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例のサイト対策に本文をあとがきに移すべきか悩みますね。面倒な話です。

 こんにちは、新しい私。

 ただいま、始まりの街。


〈デスペナルティ:一定時間全ステータス低下、取得経験値減少、所持金半減〉

〈左腕を欠損しました〉


 さようなら、私の左腕? ……これが欠損ですか。左腕が半透明になっていて、当たり判定がありませんね。

 進化する前は剣やリビングデッドに突っ込んだりとだいぶ死にましたが、進化した後に戦闘で死ぬのは初めてですね……しかも欠損した。


「あ! お姉ちゃんおっす!」

「うん? ああ、リーナ」

「お姉ちゃん! 腕が!」

「祝、初欠損」

「めでたいのか……」


 パーツ使いましょうか。闇のパーツ……部位は左腕っと。出てきた左腕を無くなった部分に当てるとくっつきました。180分……3時間左腕を使う判定が低下するようですね。判定は無くなりますが、インベントリなどの操作は可能なようです。

 インベに入っていた指輪と腕装備をつけ直して、一応元通り。


「お姉ちゃんが死に戻りって……どこ行ってきたの?」

「第三エリアだね。レベル的にも場所的にも」

「あー……第二の隣行ったんだ。行けなくもないけど囲まれるとまず死ぬってね」

「うん、戦闘中に増援が来てやられちゃった」

「ソロでしょう?」

「様子見だったからね」


 再び《空間魔法》で【インベントリ拡張】を使っておきます。


 時間的に夕食が近いですね。お母さん達も帰ってくるでしょうし、デスペナ中なので一旦落ちましょうか。妹と別れ、宿へ行ってログアウト。




 リビングへ行くと、お母さんとお父さんがいました。既に帰ってきていたようですね。……何故もう飲んでいるのか。運転手さんも飲んでるし、帰る気微塵もないですね……元々帰るとは思ってませんでしたが。……メイド組がいませんね?

 私もジュースを貰い、妹の生放送を眺めます。視聴者数が万超えていますね。全校集会時の校長より遥かに注目されてます。プリムラさんの素材集めの護衛をするようですね。インバムントですか。

 護衛中にナディアさんとヘレンさんの2人が合流。


「お昼食べた女の子2人ですよ」

「あの子達なのね」


 お酒のつまみを略奪しつつ、眺めて過ごしているとメイド組が帰ってきました。買い出しに行っていたようです。夕食の食材とツマミ、お酒とジュースですか。


 庭にバーベキュー用品を並べるだけの夕食の準備を済ませます。串に刺したりなんだはメイド組の2人がやってくれていたので、リーナを呼びます。コメントで。『リーナ、夕食にするよ』という文字が紫で流れます。事前にこのユーザーからはこの色って設定できるので、紫にされたようですね。


『夕食! 肉!』

『庭に来るように』

『やっぱバーベキューか』


 『庭でバーベキュー……だと!?』というコメントが大量に流れてますが、妹に任せましょう。

 火を付け水を用意して焼き始めます。


「にくー!」

「はい豆腐」

「豆腐……? 大豆……畑の肉か……。まあ大豆渡されるよりはいい……」

「はい醤油」


 やって来た妹に冷奴を渡し、醤油も渡します。口がさっぱりするので良いですよ豆腐。うん、冷蔵庫にあっただけですけど。



 ジュージューお肉を焼きながら、お母さんとお母さん側の社長、ノアさんが話しています。


「で、なんでわざわざこっち来たの?」

「そりゃあれよ、新しいこと始めようかと思ってね」

「何する気……」

「特許持ってる会社がフューチャーソフトウェアでちょっと交渉中でねぇ。で、友人としてはあれなんだけど社長としては……ますますターシャちゃんをスカウトしたくなってね!」


 うん? 将来は自分で決めさせるから、スカウトはするなってお母さん言ってましたが……社長としてはスカウトしたくなった……と。何かありましたっけかね?

 お母さんが静かに締め上げてます。


「エリー何か知ってますか?」

「んー……直接聞いてはないけど、推測はできるわね」

「んー?」

「ターシャはファンタジー好き?」

「まあ、好きか嫌いかで聞かれれば好きですが……」

「嫌いだったらやってないわよね」

「そうですねぇ」


 うんうん頷いているのは良いですが、こっちにはさっぱり通じてませんけど?


