62 ハウジング
ただいまベルステッド。
第二エリアは既に格下なので、第三行くしかありませんね。ああ、わざわざ戻ってこないで、南の森から東に行けばよかったでしょうか。
と思ったけど、PKの懸賞金を預けた方が良さそうですね。1人5万で30万ですか。それに加え本人達が持っていた所持金少々。美味しい臨時収入です。
組合へ預けて、掲示板の魔法板に【リターン】の情報を書いておき、東の第三バルベルクへ飛びます。
相変わらず東はプレイヤーが少ないですね。第三だから余計ですか。
おや……あれは機動部隊の部隊長だった人ですね。ワイバーンを連れているのですぐ分かります。
「おや、こんにちは姫様。イメチェンしたんですか?」
「ごきげんよう。進化して装備が変わったついでに少々髪型を弄りました」
「なるほど、お似合いですね」
「ありがとうございます。しかし、東でテイマーを見たのは初めてな気がします」
「この子をテイムしたのは良いのですが、少々問題が発生しましてね……」
「……食事ですか?」
「ええ、見ての通り大きいので食べるのですよ。肉食ですから、そうなると東だな……と、来てみたのです」
「解体せず餌にするということですか?」
「はい。それができるんですよ。解体するより丸ごと食わせた方が早くてですね」
なるほど。死体丸々取り込んだりできるのですから、食事も可ですか。
大型肉食系の食事を考えると、動物系の東に来ることになるんですね。となると、今後テイマー系を見る機会も増えそうです。
なお、とてもモザイクの入る食事風景な模様。
「この辺りなら経験値も入るでしょうから。では、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
テイマーの男性を見送り、私も一号をワイバーンで召喚して南へ飛びます。
相手は格上のため囲まれると死ぬので、浅いところへ降ります。
森なのでワイバーンは切り替えですね。30帯はキャパシティがあれですからねぇ……スケルトン、アーマー、アウル2体にしましょうか。ウルフは背中に腕2本追加するので、どうしてもコストが……。
レベル上げついでに取り込んで、キャパシティを増やしましょう。出るのはトロールとオーガですから、美味しいはずです。
……なるほど。丸太ではなくちゃんと武器まで持っているのですね。トロールバーバリアン。持っているのは両手斧ですか。周囲に他の敵がいないので、早速。
アーマーには増援のタゲ取り用に待機して貰います。アウル1体は攻撃を控えめに、周囲警戒を優先させます。
型の練習かつ、近接スキルも上げたいですからね。
【ダークランス】をバーバリアンへ打ち込みます。
ふむ……約3割。適正レベル帯ではまあ、こんなものですか? いや、体力が多い動物系で、ブースト無しなら上々ですか。
走ってきて両手斧でジャンプ斬りは……逸らしたら地面を叩くわけで。その隙に刀身を死に変え、返し手で斬りつけます。そのまま”バインド”を使用し、【レーゲンレイト】で弱点狙って6連突きを放ちます。
あ、死んだ。これでは型の練習になりませんね。レベル上げなら良いのですが……今はこのコンボ封印しましょう。
本来ならひたすら確殺コンボで良いんですけど……フルダイブかつ型にセミオート機能が無い以上、練習するしかありません。
さて、キャパシティが美味しいので次探しましょう。
掲示板に書かれている通り、トロールのバーバリアンとクラッシャー。オーガのソルジャー、グラップラー、ガード、シーフがいるようですね。シーフが結構不意打ちを狙ってくるので、そこだけ注意でしょうか。
トロールはともかく、オーガが強い。
トロールは自動回復能力が高いので、火力不足だと辛いですが私は問題ありません。強いと言うよりは厄介ですね。
オーガが純粋に強い。人に近いというべきでしょうか。技量系ではなくパワー系。身体能力でゴリ押ししてくるタイプです。
特に問題なのが、ついに敵がアーツを使いだした事。
バーバリアンが《両手斧》で、クラッシャーが《両手槌》を使用。
ソルジャーが《両手剣》で、グラップラーが《格闘》、ガードが《片手槌》と《大盾》で、シーフは《短剣》ですね。
逆に楽なところはリンクしていない事。近接しかいないと言うのも利点と言えますかね。つまりソロ向け。ただ、敵自体は強いので経験値としては微妙?
