を満たしたため、《死霊秘法》にエクストラアーツが追加されました〉
どれ、確認しましょうか。
霊体系でキャパシティの変化は……特に無し。種族的な物理耐性と魔法耐性があるので強いが……光と聖には致命的に弱いと。
プレイヤーの場合ですが、掲示板によるとタンクには向かないとか。盾持っても踏ん張りが効かないので、ノックバックしまくっていまいち……と。
ゾンビ
筋力:C 器用:E 体力:B 敏捷:F 知力:F 精神:F
スケルトン
筋力:E 器用:C 体力:C 敏捷:C 知力:F 精神:F
アーマー
筋力:C 器用:E 体力:B 敏捷:D 知力:F 精神:F
ゴースト
筋力:F 器用:D 体力:D 敏捷:E 知力:C 精神:C
ほんと、極端ですねぇ……。
これに加えて素体の形も影響あるので、中々複雑なんですよね。
ウルフ
筋力:D 器用:F 体力:D 敏捷:B 知力:D 精神:E
スケルトンウルフ
筋力:D 器用:E 体力:C 敏捷:B 知力:E 精神:F
《死霊魔法》は素体と言っても、形なのか見た目なのかでだいぶ変わります。
形はウルフ、見た目はスケルトン。形はウルフ、見た目はゾンビ。形はウルフ、見た目はゴースト。
リビングアーマー系は独立してますね。
ステータスにおいては形がベースになり、見た目により多少変化。逆に耐性系は形より見た目の方がベースになります。
そして忘れてはいけないのが、アンデッド化処理が行われるので基本的に知力や精神は下がる。アンデッドではなく、不死者まで行くと知力と精神は人間レベルにはなるでしょうけど。
とは言え知力が下がるから頭が悪くなるかというと、《死霊魔法》系の行動AIはAIレベル依存なので、魔法ダメージが悲しいだけですね。
ということで、アウルをゴーストに切り替えるぐらいでしょうか? ゾンビが空気過ぎますね。
次、追加されたエクストラアーツですね。
【Ex 夢想の棺】
大きな棺と小さな棺を召喚する魔法。
大きな棺は遺体を寝かせるスペースの周囲に埋葬品を置くスペースがある。
小さな棺は埋葬品を置くスペースだけがある。
【Ex 泡沫の人形】
大きな棺に眠っている遺体を、埋葬品を装備した状態で具現化召喚する。
魂は既に無いが、体に残った記憶が人ならざる体で猛威を振るう。
これは1体しか召喚できない。
【Ex 泡沫の輝き】
小さな棺にしまった埋葬品を具現化召喚する。
具現化数に制限は無いが、具現化する度にMPを消費する。
埋葬品の特殊効果は制限される場合がある。
本によると棺の中は時空を超越しており、腐食などは気にする必要が無い。
埋葬品とは装備を指している。つまり、同じのを複数用意する必要がなくなったわけですね。ただし装備に特殊効果がある場合は制限される……と。
流石に完全再現だと強すぎますか。でも場合がある……なので、何かしらルールがありそうですね。
大きな棺にしまう遺体は、生前に強ければ強いほど良い。埋葬品も生前に愛用していた遺品だとなお良い。用意できれば最高のパフォーマンスを発揮する。
棺に生者を入れる事はできない。もし、魂を閉じ込めようものなら不死者達が出張ってくるだろう。あくまで必要なのは遺体である。注意するように……ですか。
んー……ラーナの遺体をしまえばいいのでは……と思いますが、流石にもう遺体という形を保っていませんか。残念です。
夢想に泡沫……あくまで仮初めですか。使用するのは遺体ですからね……。
ここじゃ棺出せませんか。結構スペース必要ですね。
本を戻して他にないか探してから、図書室を出て離宮へ戻ります。
棺を召喚して小さな棺に装備をしまっていきます。複数用意する必要が無くなったので、鋼装備が不要になりましたね……。
ハルチウムの片手槌も魔紅鉄の片手槌で十分そうですし、お金の節約になる素晴らしい棺ですね!
