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55 夏といえばキャンプ 6-7日目

珍しく活動報告を更新しました。

それなりに重要な事なので、時間がある時に右上にある作者の名前から飛んで見てください。

早い人はまだ更新されてない可能性が高いです。活動報告は予約投稿ができない!

『島の生態系を取り戻せ!』

 1.東は元々草原だったらしい。そびえ立つ大木を打ち倒せ!

 2.島の住人である銀狐から聞いた東の森を調べてみよう。偵察フェイズ。

 3.偵察部隊が情報を持ち帰った。情報を整理し準備を整えよう。準備フェイズ。


※開戦まで:1日と1時間

※残り時間:2日と18時間


 なるほど、準備時間ですか。開戦は明日の……7時からですか? 今6時ですから……そうでしょうね。

 さてまずは……寝ている間に変わったところの把握と、偵察部隊からの情報の確認をしなければなりませんね。


 ベッドから抜け出てUIを確認すると、偵察部隊からの情報が纏められていました。とりあえずこれを各隊長へ送って、自分でも内容を確認します。

 敵の名前にレベル、更に弱点とドロップ……そして配置に巡回ルートですか。見事に植物系で打撃と火に弱く、水と土に強いようですね。《木魔法》は絶望的と。


「姫様おっはー」

「おはようございます、クレメンティアさん。植物戦ですが大丈夫ですか?」

「蔓が打撃系だからなんとかなりそう。今急いでスキル上げ中ー」

「《縄》系スキルが適用されるんでしたっけ?」

「《蔓の鞭》ってのが種族スキルにもあるんだけど、こっちは特にアーツとかは無く、蔓自体の強化スキルっぽい?」


 自分の体の一部を武器の代わりにするための種族スキルでしょうか。武器の新調は不要だけど、種族スキル上げろ的な? それで、アーツを使いたければ《縄》系統の攻撃スキルを取れと……。

 《木魔法》が使えないので、今は急いで蔓関係のスキルを上げているようですね。

 クレメンティアさんは手と蔓を振りながら、西の森へと向かいました。


 変更点の把握のために挨拶しながら拠点を回っていると、ぞろぞろと起き始めました。一度料理に移りましょう。


 料理をしていると、同じく睡眠中の変化を確認していたエリーがやってきました。


「ターシャ、ポーション瓶が足りない問題が発生してたから、派遣しといたわ」

「《錬金》系と《硝子細工》系ですか……」

「調査した感じ原因は原料となる硝子ね。《錬金》が圧倒的に早いらしいけど、MPが辛いとか。回復中は海で遊んでるらしいけれど、どうせMP無いと何もできないのだから良いでしょう」


 《錬金》は素材とMPさえあれば、すぐに効果を発揮してアイテムができます。が、MPさえあれば……ですね。私が南のインバムントで量産できてたのは、あそこがセーフティーエリア内だからです。このイベントエリアにはセーフティーエリアがありません。自動回復が常に種族やスキル依存になるわけですね。

 そして《錬金》は生産時に使用するMP消費がトップレベルに多いのです。なぜなら全てがアーツ頼りだから。フライパンで焼くのにMPは使いませんが、《錬金》はそうも言えませんからね。《料理》の【反応促進】は気にしたら負けです。


 料理を配り終えたら再び見回りです。《料理人》スキルが上がっていきますが、どちらかといえば《錬金術》を上げたいところですね……。料理に比べアーツを使うしかないので、スキルレベルが重要なんですよ。

