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103 ハロウィン 4日目

更新通知から来た方、これは三分割の最後です。

2個戻るか目次へ行ってください。

大体15k 21k 10k文字の3話になります。

 知ってる天井だ。……4日目ですからね。

 さて、ストレッチしまして……礼拝堂に出ましょう。


「「姫様おはー」」

「おはようございます。ちゃんと寝れましたか?」

「「ばっちりー」」


 双子は昨日早かったので、今日は早いですね。


「今は確認中ですか?」

「「うんー美味しかった!」」


 そう言えば2人とも2レベ上がっていますね。

 私は1だけ上がり48に。49まで微妙に足りていません。スケさんとアルフさんも49なので、微妙に足りてなさそうですね。

 朝のお祈りを済ませまして……さて、昨日のログを出してチェックの時間です。


 《本》の【クイックキャスト】は強化かつ、パッシブスキルなので良いとして。


《蛇腹剣》

 【制限解除】:複雑な動きが可能になる。

《超高等魔法技能》

 【索敵魔法】:周囲の敵性存在を探す魔法。

《極光魔法》

 【セラスフラック】:光の座標指定型全方位単体攻撃魔法。

《聖魔法》

 【パーティーヒール】:同エリア内の自分を含めたPT全員を回復する。

《混沌魔法》

 【ハオスフラック】:闇の座標指定型全方位単体攻撃魔法。

《時空魔法》

 【スロウ】:対象の動きを遅くする。スロー再生のような状態になる。


 こんなところでしょうか。

 【パーティーヒール】は他の人が仔山羊との戦闘で使用していましたね。《聖魔法》は取るの遅かったですし、PT的に自分にしか使わないので仕方なし。【パーティーヒール】も不死者PTではお蔵入り。

 他は試してみない事には分かりませんか。冒険者組合には木人がありましたね。そちらに行きましょうか。

 《蛇腹剣》とフラック系魔法がとても気になります。


「木人殴りに組合行きますが、どうしますか?」

「「行くー」」


 双子を連れて組合に行きましょう。皆考えてる事が同じ気がするので多そうですが……今は時間的に早いですから、多分空いているでしょう。

 組合には新人訓練場的な場所が存在します。場所は土地次第ですが、庭または地下ですね。この町の組合は庭のようなので、そちらへ向かいます。


 何人かいますが、木人は空いてますね。使いましょう。

 双子も魔法を撃ったり大鎌を振ったりしてる中、私はまず《蛇腹剣》を試しましょうか。

 【制限解除】はパッシブアーツなのですが……おお、これは凄いですね。


「姫様は《蛇腹剣》だったな。そんな動くの?」

「昨日ので【制限解除】というパッシブアーツを覚えまして、マニュアル操作ができるようになりましたね? あいたっ」

「……操作は難しそうだ」

「理論上、慣れれば腕と武器が足りなくなる問題は解決? ただ狙っての反射は不可能ですね……」

「《蛇腹剣》にあるなら《鞭》にもあるんだろうか」

「ある……んじゃないですかね」


 居合わせた知らない人と話しつつ、情報を纏める……と。

 アニメとかで見るような、対象を狙うだけではない挙動もできるようになりました。空中で真っ直ぐに維持したり、自分の周囲を巻くように維持させたりが可能に。

 双子は後続組なので自分で使用感さえ分かれば、後は既に情報が出ているので、確認はすぐ終わったようですね。


「丁度いいので、受けて欲しい妨害魔法があるのですが」

「ほう? かもん!」


 決闘モードにして付き合ってもらいます。すぐ死なないようにダメージ倍率を減らしておきましょう。


「【スロウ】」

「ほう! 6秒か」


 詠唱は早め、消費は多い、継続時間は対人仕様の可能性が高いですね。


「ん、切れた。なるほど、これは強いな」

「【スロウ】」

「4秒か。って言うと……4回目でレジストか?」

「フラック系魔法は知ってますか?」

「さっき掲示板で情報だけ見たな。まだ見たこと無い。かもん!」


 さて、一番気になるフラック系魔法です。


「【ハオスフラック】」

「……グエー!」

「「なにそれかっこいい!」」

「次は避けてみるか」

「行きますよー……【セラスフラック】」

「よっ……」

「あー……座標指定型全方位単体攻撃魔法。理解しました」

「なるほどなぁ……」

「「かっこいい!」」

「3次の5レベですよ」

「「まだ遠い!」」


 座標指定型は【エクスプロージョン】や【マイン】とかと同じですね。そして全方位と言っていますが、正確にはドーム状。指定した座標を中心にドーム状にパチンコ玉サイズの球体が大量に出現。出現後数秒で座標に向かって収縮し、ダメージを与える魔法ですね。

 双子の言うように、見た目はとてもかっこいいと思います。

 決闘モードを終わりにしましてっと。


「グラディウスもフラックも、少し癖があるな?」

「ありますね。少々難しい仕様だと思います」

「「そうなのー?」」

「グラディウスは挙動自体は単純だが、あれは狩場がな……」


 グラディウスはできれば6体ほど巻き込みたいMP効率なので、狩場を選びます。

 それに比べフラック系は、座標指定型というのが利点でも欠点でもあると言えるでしょう。


「座標指定型は【マジックミサイル】のように敵を追いません。しかもこれは球体が出現してから収縮までタイムラグがありましたね」

「タイミングを考えないと、見てから回避余裕でした……になるわけだ」

「「そっかー」」


 基本的には攻撃後の硬直時を狙ったり、ダウン時に狙うのが良いでしょう。慣れれば先置きが強いと思います。魔法の発動からヒットまでのタイムラグやらを考えつつ、敵の行動予測が必要になりますけどね。