「説明なさい……」

「うん……まず……説明できる……状況にしようか……」


 まだ締めてるんですか?


「ふぅ……あ、これまだ内緒だからね? 国家機密だから!」

「ウソつけ。会社の問題でしょうが」

「……まあ簡単に言うと、VRアイドルってやつだよ」

「アイドルゥ……?」


 その低い声どこから出してるんですかね、お母さん。


「簡単に言い過ぎた?」

「お父様……アイドルじゃ別物になるでしょう……」

「VR女優って言えばいいかな?」


 まあ私の将来に関する事なので詳しく聞くと、新しくFDVR技術を使用し映画を作ろうとしてるんだと。

 つまり、フューチャーソフトウェアの作ったFLFOのCMやトレーラー、更に生放送などでリアルさを見た社長が、『これ録画方法考えればそのまま映画にできるんじゃないか?』と。

 問題があるとすれば、このFDVR映画はスタントマン向けの仕事だということだ。簡単に言えば、魅せプレイして? ってことだから、女優には辛くね? っていう。ではスタントマンで良いかと言うと、『演技』も必要だからそう単純ではない。


「少なくとも……無理でしょう?」

「まあ……無理ね」


 お母さんはゲームしませんからねぇ……。

 VRだし、同じアバターで中の人を変えるのも良いけど、『FD』で『演技』も『戦闘』もできる人がいるならそれに越したことはない。特に映画のメインキャラはやっぱり同一人物が良いと。

 リアルさを追求してFDVRを使用するのだから、リアルさを損なうような……少しでも違和感のあるものは排除したいと。


「そして何より、新しい試みをするんだから同一人物の方が話題性出るじゃん?」

「まあ、替え玉ですってよりは出るでしょうけどねぇ……」

「ゲームだから派手に大戦争できるよ! 魔法も飛び交う! ファンタジー衣装は向こうの担当だから」


 ルイスさんがピースしてますね。まあ、企みは分かりました。要するにFDVRを使用して超リアルなファンタジー映画を作りたいってことですね。


「グロくなりすぎるのでは……?」

「そこはほら、FLFOにグロ設定機能あるじゃん? あれ多少弄ったり何なりでできないかなと」


 ふむぅ……まあ、その辺りは当然考えますか。プロですからねぇ。


「あのリアルさで映画用に撮られた物……当然エフェクトとかアングル弄るんでしょう?」

「勿論」

「ストーリーも作るんだよねぇ?」

「当然」

「見たい!」

「でしょう!?」


 ノアさんと妹がはしゃいでますが……うーん……。

 生放送ですら結構な盛り上がりですし、公式トレーラーなども再生数凄いらしいですね。日本で制限なし解放して、問題ないようなら海外からの接続も……まあ考えるって感じらしいです。


「どうせまだ先なんでしょう?」

「そうだね。そもそもさっき言ったように交渉段階だから、没になる可能性もある。でも勘は確実に売れると言っている。それにあの会社は乗ってくると思うんだ。まあ、早くても2年後とかじゃないかなー?」

「自分で決めなさい。やると言うなら応援するし、やらないなら引かせるから」

「まだまだゆっくり考えていいよー。あ、でもVRアイドル契約とか気をつけてね? 受けた場合こっちとも契約はかなり難しいから」


 難しいと言うか、無理なのでは?


「そもそもターシャ、VRアイドルになったらリアルの体は出番ないわよ」

「ですよね。それも正直嫌ですし、そもそもアイドルには興味ありませんが」


 母の背を見てきたのです。アイドルより女優ですね。バラエティなどに興味もありません。それを抜きに……現実的に見ても、目の前にいる超大手社長からのスカウトですよ……給料がですね?


「VR女優はリアルの体に出番はありますか?」

「HAHAHA、うちをどこだと思ってるんだい? あるに決まってるじゃないか。そもそも母親と同じ領域に行けば、レッドカーペットを歩くことになるんだよ?」

「それにターシャ! VRと同じ人が出てきた方がびっくりするよ!」


 アビーの言うことは一理ありますかね……?