 とはいえ、このイベント中は仕方ありませんか。料理人が少なすぎるのですよね。今回のイベントで多少増えると良いのですが……。


 ぶらつくことしばらく、地上部隊のリーダー達がやってきました。


「姫様今いいかい?」

「作戦会議ですか?」

「まあそんなところ」


 特に場所を移す必要もないので、この場で始めます。


「予定通り東西南北に部隊を配置して、時間で戦闘、休憩、待機を決めて後は好きにさせる予定」

「目標は中央でござるからな」

「全員固まって一点突破も考えたんだけど、絶対戦いづらいよな……って」

「機動部隊は後方部隊の護衛を任せるつもりだ。森じゃ戦いづらいだろうからな」

「なるほど、分かりました。では東を担当する部隊に消耗品を多めに持たせましょうか。補充が大変ですからね」

「よろしく頼むよー」


 ムササビさんの部隊が東担当なようですね。これはエリーに伝えておきましょう。森の東側まで回り込む必要があるので、移動に時間も掛かります。出発が他より早くなるので、先に渡しておく必要がありますね。


「それと、既にこちらに向かって敵が来てるから、軽い防衛戦が始まってるよ」

「暇してた地上部隊が嬉々として戦ってるけどね」

「敵側も既に動いているのですね。消耗品を節約戦闘でお願いします。本番は明日からでしょうから」

「皆もそのつもりっぽいから、大丈夫でしょう」


 皆でバタバタしながら準備を進めていきます。私もたまに戦闘に参加しつつ、生産の進捗状況を確認したりを繰り返します。


「おう姫様! 小娘呼んでくれ!」

「……ああ、リーナですね。呼んでおきます」


 エルツさんがハルバードを持っているので、渡すのでしょう。他にも言われた人を地上部隊の4人に伝えて呼んで貰います。


「姫様ー! ミードさんとスケさん呼んで!」


 更にプリムラさんからの要望も伝えておきます。


 大体生産者にはお得意様がいるので、まずはその人達に配って行くのでしょう。色々いい素材が手に入ったようで検証はそこそこに、急いで新調中ですね。

 まずは知り合いの装備から……というのは基本でしょう。それが終わったら後は同じレベル帯ぐらいの人にですね。


「姫様、ちょっとこれ素振りしてくれ」

「素振りですか? まあ、構いませんが……」


 エルツさんからコバルトハイスのレイピアを渡されました。


「なんか……振りづらいですね?」

「姫様レベルは20後半だったよな?」

「ええ、28ですね。もうすぐ9です」

「てっと、コバルトハイスは30以上のやつに配るか。助かった!」


 振りづらかったのは条件不足によるペナルティというやつですかね。

 ゲームなので、装備には装備条件があります。それが足りなければ足りないほどペナルティが重くなっていく……らしいですよ。

 調べスキーさんが言うには、レベルの他にもステータスもあるだろうと。

 エルツさんはこの辺りの確認をしたかったのでしょう。《鑑定》ではまだ見せてくれてないのですよね。


 ムササビさんの部隊は少し早めに出て、続いてこたつさんとルゼバラムさんの部隊を見送ります。

 6日を丸々準備に費やし、就寝です。

 残り2日……頑張りましょう。




『島の生態系を取り戻せ!』

 1.東は元々草原だったらしい。そびえ立つ大木を打ち倒せ!

 2.島の住人である銀狐から聞いた東の森を調べてみよう。偵察フェイズ。

 3.偵察部隊が情報を持ち帰った。情報を整理し準備を整えよう。準備フェイズ。

 4.準備は整った。開戦の時だ。そびえ立つ大木を目指そう。メインフェイズ。


※開戦まで:1時間

※残り時間:1日と18時間


 後1時間ですか。料理して叩き起こしてスタンバイですね。

 では早速行動に移しましょう。


「おまちどう! 産地直送だ!」

「ありがとうございます。早速作りましょう」


 産地直送(視界内)ですからね。

 早速パンやお肉を焼いていきます。パン生地は寝る前に用意すると、寝ている間にMP回復するから楽ですよ。【反応促進】でがっつり持っていかれますからね。

 そして作っている間に他の人達がPTメンバーなどを起こしていきます。


「朝よーお♡き♡て」

「ひゃあああああああああ! やめろ気色悪い!」

「無駄に良い声過ぎて草」

「何という低音」

「リアルの俺の体絶対鳥肌マッハだわ!」

「目、覚めたろ?」

「一瞬でな! ありがとうよ!」


 でき次第料理を配っていき、食べている間に睡眠中の進捗をできる限り確認しておきます。

 既に他の部隊は配置についているので、こちらにいるのはセシルさんの地上部隊と機動部隊、そして後方部隊ですね。偵察、音楽、航空はそれぞれ4等分されて地上部隊に統合されています。


