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ハーブ 効能で調べて、状態異常に当てはめる作業。

 錬金……基本レシピ……魔石……ふむ、ふむ? 魔粘土ですか。明らかに中間素材ですが、何に使うんでしょうね。《錬金術》の【属性操作】についても聞いてみたいですし、お婆ちゃんのところへ行ってみますか。

 宿を後にしお婆ちゃんの雑貨屋へ向かいます。


「こんにちは」

「あんたかい。買い物か、それとも錬金かい」

「錬金です」

「そうかい。じゃあ聞こうか」


 とりあえず《錬金術》が10になったことを報告しておきます。トッケイの羽で矢を量産してたらなったんですよね。


「という事は【ゴーレム錬成】覚えたようだね」

「死霊の方があるので、まだ確認してはいませんが」

「ゴーレムに使うぐらいなら死霊に魔石食わせた方が良いさね」


 ゴーレムしか使えないならまだしも、死霊が使えるならそっちの方が良いと。死霊の問題はキャパシティ。つまり骨肉ですね。その問題がないなら死霊。それが問題となるならゴーレム。

 研究者などは骨肉の確保が困難のため、魔石だけで良いゴーレムを使うんだとか。


「それで、何が気になってるんだい」

「【属性操作】と魔粘土ですね。魔石は知っての通り死霊行きになるので、試し辛いのですよ」

「ふむ、なるほどね。【属性操作】は基本的に属性魔石を手に入れてからさね。この辺にはいないだろう。……ああ、冥府への入り口はどうだった?」

「ルシアンナさんに教えてもらいました。ありがとうございます」

「北東と言ってたかい?」

「ええ。軽く見てきましたが、アンデッドが多くてまだ行けそうにありませんね」

「中位アンデッドぐらいだろう?」

「はい、30台でしたね」

「なら一応闇の魔石が手に入るか」


 属性を持っている敵の魔石は同じく属性を持つ。その属性を別の物に移すのが【属性操作】。ただ、物質には大抵魔力適性というものがある。魔力の通しやすさや保有量などがそれに当たり、これが低いと受け止めきれずに壊れるだとか。


「魔粘土の用途はそうさね……【ゴーレム錬成】にも使えるし《人形制作》にも使える……後は《細工》にも使える」

「ゴーレムと人形はまあ、分かりますが《細工》ですか?」

「粘土だから皿にね。コストが高いから使うにしても王侯貴族ぐらいだろう」

「なるほど。お皿は《細工》の領分ですか」

「そう言えばあんた、《料理》持ってたね?」

「持ってますよ」

「魔法効果の付いた料理は【テーブルウェア】かい?」

「そうなりますね」

「ふむ……。余裕があるなら魔粘土を使った食器にすると良いさね」


 魔法の力を持った物は基本的に魔法の力を持った物で保存する。そうすることで劣化を防ぎ、物によっては効果が上がる事もあるらしい。

 更に拘るなら特殊な施設も必要になるとか。


「魔法の物を作るには『魔法の素材』と『魔法の施設』、そして熟練工が必要さね。確実にかつ良いものを……ならば全て用意しないと」

「魔法の施設……」

「生産者の中でも熟練者用だから値段も跳ね上がるよ」

「上級生産キットですか?」

「もしくは施設。当然施設の方が性能は良いさね」


 キットもしくは施設。施設はハウジングの事でしょう。一応”携帯”生産キットですからね。


「そして魔粘土と言っても色々ある。用途に合わせて土を変えな。ゴーレムなら耐久寄り。人形なら魔力適性寄り。皿なら美しさ。物は自分で探しな」

「人形は魔力適性なんですね?」

「《人形魔法》もゴーレムの派生で、魔力の糸により自分で動かす事に視点を当てた物。基本人形は木を使う。それは魔法触媒に使われる事からも分かるはずさね」


 木は耐久もあり魔力適性もある。更に言えば沢山生えているのでコストが軽い。加工も基本削るだけ。魔粘土は加工しやすいけど、魔石やスライムジェルが必要になるため、コストは重めですか。

 更に木なら《伐木》ですが、魔粘土は土で《採取》と粘土制作で《錬金》が必要なので、SP的にも少々重いと。

 まあ、MMOなので買えば良いのですが……魔粘土なんて売ってる人いるんですかね? 現状《錬金》がいまいち不人気だと言うのに。そう言えば不人気な最大の理由は品質のC制限でしたね。あれ、何とかならないのでしょうか?