「確かに。VRアイドルは基本リアルで出てこない。やるしかないねお姉ちゃん!」

「リーナちゃんもやりたければRP頑張ってね! 人柄や身元はバッチリ知ってるし、FDゲームの腕も知ってる。後は演技力! こっちもプロだからね。そこは妥協しないよ? 特に最初は肝心だからね!」

「むーん……RPかー……」


 まあ、トッププレイヤーを片っ端からスカウトなんてしませんよね。そもそも彼らは既に社会人で職があったり、学生だったり、そもそも人柄、身元不明です。どうしても欲しいなら調べるなりするでしょうけど。


「そもそも動作以外は別段RPしてるつもりは無いんですけどね……。確かにイベントの時はノリノリでやりましたけど。セリフも用意されてましたから」

「やるつもりなら頑張ってね!」


 RPで遊びがてら練習しろと言うことですか。まあ、楽しみながらやった方が覚えが良いので、分かりますが……。

 まあ、最短でも2年ぐらいは先とのことで、早くても高校卒業後ですね。のんびり考えましょう。


 その後談笑しながら食べた後お風呂に入り、エリーとアビーの3人で所謂パジャマパーティーをしてそのまま就寝。すまぬスケさん……と思ったけど、メッセージで教えれば良い事に気づき、送っておきました。




 朝起きて準備やらなにやらを済ませ、庭を見るとエリーが優雅にお茶中だったので、突撃します。


「アビーはまだ?」

「もうすぐ起きるんじゃないかしら?」


 もうすぐ7時ですか。確かにそろそろ起きそうですね。

 レティさんに紅茶を貰い、エリーとのんびりしているとアビーがやって来ました。


「おはようございます」

「おはようアビー」

「よく眠れました?」

「はい!」


 アビーを加えて3人でお茶会。なお、朝ご飯込みです。

 学校に送ってくれるそうなので、のんびりしましょう。


「この時間でこの暑さ、これ以上暑くなるとお茶どころじゃないわね」

「夏はあまり外にいませんね」

「普段どうしてるのよ」

「冷房つけてあの辺に」

「なるほど……」


 過ごしやすい温度じゃないと寛げませんからね。暑いだけならまだしも、大体蒸し暑いのですよね……。


 登校時間少し前に運転手さんが1人出てきて、車の方へ。時間になるとアビーのメイド、ドリーさんも付いてくるようですね。3人で車に向かいます。少し前に行った運転手さんは車内を冷やしておいたのでしょう。快適ですね。

 リムジンで学校に乗り込み、教員用駐車場で降ろしてもらいます。


「終わるまで待ちましょうか?」

「うーん……式やって通知表渡して終わりとは言ってましたが、式がどのぐらいになるか分からないんですよね」

「長くても2時間ぐらいでしょうか。このままお待ちしておりますね」


 待つと言う以上待つのでしょう。車を降りて教室へ向かいます。


「おっはー」

「おはー」

「おはようございます」

「久々に見たよあの車ー」

「見たことあんの?」

「そこそこ前に?」


 小学校や中学校が同じだった人は見たことあるかもしれませんね。何回か送って貰った事があるので。

 お母さんもお父さんも車にはいまいち興味がないようですから、うちの車は極普通です。走れば良いとか言ってましたからね……。美容と家電が好きみたいですよ。


 クラスメイトとのんびり話している間にぞろぞろと登校してきて、チャイムがなります。


「おらー、出席取るぞー座れー……全員いるな」


 見渡すだけで分かりますもんね。


「表にとんでもねぇ車止まっててビビったんだけどどこのだ?」

「琴音のとこだなぁ」

「今うちに来てる知り合いの車ですね」

「あー……なるほどな、納得した。じゃあ今日の予定を話すぞ。この後式やって、通知表渡して解散だ。全ては校長の話の長さ次第だ。短い事を祈っとけ」


 ここの校長はそんな長くなかったはずですね。あまり待たせずに済みそうです。


 ぞろぞろと移動し、全員が話を聞き流す以前に箇条書きレベルの短さで速攻で終わりました。ある意味正解かもしれません。ダラダラ話して全て聞き流されるより、必要な事のみを数行で終わらせる感。