 トリフィドだろう大木の上空にはワールドクエストの文字が浮かび、カウントが進んでいきます。

 食事を終えた者から東へ向かい、森の西側外周に陣取っていきます。


「さあ諸君! 準備はいいかー! そろそろ始まるぞー!」

『うおおおおお!』

「多分姫様のセリフが入るだろうけど!」


 ああ、今回はまだやっていませんね……あれ。セシルさんの言う通り、ありそうな気がします。

 着々と生産者達は作っていますが、カウントダウンも順調に進んで残り1分へ。

 その時背後で《直感》が発動し、私を含め持ってる人達が振り返ります。蜃気楼のように揺らっと出てきたのが、銀狐を筆頭にした動物達です。

 明らかに特別なイベントモンスターですね。Mobとして同じ種類は見ていませんし。


「さて、準備は良いな?」

「ええ、できる限りの準備は済ませました」

「期待している。悪いが頼らせてもらうぞ」

「我々が死ぬことはないので、危なくなったら下がって回復を優先してください」

「……心得た」


 そしてカウントが0になり、上空には『Ready』の文字が。やっぱりありましたね、セリフ。


「『集いし異人達よ、開戦の時です。傍迷惑な大木をへし折ってやりましょう。戦の女神、シグルドリーヴァ様のご加護があらんことを! 全軍、攻撃開始!』」


 防衛戦の時と同じように、プレイヤー達と銀狐達が赤い光に包まれ、光が体の中へ吸い込まれていきました。



〈〈アナスタシアの《王家の権威》が発動。このクエスト中、全ステータスが上昇します〉〉

〈〈銀狐と協力関係のため、聖獣達が援護してくれます〉〉

〈〈ワールドクエスト:島の生態系を取り戻せ! メインフェイズ、開始〉〉



『うおおおおお!』


 戦闘組と銀狐と一緒に来た聖獣? 達が森へ突撃していきました。


「聖獣とは気になるワードですね」

「だねぇ……」


 セシルさんと私の視線が隣にいる銀狐へと向かいます。


「む? お前達が勝手にそう呼ぶだけ……と思ったが、お主らは異人だったな。確か意思疎通ができて共存できるなら聖獣とか呼んでたはずだ」

「なるほど」


 つまり、人類にとって敵じゃないから聖獣と呼んで区別しているだけで、なんか特別なものは特に何もないと。

 64レベ銀狐とか、一般人からしたらかなり強いですし……それが代わりに魔物とか倒してくれるならまあ、聖獣と言えなくもない……ですかね?

 そういう意味では……異人の動物系は聖獣と言えなくもないですね。まあ、異人と一纏めにされるでしょうけど。異人という要素が強すぎますから。


「じゃあ少しずつ詰めていこうか」

「そうですね」


 PTごとに少しずつ間を開けて横に広がった状態で、先行した戦闘組の後を追っていきます。

 最初の浅いうちは問題ありません。本番は今までポップ数が多すぎて行けなかったところからです。そこまではゆるりと向かいます。

 そして横にいるセシルさんから先行した部隊からの情報が入ります。


「戦闘が始まったけど、明らかに数は少ないようだね」

「他の部隊も戦闘が始まっているようですが、数は少なく感じるとか」

「エリアによってポップ数が決まってて、エリア内に敵が入ったら群がってくる……かな?」

「大人数で複数箇所から同時に入れば、その分敵が散って攻め込める……と?」

「ただイベントの仕様かもしれないけどねー」


 どっちもありえますね……。外に行けば行くほど範囲が広くなるので、その分ポップ数は多いはずです。つまりその分群がってくる数が増えるので、数PTでは物量的に不可能だったわけですね。