「そう言えば、品質がCなのですがそれ以上にはできないのですか?」

「ふむ……ちょっと待ってな」


 そう言って奥へ向かい、少ししたら本を持って帰ってきました。


「これと……次とその次のものさね」


 えっと……『錬成陣拡張コア 1~3』の3つ?


「魔石をコアとして加工し閉じ込め、錬成陣を強化させる事で品質の高いアイテムを作り出す。師から弟子へ送られる秘匿知識さね。言いふらすんじゃないよ」

「知りたければ誰かしらに弟子入りしろって事ですね」

「錬金術師に弟子入りしないと意味ないさね。肝心の結晶が作れない」


 師匠から秘封結晶を貰い、特殊な加工をした魔石を封じ込めて錬成陣を強化する。すると品質Cの制限が外れると言うことですか。3つなのでB級、A級、S級の開放だと思います。

 さて問題は、手持ちの魔石が足りません。中、大、極大を要求してきてますね。極大魔石とか見たことありませんけど。


「最近取り込んでしまうので、魔石無いんですよね。オーブじゃダメでしょうか」

「……オーブ?」

「これです」

「あんた……これをどこで?」

「私の余剰魔力からこの指輪が生成してくれます」

「やっぱり装備、かなり特殊だね? どちらにしても黙っていた方が良いさね。それに……神々絡んでないだろうね?」

「はて、どうでしょうね?」

「その装備はどこで?」

「ここから北東のカタコンベで」

「北東って言うと……過去の遺産か。不死者で白黒の遺産持ち……ねぇ」


 「まあ良いさね」とオーブ2つ持って奥へ行ってしまいました。どうやら極大の代わりにはならないようですね。

 それにしてもこの服、セット装備以外にも意味があるのでしょうか。……色? かなり前、身に付けていい色が決まっていたり……とかありましたね。白黒かつ神々……となると教会ですか。黙っていた方が良いらしいので、聞くならルシアンナさん一択ですね。

 別にこの装備に関して聞く必要もありませんし、身に付けている色に意味があるのか聞けば良いですか。異人の我々にそんな習慣はありませんから。

 考えている間にメーガンさんが戻ってきました。


「ほら、これさね」


[道具] 錬成陣拡張コア 1

 師から弟子に送られる秘匿知識の塊。

 錬成陣に設置することで効果を発揮し、上限品質を1ランク上昇させる。

[道具] 錬成陣拡張コア 2

 師から弟子に送られる秘匿知識の塊。

 錬成陣に設置することで効果を発揮し、上限品質を1ランク上昇させる。



〈特定の条件を満たしたため、《錬金術》にエクストラアーツが追加されました。【錬成陣拡張 Ex1】〉

〈特定の条件を満たしたため、《錬金術》にエクストラアーツが追加されました。【錬成陣拡張 Ex2】〉



 この錬成陣拡張コア。秘匿知識と言われている事からも分かるように、そうそうあげる物ではないそうです。例え弟子だとしても。そもそも普通の弟子なら師のところへ通うでしょうからね。そこで人柄やら腕を見るんだそうです。しかしそれだけでは足りません。師の前だけ良く見せようなんて当然です。誰だって考える。そこで町の人の評判も調べる。評判……つまり好感度がここで生きてくるわけですね。

 日頃の行いが悪い人はここで地獄を見るわけです。好感度の上がりやすさや上げ方は人によって違うでしょうし、町の評判となると1人だけ上げても……って感じですから、これかなり大変ですね。一応その人から多少は評判が広がるでしょうが、その住人の人付き合い次第ですか。露店のおばちゃま辺りを味方に付けるのが最強そう。《錬金》以外にもこの条件があるんでしょうね。