私の目的はスキルの方がメインなので問題はありませんが。
「一号、タゲもっといて」
増援で来た1体をアーマーに抱えさせます。
その間にバインドからのアーツで弱点を突き刺し、戦ってた敵を倒して一号とチェンジ。
とりあえずこれで安定ですね。もし3体目、4体目と来るならアウルに攻撃させて空にいてもらいます。
空のプレイヤーにとっては楽な狩場ですね。効率的に見ると微妙寄りでしょうか。
やはり下僕達を見ていて気になるのは……装備できる素体とできない素体でしょうか? まあ、カスタムで腕生やすなりすれば可能にはなりますが……。
下僕と言えば……霊体系の召喚もできませんね。取り込むだけでゾンビとスケルトンの素体は手に入りますが、霊体系は元々無いのか、何かが足りていない……。
魔法攻撃ならアウル素体ではなく、霊体系の方が良いはずですからね。
始まってもうすぐ2ヶ月が経とうとしています。……まだ2ヶ月ですか。エリア的にはまだ第三エリア。しかも未開の地にはほぼ手を出していない状態。まだまだやることは沢山ですね。
自分の装備強化はできたので、次はまだ先でしょう。下僕の装備は……今鋼でしたね。コバルトハイスは飛ばすとして……その上はまだ不明でしたっけ。
モリブデンとバナジウムが第三エリアの鉱山、その浅めで出るとして……それ以上を狙うならそこそこ潜らないとダメそうですね。
東以外の第三エリア解放をとりあえず目標にしましょうかねぇ? 判明しているのは北東フェルフォージ。北西ベラフォント。西がまだ不明で、南が海と。
錬金を考えるなら北東と北西ですかね。
《古今無双》がそう簡単に上がるとは思いませんし、《魔法触媒》上げが優先でしょう。1次スキルなのでとても上がりが早いですね。
ログインボーナスのスキル上げも使ってしまいましょうか。使用期限ありますし、効果が切れたら撤退でいいでしょう。それまでは戦闘集中で。
よし、やるぞー。
〈《魔法触媒》がレベル10になりました。スキルポイントを『1』入手〉
〈《魔法触媒》のアーツ【マテリアルバリア】を取得しました〉
〈《暗黒魔法》がレベル30になりました。スキルポイントを『2』入手〉
〈《暗黒魔法》の【ノクスレイ】を取得しました〉
〈《魔法触媒》がレベル15になりました〉
〈《魔法触媒》のアーツ【マジカルブレイク】を取得しました〉
〈《影魔法》がレベル5になりました〉
〈《影魔法》の【シャドウファング】を取得しました〉
ふー……効果も切れましたし、こんなもんでしょうか。
《古今無双・一刀流》と《空間認識能力拡張》はアーツ無しですね。この2つはスキルレベルによる影響が補正しかないのでしょう。
【マテリアルバリア】
物理攻撃を防ぐ盾を前方に展開する。
【ノクスレイ】
闇の高貫通レーザー攻撃を放つ。
【マジカルブレイク】
持っている魔法触媒で飛んできた魔法をぶん殴って破壊する。
【シャドウファング】
影からオオカミのアギトが襲う。
んー……あんま使うのは無さそうですね?