と言うか、アルマンディンマギアイアンが魔紅鉄って事は、宝石の色で中央の漢字が変わるんですかね。
今のところ必要な属性といえば光と土ですかねぇ……。アンデッドと南の水棲系対策ぐらいでしょうか。セレスタイトとアンバーですね。
作るなら土は片手剣、光は槌でしょうか。1個ずつ作って貰って、残りのインゴットは出荷……と言うか、出荷しないとハウジングの鉱脈から採れるので増える一方です。
とりあえずもうすぐお昼になるので、手持ちの魔鉄で作っておきましょう。
のんびりお昼を済ませたらログインです。そして再びエルツさんのお店へ。
「おう、できてるぜ」
「ありがとうございます。鋼装備買い取ってくれますか?」
「まだまだ売れるし構わんが……」
「下僕の装備問題が多少解決しまして」
「そりゃめでたいな」
魔鉄のインゴットを60個とハルチウムの包丁を受け取ります。
そして鋼の片手剣、片手槌、両手剣、大盾、小盾を買い取って貰います。これで50万。
「それとこれで片手剣。こっちで片手槌を頼めますか?」
「ほう、ほうほう」
「それと、このシリーズ買うとしたらいくらつけます?」
「今の状況だと少々厄介だな……売上の半分でどうだ?」
「それは美味しいですね。土と光が狙いどころだと思うのですが」
「水棲とアンデッド対策か。火属性も人気ありそうだがな」
火の魔剣は安定ですよねぇ。現状ではまだまだ地味ですけど。
しかし作るのは素材……つまり手持ちの宝石と相談ですが。
「性能と入手経路考えるとハルチウムより上か。渡すのは15万前後で良いか?」
「構いませんよ。ところで片手剣と槌はいくらですか?」
「これから稼がせてもらうからなぁ。素材的にも両方で10万でいい」
「ではお願いします。私は加工してくるので」
「おうよ」
離宮へ帰ってからせっせと魔鉄と宝石、魔石を合成します。
そろそろ魔石を買って補充しないとですね……。
《錬金》の利点はあまり時間がかからない事でしょうか。
とりあえず火11、水6、風3、土9、光3、闇8で40個。これをエルツさんのところへ持っていきます。
「宅配でーす」
「おう、すまんな!」
店舗で話すのもあれなので、工房へ移動します。許可がないと入れないので、内緒話するには最適ですね。
「魔紅鉄、魔蒼鉄、魔碧鉄、魔金鉄、魔天鉄、魔冥鉄か」
それぞれ名前通り、鉄に薄っすらと色がついています。紅が火で赤。蒼が水で青。碧が風で緑。金が土で黄。天が光で白。冥が闇で黒です。
見た目的には闇の魔冥鉄が1番地味ですね。鉄に黒混じりなのでなんとも。
名前のルールは宝石名+インゴット名で確定です。
火:アルマンディン。水:ラピスラズリ。風:ネフライト。土:アンバー。光:セレスタイト。闇:ヘマタイトですね。
そして金属は現状マギアイアンしか無いので、それが後ろに付きます。
「なるべく数作った方が稼げるか……この個数だとこうで……よし、金を渡すぞ」
「お、良い値段ですね」
「おう。ダンジョンが見つかる前の今のうちが最大の稼ぎ時かもしれんな」
魔鉄はダンジョンで採るのが基本でしたね。供給が少ない今のうちですか。
《錬金》でこういうのが作れると広まれば、《錬金》持ちも増えそうですからね。私も稼ぐなら今のうちか。
ということで、約2Mの収入。正確には195万。貯金が5M丁度になりましたか。キッチン買いましょうかね?
頼んでおいた魔金鉄の片手剣と、魔天鉄の片手槌を受け取ります。
「1つ気になると言えば、弓に属性は付けれねーんだろうか?」
「今のところレシピは持っていませんね。鏃を作ればいいのでは?」
「消耗品にするにはコストが重すぎないか?」
「ダンジョンで魔鉄が採れるようになったとしても……宝石と魔石ですか……」
魔石は出す敵がそこそこ決まっているようで、アンコモンぐらいのドロップ率ですね。出す敵さえ狙えばそれなりに出る。
宝石は普通にレア物です。
「弓は《付与魔法》系統が良さそうですね……」
「だよなぁ。まあ、属性持った木があるのかもしれんが」
「ありますかねぇ? 今のところぶっ飛んだファンタジーは見てませんが……」
「トリフィドは……イベントだったな。ってもまだ半分も行けてないだろうし、未開の地に行けばあるかもしれんぞ」
「それもそうですね。まだ南の大陸丸々未探索ですし」
冥府がファンタジーと言えばファンタジーでしょうか? 死後の世界かつ、不死者沢山ですし。
まあ、用は済んだのでお暇します。これから武器作るでしょうからね。
エルツさんのお店を出て中央広場へ。
次は何しましょうかね。
「ヒャハハハ! 姫様じゃねぇか!」
もうこれだけで誰か察せますね。聞こえた方を見ると案の定モヒカンさんでした。
「ごきげんよう、モヒカンさん」
「ご機嫌でビンビンだぁ!」
「『ナニがだ!?』」
「まあ、元気じゃないよりは良いのではないでしょうか?」
「ギャハハハ! ちげぇねぇや!」
モヒカンさんは3陣からしたら刺激が強そうですね。初見のインパクトよ。1陣からしたら今更ですし、2陣も流石に慣れたでしょうか?