 そして教室へ戻り通知表を受け取って解散です。


「これ昨日じゃダメだったん?」

「大人の事情ってやつだ。具体的に言うと先生側の仕事終わりに合わせただけ」

「『えー!』」

「俺も今日で休みだ! このクラスに二陣が何人いるか知らんが、宿題忘れんなよー。やることやっときゃ何も言われねーんだ、大人しくやっとけ。校長も言ってたけど、マジで水回り……海とか川、プール行くなら気をつけろよ。じゃ、解散!」


 1時間どころか20分ぐらいで解散ですね。


「早く終わるのは良いことだが、ここまで短いと『わざわざこのために来たのか……感』がやべぇな」

「言うな傑。多分全員思ってる」

「私は運転手さんとドリーさんをあまり待たせずに済んだから良かったよ」

「ああ、待ってるのか。じゃあさっさと行くか」


 3人で車に向かうと、既に妹達は乗り込んでいるようです。さっさと帰るとしましょう。




 うちの家で解散です。まだ朝8時ですから、お昼にも早すぎる。帰ってゲームでしょう。気をつけて帰るのですよ。


「「ただいま」」

「おかえり。早いわね」


 通知表を親に渡して着替え、再びリビングへ。


「うん、いつも通りで言うこと無いわね」


 私は5段階評価で5が並び、リーナは4と5が半々ですかね。お母さんの言う通りいつも通りです。ずっとこんな感じですね。いつも通りなのは良いことです。


 30分ぐらい話していると、社長達が帰るようなので見送ります。


「じゃあターシャ。今度はゲーム内で会いましょう」

「またですターシャ!」

「はい、また後ほど」

「じゃあターシャちゃん、ゆっくり考えておいてねー」

「たまにRPも意識してみます」

「うんうん、じゃあねー」


 アビーは妹と手を繋いで、謎の行動をしてから車に乗り込んでいきました。なんでぴょんぴょんジャンプしてたんですかね。2人して。

 エリーは『ごきげんよう~』とか言って去っていきました。うん、お嬢様ですね。

 お母さんとお父さんも邪魔されたから出かけてくると、再びデートに行くようです。妹は見送ったらバタバタと部屋に行きました。私もゲームしましょうかね。




 始まりの街、中央広場にログインです。

 スケさんから『錬金始めました。取ったら掲示板に載せます』とメッセージが返ってきてますね。うん、知ってた。任せるとしましょう。


 えーっと……ああ、そうだ。種族スキルは何が解放されたのでしょうか。……見た感じ気になるのはこの辺りでしょうか?


《生への執着》

 戦闘不能時に低確率でその場で復活できる。

《生気吸収》

 近接攻撃時、スキルレベルに応じて対象のHPを吸収し自分の物とする。

《MP自動回復》

 MPをスキルレベルに応じて自動的に回復する。

《自動回復特性》

 自動回復系スキルの効果を高める。あなたは再生能力が高い個体である。


 特に《MP自動回復》が欲しいですが……この4つ種族スキルでSP3要求してきますね……。全部取ると残り9ですか。肝心な確率が謎の《生への執着》は見送り、3個取りましょう。残りSP12ですね。


 一号の《物理無効》を《生気吸収》へチェンジします。一号じゃ《物理無効》のスキルレベル低すぎて話になりませんからね。私の《死霊秘法》が低いのがいけないのですが。それと《不死者の王族》が20になってるので《自動回復特性》も追加します。


 さて、一号の装備を買いたいところですが……エルツさんがいるはずもなく。……店売りメイスを買って、北に行きましょうか? 遂に《採掘》を取る時が来ましたかね。SPは投げ捨てるもの。


 武器屋は確か冒険者組合の隣にありましたか。

 金属装備……高くないですか? これは悩ましいですね。北に行くなら打撃武器は欲しいのですが、すぐ替える物に3万もだすのはちょっと躊躇いますね。青銅ではなく、銅にしましょうか。後ラウンドシールドも買いましょう。8000の出費。


 早速一号の装備に設定します。メイスは《刀剣》ではなく《長柄》ですね。スキルレベル的にまだ《防御》が取れない。早く上げないと盾が飾りですね。


 では北の町、ウェルシュテットを目指しましょう。……目指す前に組合で討伐受けていきましょうか。ラビット、ウルフ、ストーンキャタピラー、ストーンタートルの討伐を受けて、一号に倒させつつ進みましょう。