「それはそうと、マップ見てください」

「……エリアが塗り替えられてるね?」

「ゲーム的に有り得そうなのは……ポップ可能エリア?」

「ありえる。となると、マップを塗りつぶすように移動してもらわないとね」

「これは私から伝えておきましょう」

「よろしく」


 マップでは大木を中心として円形に、色でエリア分けされています。ですがプレイヤー達が通ったところは、色が消えて通常のマップ色になります。

 ゲーム的に考えると、この色付きエリアが敵の領域です。色によって敵のポップする種類が違い、色のついている領域は敵のポップ地点になる。つまり敵の領域をこちらの領域に塗り替えつつ進んでいけば、ポップを抑えられるわけですね。

 各隊長達へこの可能性を伝えて、これ前提で動いてもらいます。これが正しいかどうかはすぐ分かるでしょう。


「ミードさん、偵察部隊の人達でマップを潰して行ってもらえますか?」

『分かりました。通達しましょう』


 偵察部隊の人達は身軽な人が多いですからね。正面からの戦闘も辛そうなので、マップを潰しつつ、横からちょっかい出して貰いましょう。

 戦闘音は先程から聞こえていますが、先行組に追いついて来たため声も聞き取れるようになりましたね。


「滾れ我が魔力! 【臨界制御オーバースペル】! 刮目せよ我が魔導! 【六重詠唱ヘキサスペル】! ひれ伏すが良い! 【イグニスプロード】! ふはははは!」


 ……めっちゃ楽しそうですね。良いことですよ、うん。周囲の人達は背中が痒そうにしていますが、きっと虫刺されでしょう。

 【イグニスプロード】という事は複合の灼熱30ですか。間違いなく1陣ですね。ヘキサなので6連爆発です。爆風は打撃判定でもあるのか、効果抜群らしいですよ。



 んー……微妙にエリア残しあるのが怖いんですけどね? 誰か行くだろでお見合いしたのでしょうか……。MMOあるあるですけど。

 スピードの早い航空部隊の人に頼むべきでしょうか? できれば航空戦力は前線に残しておきたいのですが……。


「どうかした?」

「最初の方にエリア残しがありましてね。気になるんですよ」

「ああ、確かにあるね。んー……もしポップ地点だとするなら、さっさと潰した方が良いかな」

「現在進行形でどんどんポップ地点が減っていってるので、後ろから湧く可能性が上がると思うのですが……」

「挟み撃ちされるわけだ。それは避けたいねぇ……。暇だし埋めに行くかい?」

「確かに暇ですね。埋めに行きましょうか」


 戦闘組ではなく待機組を数PTほど連れて、セシルさんと自分のPTで埋めに行きます。スケさんとアルフさん、アメさんとトリンさんを呼びましょう。

 こちらではなく拠点へ向かう可能性もあるので、機動部隊のリーダーにも伝えておきます。


「2PTは北へお願いします。私達は南へ行きますね」

「了解」

「既に湧いてる可能性あるから気をつけて」

「おっけー」


 それぞれ武器を持って向かいます。

 流石に偵察部隊もポップ数やポップ速度なんて分かってませんからね。既に湧いてる前提で向かうしかありません。


 アルフさんと、セシルさん側のタンクであるラウルさんを先頭に進みます。


「今のところ反応はな……いや、いるねぇ?」

「いるな。しっかり湧いたようだ。1匹だな?」

「だな。ポップ地点に1体」


 やっぱりポップ地点になるようですね。既に1匹は湧いているようです。丁度いいので、少し様子を見たいですね……。


「セシルさん、少し様子を見ませんか?」

「エリアから出るのか確認したいんだね?」

「そうですね。プレイヤーを見つけていない状態でもエリア外へ出るのなら……」

「うん、早々に確認しておきたいね。賛成」


 敵がどっちへ行っても良いように、スケさんとウルフを召喚しておきます。

 ではのんびり待ちましょう。動かないなら動かないで良いのです。


「動かないと楽でいいんだけどねー?」

「流石に動くと思うけどね。じゃないとつまんないし?」

「確かにね。エリア外行けないんじゃかなり楽だよね。ある程度幅取ってエリア潰すだけで、ボスまで直進できちゃうし?」


 スケさんやアルフさん、セシルさんの会話はご尤もですね。

 少ししたら1体が新たにポップ。元からいた敵がエリア外に移動していきました。


「なるほど。動いていったのを私達がやりますね」

「じゃあ俺らはエリアに突っ込みますかね」


 メイスを持たせた一号にエリア外に出ていった敵を足止めさせます。

 敵は……プランテラシードシューターですか。種を飛ばして攻撃してくるとか言ってましたか。特に侵食は無いようですけど……流石に人に侵食するのはグロすぎるのでやめたのでしょうか? コッケも大概だと思いますけど……。