「後は極大魔石級が手に入ったら持ってきな。それでS級まで開放される。まあ、作れるかはおまえさん次第だがね」

「錬金の品質って素材の品質ですよね?」

「基本的にはそうなるね。後は……【魔力操作】が肝だと言っておこうか。残りは自分でやんな」

「……【魔力操作】?」

「錬金系統は魔力を扱う生産技能さね。肝心の魔力を疎かにしてどうすんだい」

「なるほど、道理ですね。次から意識してみます」

「それと施設の存在もでかいさね。持ち運び用じゃ限界がある」

「マイホームですか」

「本格的にやるならまず施設の確保。これができるかで大きく変わるさね」


 住人達からしたら生産者はそれで生きていく存在なので、いい環境……自分用施設を持てるかどうかが、成功するかの大きな割合を占めると。錬金でも鍛冶でも、プロとして生きていくなら仕事道具である施設は最重要。これを用意できる人とできない人では、当然未来も変わるでしょう。施設はとても高いので、基本的には師匠のを借りるそうですね。

 まあこれらはあくまで、生活している住人達からしたら……ですけども。リアルに考えたらこうなるよねーという、リアリティを出すための設定でしょう。

 そして師匠であるメーガンさん。年齢的にも大ベテランだと思うのですが、S級作れますよね? お店に売ってるのは基本Cランクですけど。


「あー、そうだ。あんた不死者だったね。ポーション作っても使わないだろう?」

「使えませんね」

「Cはこの間教えた孫の店でいいとして、それ以上は冒険者組合に持っていきな」

「あれ、組合買い取りしてるのですか?」

「Cランク以上の冒険者用に品質C+以上の消耗品を売ってるさね。だから買い取りも一応しているが、誰からでもと言うわけではない」


 住人からすると《鑑定》はレアスキル扱いでしたっけ? 信用できる作り手からじゃないと買わないと言うことでしょうね。そしてあの組合横の薬屋、お孫さんのお店だったんですね……。

 そして品質Cは言い換えると一般品質なので、品質Cが作れるなら一応お店が持てるランク。B級が作れるだけでもかなり優秀な扱いだそうですね。私達異人はB級程度なら量産できますが、RPGでよくある主人公補正みたいなものでしょう。未だにA級報告は無し。

 まあつまり、B級どころかC+から値段が上がるのですよ。当然品質が上がれば上がるほど値段が跳ね上がり……そもそも、C+級以上の入手が比較的困難。そこで冒険者組合が、組合員である冒険者達への支援の1つとして高品質を……って事らしいですね。Cランク以上なのはC未満じゃ碌に買える値段じゃないとかなんとか。

 サルーテさんの露店もそれなりに良い値段してますからね……。確かにあれを買い込むのは不可能でしょう。ゲームなのでほぼ省略されている、家賃やら食費やらが住人にはあるでしょうから?


 お金を稼ぐなら委託。好感度を上げるなら組合でしょうか。好感度、結構馬鹿にできない感じなので、お金は料理で稼ぎ……ポーションは組合行きですかね。

 おっと、服の色も聞いておきましょう。


「こちらだと服の色に意味あるのですか?」

「あるにはある。だが身に付けるのを禁止されているわけではないさね」


 基本的に聖職者が関係するようですね。つまり神々の色合いである赤と緑、青と黄色、白と黒。更にアクセントとして金。原色は皆避けるようです。

 そして聖職者は着ているローブの色で誰の信仰者かひと目で分かると。


「白黒に金で刺繍の入ったローブ。主神と副神の色。これは聖職者でも避ける。更に独特なのだと……玉虫色か」


 神々に関する大事なイベントなどがないと、聖職者でも白黒に金刺繍の格好はしないとか。そもそも主神と副神の色を普段着にするには勇気がいるらしい。禁止されているわけではないので、罰せられたりなんかはしないが、なんでも周りの視線が痛いとか。その服の色に見合う人間か……と。