 北門で一号を召喚。銅のメイスと円盾……ラウンドシールドを持っています。


「さあ一号、向かってくるラビットを倒すのです」

「カクン」


 頑張ってる一号を見つつ、倒されたラビットに解体ナイフを突き刺します。そろそろナイフの修理した方が良さそうですね。エルツさんに後で頼みましょう。

 被弾した一号のHPが6割以下になったら、【ダークヒール】を使いつつ後ろを付いていきます。《生気吸収》のレベルが低いのもありますが、現状仕様も分からないので安心できませんね。


 ラビットやウルフのお肉は万能なので、解体。討伐依頼分が終わったら北へ向かいます。私にとってキャタピラーとタートルはドロップが不要ですので、儀式行きですね。キャパシティも増やしたいので良いことです。


 北に行くにつれ上り坂になり、平原から草が消え始め、土が見え始めます。岩肌とまではいきませんね。

 環境が変われば敵も変わる……と言うことで、ストーンキャタピラーとストーンタートルがポップしています。背中がゴツゴツした芋虫と、まさに岩亀ですね。甲羅がゴツゴツした岩になっています。

 つまり、動きが遅く防御が高い。そしてとても打撃と魔法が効く。打撃系武器と魔法初心者用マップ的な状態ですね。見晴らしも良いので、他のプレイヤーがちらほら見えます。


「さあ一号、やるのです」

「カタカタカタ」


 のっそのっそ歩いている亀に、思いっきりメイスを振り下ろす一号。金属と石がぶつかる音を響かせながら、豪快に攻撃していきます。

 私は眺めているだけ。一号に頑張ってもらわないと《死霊秘法》が上がりませんからね。とりあえず連れ回せるぐらいには上がってもらわないと。

 どの道、初期エリアのここでは私の戦闘スキルは殆ど上がらないでしょう。一応覚えている戦闘スキルは2次スキルになりましたからね。



〈《死霊秘法》がレベル5になりました〉

〈《死霊秘法》の【ライフアサイメント】を取得しました〉



【ライフアサイメント】

 体力半分以上の時のみ使用可能。自分のHPを1%ずつ徐々に下僕へ移す。

 下僕が全快するか、止めるか、体力が半分以下になると停止する。

 HPの減っている下僕が複数の場合、全てに1%ずつ移す。


 下僕回復用アーツですか。最大で自分のHPが5%ずつ減っていく訳ですね? これ使いつつ【ダークヒール】も使い、自動回復系スキルに《生気吸収》ですか。流石アンデッド、しぶとそうですね。光さえ来なければ。

 やはり問題は、自分用の回復手段ですか。


 チェック中にも増えていく死体を儀式で取り込んでいきます。キャパシティ1の悲しみ。

 2次スキルとは言え、最初の方はまだ上がりやすいですね。良いことです。


 うちの一号は色々ブーストかかっているので、初期エリアなら初期コストで十分ですね。攻撃だけなら2倍コストで2次エリアも何とかなってたので、ボスはアタッカーをさせましょうか? とりあえず……。


「一号、再召喚しますよ」

「カタカタカタ」


 狩り効率を上げるため、上限の3倍召喚をしましょう。初期コストでも十分狩れますが、強ければその分回転数上がりますからね。

 そういう意味では足の早いスケルトンウルフも良いのですが、狩場的に相性最悪なのでスケルトンのままですね。一号を召喚し、後を付いていきます。


 そう言えば北のボスはロックゴーレムでしたが、弱体化されてミニロックゴーレムになってるそうです。この子【暗黒儀式】できるんですかね? ゴーレムの設計図手に入るのでしょうか。入るなら実に取り込みたいところです。


 4発だった亀が2発で沈むようになっていますね。死体を取り込みつつ、ボスを目指します。



 んー……《死霊秘法》を10にしてからボス行きましょうかね? 10になれば二号が召喚できるようになります。それと、セットできる基本スキルが増えますね。更にレッドスケルトンが召喚できるようになるんですかね? よし、上げましょう。現状2次スキルよりは上がりやすい感じがしますし。