 アルフさんがタゲを取り、スケさんと魔法を撃ちます。双子はそれぞれ好きな角度から攻撃していますね。

 あの種、アローより早いですね。大盾に弾かれていますが、後衛を狙われると面倒ですか。

 蔓と言うより根っこで攻撃もしてくるようですね。体力は後衛の敵なので、そう多くはない……でしょうか。


「むっ」

「あいたーっ」


 根っこがアルフさんの大盾に弾かれていますが、種がスケさんに直撃しました。

 半分切ってAIが変わりましたね? ヘイト2番目でも狙ってるのでしょうか。


「おっ……と、危ないですね」

「種は姫様に譲ろう!」

「いらないんですけど?」

「あたーっ! ちくしょうめー!」


 ヘイト2番目を狙っていますね。2番目を私が維持して弾きます。スケさんは固定砲台ですから狙われるとあれなんですよね。


「あ、木を盾にすれば良いんじゃん」


 スケさんが木からチラッチラッとしながら攻撃していくと、木にパシンっと種が当たって弾かれています。絵面はともかく、効率としては良いんじゃないですかね。

 見てください。あれが作品によってはノーライフキングとも言われる事がある、リッチです。


 ワールドクエストなので、倒したら光の粒子になって消えます。


「ちょっと厄介だけど、後衛の敵だし1体なら全然問題ないか」

「木を盾にできるから楽かなー」


 セシルさん達は……エリアを潰しましたね。では合流して戻りましょうか。流石に探して歩くのは面倒ですからね……。


「後ろっ!? 2体っ!」

「流石にもっと湧いてたか!」


 1発は弾きましたが、左の二の腕に1発貰ってしまいました。よく当たりますね……左の二の腕君は……。

 スケさんが【クイックチェンジ】でアーマーに切り替えたので、1体抱えてて貰いましょう。先にアルフさんがタゲ取った方を狙います。


 私達が到着する前に既に何体か外に出ていたのでしょうね。ポップ数やポップ速度はエリア範囲と討伐速度で変動もあり得そうです。


「こちら増援2体と戦闘中です。そちらはどうですか?」

『こっちも戦闘中。倒し次第そっち行くよ』

「分かりました」


 セシルさんの方も増援ありですか。思ったより湧いていたようですね。さっさと潰しに来て正解でしたか。

 各隊長達に伝えておきましょう。色付きエリアがポップ範囲でほぼ確定だと。なので、潰し漏れが無いようにお願いします……と。


 1体倒したところでアーマーの抱えてる敵を叩きます。

 ところでさっきから種が当たったところに違和感があるんですよ。嫌な予感しますよね。

 もう少しというところでセシルさん達がやってきました。


「もう終わりそうだね」

「丁度いいところに。殴っちゃってください」

「おっけー」


 2PTになったところで瞬殺されました。



〈種族レベルが上がりました〉



 レベル上がりましたか。これで29ですね。まあそれよりもですね……。

 早速二の腕の裏側を……アイコン付いたじゃないですかーやだー。HPが吸われていくわけですか。

 レイピアをしまい、解体ナイフで種の部分をさっさとくり抜きます。リアルみたいに麻酔がいるわけでも、もろに痛覚というわけでもないですからね。時間経つと腕切り捨てないといけなくなりそうですし? それはペナルティ考えるとちょっと。