 神々の存在を実感するからこその……でしょうね。


「あんたは不死者だ。ステルーラ様の信仰だろう。白黒を身に纏っていても不思議ではないさね。不死者がステルーラ様から見放されると大変だ。堅実に生きな」

「……契約と断罪の顔を持つからですか?」

「そうさ。嘘つく事もあるだろう。自分のためではなく、他者のためにつきな。それなら許されるさね」

「分かりました。……ふと思ったのですが、『神に誓って』とか気軽に言わない方が良いですか?」

「言わない方が良い。特に最上とも言える『ステルーラ様に誓う』という口頭。契約と見なされ破ったら化物が来るさね」

「まさか……外なるものが?」

「来る。あんた異人に発言力はあるかい? あるなら教えてやんな」


 リアルのノリで言ったら地獄見るわけですね? 教会に行けば教えてくれるらしいですが、どのぐらいの人がわざわざ教会へ行くかって感じですね。言わない方が面白そうとか思いますが、言っておきましょうか。逆に下手に言わない方が安全な気もするのですが……わざと試す人の事を気にしても仕方ありませんか。


「執行者の邪魔はするんじゃないよ。容赦なく殺られるからね」

「分かりました。手を貸すなら執行者にですね」

「貸すまでもなく消されるさね。執行者相手だと異人でもただじゃ済まないはず」


 こちらの世界にいるのは主神クレアール様と副神ステルーラ様協力の下……でしたね。そして執行者はステルーラ様の管轄なので……うん、無理でしょうね。

 そこそこ長居してしまいましたので、そろそろお暇しましょうか。……と思ったら扉が少々乱暴に開き、男性が入ってきました。


「お婆ちゃん!」

「なんだい騒がしい」

「素材はあるんだけど、生産が間に合わないんだよ! 手伝って!」


 あー、組合横のお孫さんですね。納品した時に見ました。


「……仕方ないねぇ。時間あるなら見てやるから、あんたも手伝いな」

「【魔力操作】とやらが気になるので、折角なら見てもらいましょうか」

「おや、貴女は大量に納品してくれた方ですね?」

「ええ、自分では使わないので」

「最近弟子にしたんさね。ほらやるよ」

「えっ、弟子取ったとか聞いてないけど!?」

「今言った」

「えー……」


 困惑しつつもお孫さんは表から材料を運び込みリストを置いて、自分のお店に帰っていきました。


「売り物だから作るのはCだけど、無駄にはならないさね」

「とりあえず使う魔力を意識しながらやってみましょうか……」

「物によって適量がある。覚えるしか無いさね」


 メーガンさんに見てもらいながらリストにある初級HPポーションやHPポーション、MPポーションにアンチエメティックなどを作ります。状態異常系の回復薬は初めてですね。メーガンさんの指示と施設でブーストしてCを作りました。状態異常系にハーブ達を使用するようです。まずハーブから成分を抽出。後に蒸留水と合成ですね。


「しっかり意識して魔力を流しな。量と速度、タイミングが肝心だよ。錬成陣から魔力が溢れないように、しっかり制御して一定量与えるんだよ」

「魔力視の出番ですね」


 普段から見えている魔力ですが、そちらに意識を向けましょう。

 何も置いてない錬成陣に魔力を流してそれを観察します。一気に流すと錬成陣の線から溢れたり、流すスピードを上げるとカーブ部分から飛び出たり。つまり錬成陣自体が水路の魔力バージョンなんですね。

 合成の場合はまず素材を置き、魔力を流すと素材に魔力が集まる。一定量与えると素材が魔力に溶け出し陣を満たして、今度は中央に集まり完成品へ。不思議ですが、突っ込みませんよ……錬金術は凄い。

 ……ふむ。魔力の流れは分かりました。後は必要な魔力量を目視、もしくは感覚で覚える必要があるということですね。


「そう言えばお前さん高位不死者か。【魔力視マジーアトレース】はいらないんだね?」

「種族的に魔力が見えますからね。その魔法は使う意味が無いんですよ」

「便利だねぇ。それに精度も良さそうだ。その調子で作りまくりな」


 はい、沢山作ります。用意された素材で《錬金術》が上がる。実に美味しい。人のお金で食べる焼き肉が美味しい……的な? ……そんな事は置いといて、黙々と作りましょう。

 品質が上の物ができても困るので、拡張コアは使わずに沢山作ります。【魔力操作】の練習にはなるので、十分でしょう。やっているとこれ以上はいらないというのが感覚で分かるんですよね。