〈《死霊秘法》がレベル10になりました。スキルポイントを『1』入手〉

〈《死霊秘法》の【ネクロマンシー】を取得しました〉



【ネクロマンシー】

 対象にアンデッド属性を付与する。


 つまり……光と聖の被ダメージを上げられる? 浄化も効きそうですね。ただ、闇に耐性も付きそうなのでPT用でしょうか。私が使うことは無さそうですね。

 いや待てよ? むしろ味方にかければ私のバフスキル系が乗るってことですか? 要検証ですね。味方にかけられるなら私が使う可能性が……いや、回復手段が制限される問題が出てきますか。自動回復もないでしょうし、辛そう。うぅん……。


 まあ無事目標は達成したので、一号に《防御》を持たせましょう。

 一号に3倍コスト使用しても残りが40はあるので、二号を2倍コストで呼べますね。しかし……ゴーレムの情報的に少ない方が良いですか。このまま一号だけで行きましょう。レッドスケルトンやハイゾンビが呼べるようになってますが、コストが跳ね上がるので無理ですね。(10x10)x2ですから。


「一号、敵が地面を叩く時ジャンプするんですよ」

「カクン」

「それと、後ろには回らないように」

「カクン」

「相手は打撃なので、死ぬ気で避けること。攻撃より回避を優先するように」

「カクン」

「では行きましょう」

「カタカタカタ」


 【ダークエンチャント】で自分の知力を上げてから突入です。


 見た目的には殆ど変化がありませんが、大きな岩がゴロゴロしており、マップでは色が変わっているボスエリアに突入します。

 システムに体の制御を奪われ、転がっている大きな岩がカタカタからガタガタと動き出し、最終的にゴロゴロ動いてゴーレムへ。

 涙型に近い2本の足と、四角から角を取った楕円形の胴体に、円柱形の腕2本。どこも関節部分は繋がって無く、浮いている状態です。たまに両腕がくるくる回っていますね。

 本来見上げるぐらいのサイズらしいですが、ミニロックゴーレムなので、高さは成人男性ぐらい。

 ゴーレムが両手を後ろに下げ、空に吠えて戦闘開始。色々なゲームで思いますが、……声出るんですね?



 声はともかく早速先制。【魔力増幅マジーアアンプ】【臨界制御オーバースペル】でいつもより膨らんだ【ダークランス】をゴーレムに放ちます。

 お、2割ちょっとも削れますか。流石格下かつ弱体後で魔法が弱点だけありますね。苦労しなさそうです。


 ドッスンドッスンと私の方へ大股で来る前に、【ライトランス】もプレゼント。受けながらやって来たゴーレムは右腕を横薙ぎに振ってきます。それを屈みつつレイピアで頭上に逸らし、その間に一号が横から左足を殴ると。


 ゴーレムの攻撃パターンは多くなく、モーションも分かりやすい。今の横薙ぎ。後ろに回った場合の回転。体力減った際のストンプ。後1つが左ストレートですね。

 右手は横薙ぎ。左手はストレート。登場ムービー時の咆哮が回転の前動作。右腕振り上げがストンプです。


 この中で一番厄介なのは……左ストレートですね。回転はそもそも後ろに回らなければしてきません。ストンプはジャンプすれば良い。横薙ぎは屈んで上を。

 何が問題かと言うとですね……ゴーレムの腕って、ミニでも私以上のサイズはあるんですよ。サイズの問題上、受け流しきれないと言いますか……つまり体勢を崩されるんです。こういう意味ではサイズと言うのは利点ですね。場合によっては的になるだけですが……。


 これ大型と戦う場合、いっそジャンプして受けた方が良さそうな気がしますね。リアルならどこかしらグキッてしそうです。まあ、吹っ飛ばされるのでPT的には安定しなさそうですが、そこで大盾の【ヘヴィスタンド】が出番なんでしょう。