「えっ何してんの姫様」

「いえ、しっかり侵食してくれやがったので、手術中です」

「まじか。あれ、僕もやばい系?」

「アイコン付いたので、それがないなら骨は平気なのでは?」

「ゾンビ特有? 植物もヤバそうかなー?」

「そうですね。クレメンティアさんに伝えておきましょうか」


 腐肉は植物大好物でしょうか? まあ確かに、ゾンビは人ではないでしょうから、侵食しても良いと。運営さんゾンビに厳しくありません? なにか恨みでも?


 くり抜いてポイポイしたら侵食アイコンが消えたので、解体ナイフをしまいます。

 二の腕の裏側が赤くなってしまいましたが、どうせ放っとけば勝手に再生されるでしょう。それが取り柄のようなものですからねぇ……。


「さて、帰りましょうか」

「そうだねぇ。倒して回るのは流石に無理だからなぁ……」


 という事で、西側の部隊と合流しに戻りましょう。

 一号をアウルにして魔法を持たせ、航空部隊に混じってちょっかいを出させます。マップや隊長達からやってくるVCを確認しながらなので、一号に戦闘させてスキル強化だけでもしておきますよ。



 進んでいけば行くほどエリアは狭まっていき、敵は強くなり密度が増します。

 しかし1度に戦える数も減るので、休憩できる人数が増えるため楽……と言えば楽でしょうか?


「補充の時間だおらー! 持ってけドロボー!」

「じゃあ遠慮なくー」

「てめぇ!」

「理不尽!」


 たまに後方部隊から補充がやって来るので、それを配っておきます。


 部隊メンバーをローテーションさせながら進んで行き、睡眠組も出るので待機組からそちらの護衛も付けます。


「だいぶ抵抗が激しくなってきたなぁ」

「ポップ地点を潰せるので、思ったよりは楽ですね?」

「これ一点突破してたら地獄だったね」

「ですね。前はトリフィド、後ろは雑魚達で後方部隊と分断がありえましたね」


 後方部隊にも少し敵が漏れて、機動部隊が活躍していたようですし、一点突破してたら大惨事だった気がします。

 流石に航空部隊が上空飛んでエリア潰しはさせてくれないようで、えげつない対空射撃が来るようですね。フェアエレンさんがドヤ顔で死にかけたって言ってましたから相当ですね。

 当たり前ですが、大人しく地上を進んで制圧していけと。誰でも考えますよねぇ……空から行けば早くね? というのは。当然のように許されなかった。死人が出なくてなによりです。死な安死な安。



 進行状況を見るに、これなら問題なく明日にトリフィド到着しますね。元々そういう設定だったのでしょう。

 大量に【ライト】が浮かぶ夜の森での戦闘です。交代制なので常に戦闘状態は維持ですね。じわじわと進み続けます。


「子供達は代わって貰えよー! そろそろ寝る時間だぞー!」

「私もお休みの時間です。お任せしますよ」


 ベッドを取り出すと、どこからともなく妹がやってきて潜り込みました。何も言うまい。

 私も寝ましょう。あっという間に最終日ですね。頑張っていきましょう。


マイクラに例えるなら、色のついている領域が敵のポップ地点。プレイヤーの通ったところは自動的に松明が置かれていく。

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