敵が直線に並べばレイ系は使えなくもないでしょう。が、エクスプロージョン系の方をまず使うと思います。
【マテリアルバリア】と【マジカルブレイク】も、スケさんの様な純魔の人なら使うでしょうが……パリィと反射のある私は微妙ですね。
【シャドウファング】は使えると思います。私から飛んでいくのではなく、対象近くの影からの発生ですね。不意打ちが可能ですから、悪くないはずです。問題は光源の位置によって、向きが決まってしまう事でしょう。
まあ、ビルドや戦闘スタイルによって使わないものがある……なんて珍しい事ではないでしょう。選択肢が増えるだけで、使わなきゃいけないわけでもありません。
【リターン】でマイホームに帰り、下僕達を送還。
そして自室でのんびりしながら、ハウジングメニューを確認します。
キッチンだけでも3種類ほど。料理の品質やバフ効果にボーナスですか。それに加え、ハウジングバージョンの各種セット達があると。これ揃えるだけでもお金が飛びますね。
[家具] クッキングボックス レア:Le 品質:C 価格:100万
料理に使う食材を収納する事ができる箱をホームに設置する。
無限収納。
強いて言うならこれが欲しいですね。100万ですが、食材限定とは言え無限収納は嬉しい。
錬金も3種類。無限収納もありますが……錬金素材ではなく、錬金で作った物をしまえる棚のようです。錬金に使える素材は多すぎますからね。
[家具] ケミカルルーム レア:Le 品質:C 価格:改築70万or増築130万。
部屋自体に錬成陣を刻み込み、恩恵を得るための改築または増築を行う。
錬金品質:大
[家具] ケミカルシェルフ レア:Le 品質:C 価格:100万
錬金成果物を収納することが可能な、壁1面を占領する錬金棚を配置する。
無限収納。
部屋が余ってるなら安く済みますが、増築だと結構な額が飛びます。私の場合は離宮なので、部屋は余りまくっているため安く済みますね。
ケミカルルームとケミカルシェルフで170万ですか……。全財産の約半分が飛びますね。部屋とかより収納が高いのは、MMOお決まりでしょう……。
〈アキリーナが訪問してきました〉
おや、リーナですか。こちらに通して貰いましょう。
「やっほーお姉ちゃん」
「いらっしゃい。まだ何も無いけど」
「これから改造ー?」
「今項目確認中。ん……? ふふっ……」
「なになにー?」
リーナにも見えるよう、ウインドウを可視化します。
[家具] 魔野蚕 レア:Ep 品質:C 価格:40万
命懸けで罠を突破し、野生の魔蚕を捕まえてきた。
魔蚕はとても魔力と相性の良い糸を吐き出し、自在に操る。
彼らの糸はワイルドマナシルクと呼ばれ、王侯貴族に重宝される。
ちなみに繭ではなく、安全に暮らすための罠兼家である。貴様は今日から野宿だ。
「マイハウスがー!」
[家具] 魔家蚕 レア:Le 品質:C 価格:80万
魔野蚕が味を占め……飼いならした。とってもお利口さん!
彼らの糸はロイヤルマナシルクと言われる。
しっとりツヤツヤで、小物を持っているだけでもステータスな憧れの超貴重品。
「ご飯と交換してあげる! 太さはどのぐらい?」
「……逞しいね」
「とりあえずこれでシルクは採れるようだけど……」
「ダンテルさんそんな事言ってたかなぁ? これ出るのに条件あるんじゃない?」
「……部屋のサイズが一定以上とか?」
[家具] 魔蚕育成ボックス レア:No 品質:C 価格:30万
魔糸を吐き出す魔蚕種の養殖に使用する箱。
[家具] 魔蚕育成ハウス レア:Le 品質:C 価格:改築50万or増築90万。
魔糸を吐き出す魔蚕種の養殖に使用する部屋。
「ボックスがあるわけだし、違いそう」
確かに箱があるならサイズは無関係ですね。宰相は知っているでしょうか?
いや、待てよ……宰相よりも侍女に聞けばいいのでは? 一切動かず喋らず待機していますが、いますからね。
「魔蚕種は知っていますか?」
「勿論です。彼らはマナの濃い土地を好みます。と言うか、少ないと死にます」
「マナとはなんですか?」
「空気中に漂う魔力をマナ。個体が保有しているものは魔力と呼んでいます。今の地上でもそうかは保証しかねますが……」
「なるほど、分かりました」
マナ濃度が答え……なんでしょうけど、超重要では?