 つまり、左ストレートは体勢が崩されて面倒だということです……。


 とは言え逆に言うとそれだけで、【臨界制御オーバースペル】を使いながら【ダークランス】を撃ちつつ、【ライトランス】などを合間に撃つと。


「一号、そろそろジャンプですよ」

「カタカタカタ」


 あ、振り上げましたね。右腕を振り上げ、下ろした瞬間に地面にエフェクトが走り、それを一号とジャンプして避けます。まあ、距離的に振り下ろしと同時にジャンプですね。

 ストンプはモーションが大きく、実行後隙だらけなので狙い目です。魔法を混ぜつつ一号と殴ります。

 2回目のストンプも無事ジャンプして避け、一号の足への攻撃がとどめに。ゴーレムが倒れて散らばるように崩れます。



〈《暗黒魔法》がレベル5になりました〉

〈《暗黒魔法》の【ノクスショット】を取得しました〉

〈下僕のレベルが上昇しました〉

〈北のボスを討伐した事により、北のエリアが通行可能になりました。討伐特典として、スキルポイントを『3』入手しました〉



「カタカタカタ」

「そこそこスキルが上がったので、良しとしましょう」


 ショットを覚えましたか。威力が高く詠唱が早いけど、射程が極短と言うショットガン的な魔法ですね。


 では【暗黒儀式】です。



〈【暗黒儀式】により『ミニゴーレム』の素体を入手しました〉

〈【暗黒儀式】によりキャパシティを『3』入手しました〉



 ふむ……スケルトンミニゴーレムにミニゴーレムゾンビですか。サイズは小。進化後はゴーレムでサイズが中になるんですか。キャパシティ足りませんねぇ……。



 ではこのまま街へ向かいましょう。2号も呼びましょうか。スキルは《刀剣》に……何にしましょう? 《足捌き》も良いですし《筋力強化》とかもいいですね。骨に筋力とか冷静に考えてはいけませんよ。

 グレートソード予定なので、あえて《重心制御》とかにしてみましょうか。種族スキルは同じで召喚!


「……どちらも一号なのですよね?」

「カクン」

「まあ、最初に呼んだ方を一号。2番目を二号と呼びます。グレートソードは以前使ったので、問題ありませんね?」

「カクン」

「よろしい。では行きましょう」


 ボスエリアから出て、先へ進みます。とりあえずポータル解放を目的にして、狩りは後回しですね。鉱石がどこで掘れるかも調べないといけません。


 まだまだやることは沢山ありますね。実に良いことです。


名前:アナスタシア

種族:不死者の王女(イモータルプリンセス) 女 Lv20

属性:闇

属:高位不死者

科:ロイヤルゾンビ

スキルポイント:19


スキル

《細剣 Lv7》《宛転流王女宮護身術・細剣 Lv7》《軽装 Lv8》

《閃光魔法 Lv4》《空間魔法 Lv4》《高等魔法技能 Lv7》

《危険感知 Lv5》《直感 Lv5》《舞踏 Lv11》

《料理人 Lv10》《錬金術 Lv4》《採集 Lv1》

《目利き Lv23》《解体 Lv21》《鑑定 Lv27》《識別》

《言語学 Lv10》

控え


種族(モンスター)スキル

《暗黒魔法 Lv5》《死霊秘法 Lv11》《闇のオーラ Lv28》

《物理耐性 Lv30》《物理無効 Lv27》《魔法耐性 Lv10》

《生気吸収 Lv3》《HP超回復 Lv14》《MP自動回復 Lv4》《自動回復特性 Lv2》

《アンデッド統括 Lv11》《不死者の王族 Lv22》《王家の権威 Lv22》《高位不死者》

称号

優雅で静謐なお姫様:他者に与える印象がとても良くなり、警戒もされづらい。

ベルステッド解放者:始まりの街の東を一番最初に解放した記念称号。

インバムント解放者:始まりの街の南を一番最初に解放した記念称号。

料理人:一人前の料理人に与えられる称号。

錬成師:一人前の錬成師に与えられる称号。

錬金術師の弟子:始まりの街のメーガンに弟子入りした。

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― 新着の感想 ―
亀は喰えないのか………。 掲示板に噂が流れそうだな。 姫さま、護衛が付いた!とか、あれスケさんじゃないの?とか、親衛隊になるためにはスケルトンじゃないとダメ!とか。
[一言] ほぼ運動も食事制限もなんもしないで、下積みもなんもなして女優ってまじでなめてんの? ほとんどゲームしてるし体型なんて二年後見る影もないぞ?
[一言] 2年後・・・最新話時点でもこの話から半年経ってませんから、まだまだ先の話になりそうですね。現人神の方のように、同シリーズの別の話になるのでしょうか。
感想一覧
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