〈《高等魔法技能》がレベル15になりました〉

〈《高等魔法技能》の【二重詠唱デュアルスペル】が強化されました〉



 ふむ? 【二重詠唱デュアルスペル】が【三重詠唱トリプルスペル】になって、同時発動が3つまでになったようですね。しばらく個数が増えていきそう。


 えっと、後作るポーションは……うん? 風邪薬に胃痛薬……消化促進薬や精力剤? 更に酒飲みのお供に妊婦さん御用達とこんなのまであるんですか。


[回復] 風邪薬 レア:No 品質:C

 フレーバー薬。

 感染症に効果的とされている。


 ……なるほど、フレーバー薬。実際には無い方が不自然だけど、プレイヤー的には関係無い物……つまりゲームデータ的な意味はないよ! という物です。良いですね、こういうの。作りましょう。住人に対する好感度的な意味はありそうですし。

 オリーブにターメリック、バジルやシナモンじゃないですか。なるほど、この辺りが使われているんですね。師匠に作り方を聞きつつ作ります。



〈《鑑定》がレベル30になりました。スキルポイントを『2』入手〉



 おや、ついに《鑑定》が上がりましたか。今回かなり使いましたからね。《錬金術》も3個、《高等魔法技能》も2個と上々です。


 それにしても施設……良いですね施設。あれがハウジング用生産施設ですか。錬金で言うと魔力の流しやすさや制御のしやすさが段違いです。まあ、師匠であるメーガンさんの施設がかなり上等な物のようですが。


「流石に2人だと早い。さて、店空けるわけにもいかないからね。よろしく」

「分かりました。では今日はこれで失礼しますね」

「精進しな」


 せっせと作ったポーション達を持ってお店を後にし、お孫さんのお店……組合横へ向かいます。

 さらっとスルーしてしまいましたが、ポーションしまってきたこれ……マジックバッグですね。空間拡張されたカバンと言えば分かるでしょうか。それともインベントリと同じ仕様のカバンと言った方が良いか。

 私のベルトポーチとも違うんですよね。簡単に言ってしまえば、私のはポーチ型インベントリショートカットです。多少拡張能力はありますが、枠は共通です。

 このカバンは枠が独立しています。なので空間拡張された、インベントリ仕様のカバン。独立しているのを便利と取るか、不便と取るかは人次第でしょうか。今回のような場合は独立してないと不可能ですね。

 さて問題は。これがある以上、同じ物が作れる可能性が高いと言う事でしょう。普通に考えて《空間魔法》《裁縫》が必須。更に《錬金》系統で恐らく秘封結晶が肝でしょうね。後は……《付与魔法》もありますから、その上位が? 夢がありますが、まだ作れそうにないのが分かりますね。秘封結晶がまず師匠クラスですから。


 預かったカバンを見ながら歩いていたら到着しました。早速中へ入ります。


「ごきげんよう、宅配です。ポーションをお持ちしました」

「灰色のドレス……メーガンお祖母さんのお弟子さんですね? 裏へどうぞ」


 知らない女性が店番をしていました。お孫さんのお嫁さんでしょうか。何はともあれ、裏へ回ります。


「早いですね! 助かります!」

「いえ、こちらも中々勉強になりました」

「よく婆ちゃんの弟子になれましたね……。ここ周辺ではトップレベルの錬金術師だけど、中々弟子を取らない事でも有名だったのに」

「そうなのですか? 向こうから言われたのですが……」

「なんと! 珍しい事があるもんだ。……うん、流石に問題なしっと」


 話しながらチェックしていましたが、大丈夫のようですね。メーガンさんも私もチェックしてるので、特に心配はしていませんでしたが。


「これもすぐ売り切れるんだろうなー……」

「この間納品したやつはもう?」

「速攻で無くなったよ。もう瞬殺だったね……。異人の人達は作らないのかい?」

「作業が細かいのでいまいち人気無いようですね。増えた人達が始めるとは思いますが、使い物になるまでもう少しかかるのではないでしょうか」

「稼ぎ時には違いないんだけど、もう少し落ち着きたいねぇ……」


 是非頑張ってください。二陣がもう少しすればポーションぐらいは自作できるようになるでしょうから、それまでの辛抱ですね。


 さて、昼食にしましょうか。ポーションは届けたので御暇します。

 一旦ログアウト。


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― 新着の感想 ―
まあ、こういう話だと魔石は錬金術のほぼ必須素材だよな。
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