「ダンテルさん詰んでるじゃんね。濃い土地に家建てろってことでしょ?」
「流石にそこまでされると面倒過ぎるね。環境を合わせろと言うのは分かるけど……ああ、なるほど。これか」
[家具] マナ濃度増幅結界 レア:Le 品質:C 価格:300万
土地を覆う結界を張り、内部のマナ濃度を人工的に上げる事ができる。
主に魔力を含んだ貴重な魔草の栽培などに使用される。
「なるほど、たっかい。3Mかー……」
「これさ、結界の維持とかに魔石とかの予備魔力いらないのかな?」
「集めるついでに維持分引くんじゃない?」
「維持分以下の濃度しか無い土地じゃゴミでは……?」
「んー……あ、これ使えってことじゃない?」
[家具] 魔力拡散装置 レア:Le 品質:C 価格:200万
自身の魔力や魔石から魔力を吸い取り、周囲に拡散させる魔道具。
通常はマナ濃度増幅結界と併用する。
「このセットだけで5M飛ぶ件について」
「だから魔力関係は高いんだろうね……」
鍛冶で使う魔力炉なんかも結構な値段ですねぇ……。
結界とか無しで選べるということは、ここは濃度が高いのでしょう。ダンテルさんならお金ありそうですし、情報だけあげましょう。
「お姉ちゃんはキッチン?」
「料理人もそこそこ増えたようだし、まずは錬金部屋かなー」
「あー、イベントからそこそこ増えたねー」
料理板を見る限り、スキルもどうやら抜かれたようですからねぇ。どちらかと言うと私は戦闘メインなので、さもありなん。
そしてせっかく師匠もいるので、錬金の方に力を入れたかったですからね。丁度いいと言えば丁度いいわけで。
1階の1室をケミカルルームにして、ケミカルシェルフを置きましょうか。さようなら、また会いましょう170万。
早速妹を連れて見に行くと、しっかり変わっているようです。流石ゲーム。
「おー……ファンタジー……」
壁どころか床と天井も魔法陣みたいな物が刻まれていますね。薄っすらと発光していますし、中央にある錬金机にラインが集束しているようです。
つまり、超大規模錬成陣ですね。ここまでやるなら品質ボーナス大も納得です。
「後は……鉱脈も欲しいかな?」
[家具] ミニ鉱脈 レア:Ra 品質:C 価格:50万
周囲のマナを吸い取り結合させ、鉱石や宝石を生成する小さな錬鉱施設。
採れる回数も少なく、大層なものは採れないが、補充は早い。
[家具] 鉱脈 レア:Ep 品質:C 価格:100万
周囲のマナを吸い取り結合させ、鉱石や宝石を生成する錬鉱施設。
採れる回数は普通で、まあまあな物が採れる。
[家具] 大鉱脈 レア:Le 品質:C 価格:150万
周囲のマナを吸い取り結合させ、鉱石や宝石を生成する大きな錬鉱施設。
採れる回数が多く、物はハウス所有者のベースレベルに依存する。
「なるほど、良いね。元はすぐ取れそうだし……買うなら最初から大鉱脈かな」
「料理で荒稼ぎした貯金が62万に……」
「今日でいくら使ったの?」
「んー……3.2Mかな」
「流石ハウジング。容赦がない」
えっと……見た目的に裏に設置しましょうか。正面は池やクリスタルロータスの花畑で、裏が畑になっているので鉱脈はそちらへ。
早速見に行きます。
「鉱脈ってか鉱山?」
「まあ、掘れば山が減ってくんじゃない? 掘れば分かるか」
カンカンカンカン……カンカンカンカンカン……全然掘れないんですが?
「……お姉ちゃん。《採掘》は?」
「んー……お、上がってる。9!」
「もっと上げよっか……」
「……そうね」
全然上げてなかったですからね……。150万の施設が活かせないのは悲しいので、《採掘》上げましょうか。
採取系と言われる3スキルは、スキルレベルに応じて採集道具の耐久減少率を下げ、採取数にボーナスが入るらしいですよ。
スキル経験値チケット、こっちに使えば良かった気がしないでもない。
「……お? マギアイアン……別名魔鉄だって。魔力を含んだ鉄の鉱石」
「へー! まだ未発見だったはず?」
「そうなの? 掲示板の鍛冶板に上げとこうか」
「おっちゃん達が喜ぶ」
掲示板にSSを放り投げて、再びカンカン始めます。
クロフェルム、モリブデン、バナジウム……たまにマギアイアン。それと宝石達ですね。アルマンディン、ラピスラズリ、アンバー、ネフライト、セレスタイト、ヘマタイトの各属性6色の原石。サイズは小でたまに中。
20回採取ができましたが、2個あったツルハシが1個死んで残りが瀕死に。
「採取系が推奨レベルに足りないと、足りないだけ道具にダメージが行くからー」
「エルツさん品じゃなかったら採掘終わらなかったかな」
「にしても沢山出たね。各種宝石の情報出てたっけかなー?」