「ターシャです!」
「あら、また濃いのがいるわね?」
「ヒャハハハ! あんたらも十分濃いぜぇ?」
「まあ否定はできないわね……」
エリーとアビーですか。勿論その背後にはレティさんとドリーさんが。
「ドレスとメイド服、無事に買えたのですね」
「宣伝にもなるって値下げしてもらったです!」
「向こうから作れるようになったと連絡があったのよ。勿論頼んでおいたわ」
エリーが黒と赤でXラインのフィッシュテール。
レティさんがアニメなどでよく見るタイプの、ヴィクトリアンをアレンジしたクラシカルタイプメイド服ですね。スカートはロング。
アビーが白と青のバルーン。スカートは短め。
ドリーさんがヴィクトリアンをベースに、スチームパンク的な戦闘メイドを意識したアレンジでしょうか。こちらもロングスカート。
エリーは落ち着いた大人寄りのデザイン。アビーは可愛い系のデザインですね。2人ともパーティードレスと言われるようなもので、流石、自分に合うドレスをよくご存知で。
「私だけ従者がいませんね。一号を連れ歩くべきか」
「執事服かしら? でも骨よね」
「ヒャハハハ! アーマーで騎士として連れた方が良いと思うぜぇ?」
「なるほど」
「確かに、その方が良さそうね」
一号を召喚して、離宮に預ければ学ぶでしょうか? あのAIレベルならやれそうな気がしますね。生産する時とか、試しに預けてみましょうか。
「その格好知ってるです! ヒャッハーです!」
「ヒャッハー! 汚物は消毒だぁ!」
「凄いです!」
「真似しないで下さいね?」
「流石にないです」
ドリーさんに突っ込まれてますが、見る分には良いけど自分でやるのはないと、アビーが真顔になってますね。まあ、流石にそうでしょう。
流石のモヒカンさんもこれには苦笑しながら頷いています。モヒカンさんとしても、アビーに真似されるのはあれでしょう。
「ふふ……。そう言えば、モヒカンさん調子はどうですか? 順調で?」
「順調だぁ。そろそろ次エリア目指し始めるって段階だぁ。ヒヒヒ!」
「第四エリアですか。私もそろそろ目指してみましょうかね? 行くなら東か。エリー達はどうです?」
「もうすぐ第三ってところね」
「中々早いですね」
「2陣以降は俺らからの情報があるから、多少は楽だぁ」
「ですわね。情報の有無は大きいもの」
なるほど。情報があるというアドバンテージですか。スキルの取得条件とかに時間を取られない分、楽なのは間違いありませんね。
それと……狩場の情報ですか。これも大きいと言えば大きいですね。
今のところエリアボスがいるのは、始まりの町から第二エリアへ行く時のみ。ゴーレムとかを倒しさえすれば、第二から第三は一応素通りが可能ですからね。狩りができるかはまた別の問題ですけど。
東の第二から第三が地上に馬がいるため、倒せる強さがないと難しい……とかでしたね。
「そう言えばアビー。魔粘土はまだ欲しいですか?」
「欲しいです! 品質高いのできたですか?」
「A級には乗ったので十分でしょう」
「いくらです?」
「んー……15Kぐらいでしょうか。でも数はありませんよ?」
「4個欲しいです!」
「なら丁度ですね」
「やったです! 後でじっくり作るです!」
アビーはマリオネッターですからね。それに加え自分で制作もしているようで、冥府素材で作った魔粘土は人形向きですから、丁度いいと。
「そう言えばエリー。うちには来ましたか? イベントのポイントでお茶の苗木を交換して植えたので、そのうち採れるようになりますよ」
「まだ行ってないわね。私達も交換はしたのだけど、まだ拠点が無いから植えられないのよね……」
「畑だけ買うのも考え中です!」
「どうせなら家が欲しいのよ。とは言え、必要な土地を考えると悩ましいわ」
「外周にある畑のところに、大きい家が建ってたのが気になってるです!」
「この町の外周ですか?」
「そうです!」
そんなのありましたっけ? プレイヤーの仕業でしょうか。始まりの町の外周はもはや用がないので、長らく出ていませんからね……。北側には無かった気もしますし、別の方角ですか。
「そりゃあシュタイナー達のギルドハウスじゃねぇかぁ? 西だろぉ?」
「ですです!」
「ああ、農民の人達ですか。自分達で買った畑のところに建てたと。ギルド作ったんですね」
「ギルド名は農民一揆だぁ!」
農民一揆……殺る気満々ですね。
しかし重要なのは、畑として買える外周でも家を建てられる事でしょうね。外周なら土地は安いですから、それなりの広さを買えるはずです。土地なんて早い者勝ちですから、狙うなら今でしょう。
始まりの町以外の外周もあるので、広さが欲しいなら別を狙うのもありですね。問題は……ワールドクエストで防衛戦がある場所だと、下手したら壊れるのでは?