「今のところ宝石は《細工》系だっけ?」
「《細工》でアクセ行きか……後は《木工》で杖行きかな?」
「アクセ枠結構空いてるけど……お金飛んだからなぁ……」
クロフェルムやモリブデンなどでは特に錬金レシピは無し……おや、これが売れそうですね。エルツさんに持っていってお金貰いましょうか。
「中ぐらいの魔石持ってる?」
「どれが中になるのか分からん」
「大体本体と連動してると思うけど……中サイズで魔石落とすのいたっけかな?」
「スケルトンとかは?」
「あれは小だね。アンガスとかホースのサイズが中なんだけど……」
「あいつら魔石出さないからねー」
「仕方ない。オーブで試そうか」
妹を連れて錬金室へ行きますが、妹は離しておきます。拡張コアのセットする場所は……あるようですね。入れておきます。
ではまず魔鉄の鉱石4個から【抽出選入】で魔鉄インゴットへ。《錬金術》のレベルがまだ低いので、中々苦労しつつも完成。
そしたら先程採れた宝石の原石小を【分解】で加工。周りの余計な土などを取り除きます。システム把握をした後、本番の中サイズを加工。
ここまでが下準備。メイン作業に入りましょう。
魔鉄インゴットとオーブ、アルマンディンの中サイズを錬成陣へ乗せ、いざ【合成】です。
「おぉ! アニメとかでよくある謎の風で、髪とかスカートがふわっと現象!」
「こ……これが新しい力……とか言ってる場合ではなく」
「目に見えてお姉ちゃんのHPが減ってる件」
「オーブは無茶だったかしら?」
「うへぇ……こっちにもダメージ来始めた。クレイジーアルケミスト……」
現在進行系で魔力が失われているわけですよね。これをなるべく抑えて、合成を完了させなければいけないわけで。
魔法防御と安全地帯の回復で死にはしないでしょうけど……勿体無いですねぇ。抑え込むのは無理そうなので、流れをなるべく揃えて、できる限り圧縮しましょう。
[素材] アルマンディンマギアイアン レア:Ra 品質:B-
魔法適性のある金属に属性を持たせたインゴット。
作れただけでも割と優れた錬成師と言えるだろう。
武器なら攻撃属性を、防具なら属性耐性を得る。
属性:火
失敗はしませんでしたが……錬金の品質補正をダブルで受けた状態で、この品質は確実にゴミですね……。補正が無かったらCになってるかすら怪しいのでは?
「おぉ……ついに属性金属!」
「色々検証が必要だけど、とりあえず属性付きの装備は作れそうだね」
魔法適性の高いインゴット+魔石中以上+宝石中以上が必要です。それぞれがどの能力に影響するかは要検証。やるならエルツさんに手伝って貰う必要があります。
インゴットは作れますが、ここから武器にはできません。
「とは言え、インゴット1個じゃ武器は作れないぞっと」
「他の金属はダメなの?」
「魔力適性が必要らしいから、多分魔鉄が最低?」
「そっかー」
とりあえず《採掘》と《錬金術》を上げないと話になりません。エルツさんからツルハシも買わないと。後は鉱石系の収納も買うべきですかね。
今日はツルハシ買うぐらいで、北の第三エリアは明日目指しましょう。
追憶の水と清浄の土とオーブで魔粘土作りましょう。
「凄いバッサバサしてるけど……お姉ちゃんその減り方死ぬのでは?」
「ヒールよろしく!」
「私光と聖しか無いんだけど?」
「あー……あ? そう言えば光弱点じゃなくなってるから、【ライトヒール】もセーフかな。聖は変わらずダメ」
「まじか。【ライトヒール】」
〈《錬金術》がレベル20になりました。スキルポイントを『1』入手〉
〈《錬金術》のアーツ【応急修理】を取得しました〉
リーナに回復してもらいながらなんとか完成。
[素材] 魔粘土 レア:Ep 品質:C+
とても高い魔力適性を持つ万能粘土。
人形作りに一番適している。
素材は聞かない方が良いかもしれない。
「実に悲しい品質。これは属性金属より難易度上かな」
「回復無くてもギリギリ耐えれる……? な感じだったね」
「そう言えば……この部屋暗くすれば、ステータスボーナス入った状態で生産できるかな。そうすれば多少楽になる?」
「明るさでボーナスなんだ?」
「暗いほど良いみたいだから、1人なら真っ暗でやれば良いかな」
さて、覚えたアーツは名前で大体察せますが……。
【応急修理】
装備品の耐久を回復させる。装備品と同じメイン素材が必要。
まあそうですよね。出番があるかはともかく、無いよりは良いでしょう。
今日はもう《錬金術》と、寝る前にエルツさんで買い物。そのついでにダンテルさんに魔蚕と、サルーテさんに魔女の情報を話せば良いですかね。
魔粘土を量産しましょう。死にかけますが素材が楽ですし、経験値も美味しい。
さ、作るぞー。