始まりの町の南は要注意ですね。他の町はまだ不明ですけど。
皆ひと狩り行くようなので、解散。
私も組合の委託で魔石を補充してから、狩りに行きましょうかね。キャパシティ目当てに今日は東です。
もうすぐベースの40台が来ると考えると、今のうちに蓄えておかないと。ただでさえ全然足りてないですからね。
今、会いに行きます。トロールさん! あとオーガも。
む……キャパシティだけなら第二エリアの弱い方を狙うべきか。サイズ依存ですからね……むむむ。最初第二行って、飽きたら第三行きましょうか。
そうと決まればさっさと行きましょう。
名前:アナスタシア・アトロポス・ネメセイア
種族:幽世の王女 女 Lv34
職業:幽世の支配者
職名:最高位裁定者
属性:死
属:幽世の最高位不死者
科:アーウェルサロイヤルゾンビ
スキルポイント:51
スキル
《細剣 Lv32》《本 Lv3》《古今無双・一刀流 Lv12》《軽装 Lv40》
《閃光魔法 Lv34》《聖魔法 Lv1》《空間魔法 Lv35》《高等魔法技能 Lv42》
《危険感知 Lv36》《直感 Lv36》《舞踏 Lv38》
《料理人 Lv28》《錬金術 Lv34》《採集 Lv18》《採鉱 Lv13》
《目利き Lv33》《解体 Lv29》《鑑定 Lv35》《識別》
《古代神語学 Lv25》《空間認識能力拡張 Lv14》《魔導の深淵を覗きし者》
種族スキル
《暗黒魔法 Lv35》《影魔法 Lv16》《死霊秘法 Lv42》《死を纏うもの Lv26》
《物理耐性 Lv50》《物理無効 Lv46》《魔法耐性 Lv28》《怯み耐性》
《魔力最適化 Lv25》《野生の勘 Lv28》《弱肉強食 Lv28》
《生気吸収 Lv36》《HP超回復 Lv34》《MP超回復 Lv29》《回復特性 Lv14》
《アンデッド統括 Lv44》《幽世の王族 Lv30》《王家の権威 Lv48》《幽世の最高位不死者》
《ソウルチェイサー》《幽明眼》《裁定の剣》《裁定者》
称号
優雅で静謐なお姫様:他者に与える印象がとても良くなり、警戒もされづらい。
ベルステッド解放者:始まりの街の東を一番最初に解放した記念称号。
インバムント解放者:始まりの街の南を一番最初に解放した記念称号。
料理人:一人前の料理人に与えられる称号。
錬成師:一人前の錬成師に与えられる称号。
錬金術師の弟子:始まりの街のメーガンに弟子入りした。
ステルーラの祝福:空間系魔法のコストが軽減される。
幽世の支配者:幽世の者達への命令権を持ち、デスペナ軽減。常夜の城がホームになり、幽世の拡張が可能。
The Silver Keyの所有者:空間や次元に関する様々な恩恵を受けられるだろう。銀の鍵装備可能。
Book of Eibonの所有者:魔法に関する様々な恩恵を受けられるだろう。エイボンの書装備可能。
古代剣術後継者:型の効果がフルスペックで発揮可能。