 【エクスプロージョン】は指定座標から周囲に爆発ダメージなので、多少雑でも当たりますが、この魔法は指定した場所に外から収縮するタイプのため、難易度は段違いですね。


「【索敵魔法】はここでは意味無さそうですね……」

「技能の方か。魔法板に情報出てたぞ」


 どれどれ。最新の魔法板で……索敵魔法で検索っと……。

 ふぅむ……【感知】系の範囲拡大版。人によって広さが違うようなので、何かしらのステータス補正があるはず。多分知識か精神、または両方。

 ミニマップに波紋が広がり敵が赤点で表示され、その横にその敵までの距離と、知ってる敵ならイニシャルが出る。プレイヤーは青点、住人は緑点だけが出る。

 重要な点として、相手にバレる。【索敵魔法】を覚えるまたは【索敵魔法】に気づく事で、オプションが追加される。確認しておこう。

 プレイヤーにもバレるので、当然敵も分かる。敵の感知条件次第では逆に寄ってくるはずだが、イベント中なのでその辺りは不明。ダンジョンの様な通路ではどう動くかも不明。


 なるほど。双子も居ますし、1回使ってからオプション見ましょう。


「【索敵魔法】」

「「おー?」」

「お、サンキュー」


 検証してた人もまだだったようですね。装備からして近接なので、魔法は無いかまだ低いかですか。


 さて、オプション。

 【索敵魔法】使用時のマップに表示する項目……は、掲示板に出てた項目ですね。これは全てオンで良いでしょう。

 問題は……【索敵魔法】の範囲に入った場合の項目ですか。


被【索敵魔法】での挙動

 自分以外の【索敵魔法】の範囲に入った場合の挙動を変更する。

  安全地帯にいる時は通知しない:オン

   イベントに関係するものは通知する:オン

  パーティーメンバーの【索敵魔法】を除外する:オン

  レイドメンバーの【索敵魔法】を除外する:オン

  ユニオンメンバーの【索敵魔法】を除外する:オン

  ウォーメンバーの【索敵魔法】を除外する:オン

  住人の【索敵魔法】を除外する:オフ

UIに表示:オン

 文字とマーク:マークのみ。

感覚による感知:オン

※強さは相手とのレベルやステータス差、自分のステータスに依存する。

 サウンドを有効にする:オン

  サウンド選択:サウンド*

  サウンド音量:80%

  サウンドを感知の強さと連動させる:オン

可能な限り逆探知をする:オン

※成功率は相手とのレベルやステータス差、精度は自分のステータス依存。

 ミニマップにマーカーを表示する:オン

 ミニマップに対象までの距離を表示する:オン

 ミニマップに敵のイニシャルを表示する:オン


 これで……良いでしょう。設定するサウンドはこれしか無いですよね……。


「ニュータイプみたいなサウンドあるのはずるいでしょ。これしか無いじゃん」

「ですよね。それにしました」


 これで後は……強化系はパッシブスキルなので良いとして、《偉大なる術(アルス・マグナ)》君ですか。


偉大なる術(アルス・マグナ)

 下僕に与えられるスキル数:4個。

 召喚時使用キャパシティ:進化するレベル×8。

 下僕死亡時のキャパシティ消失:3割。

 下僕浄化時のキャパシティ消失:5割。


 40になったことで渡せるスキルが1個増えて、召喚時のキャパシティが9から8に。死亡時は変化なく、浄化時が1割減っていますね。

 いや待て……私いつ《死霊秘法》が60超えたんですかね。多分今週の平日……? 確認しますか。下僕の所持スキルも3次入りますね? 勿体ない。


術式最適化オプティマイザ

 《死霊魔法》に精通しているあなたは、【暗黒儀式】【死霊召喚】をより効率よく使用できる。

 《死霊魔法》の【暗黒儀式】【死霊召喚】が《死霊秘法》と同性能に。

 《死霊秘法》では職業カスタムと素体カスタムが変更され、骨格・素材・外殻・格・サイズを選択して召喚が可能になる。


 ……しかも重要!

 掲示板には……ああ、スケさんが出していますね。人類のネクロマンサーが歓喜してやる気が上がっているようで。

 使役系は100まで上がるスキルですが、60といえば3次に入るレベルですからね。熟練者という区切りなのでしょう。

 スケさんが纏めているようなので、実際にUIをチェックしながら読みますか。


 骨格:ゴブリンやオーク、オーガなどの形。

 素材:ゾンビ、スケルトン、アーマー、レイスの種類。

 外殻:見た目のレベル帯で、1~11を選択。

 格:レベル帯で、1~100の5毎に選択。

 サイズ:極小、小、中、大。

 《死霊秘法》は職業カスタムが無くなった。

 素体のカスタムが2箇所2倍、3箇所4倍、4箇所6倍と緩和された。

 召喚コストと制限は骨格とサイズに依存。

 基礎ステータスと種族スキルは素材と外殻に依存。

 召喚体の見た目は外殻で、白スケなら1。赤スケなら2。メタスケで3を指定。

 召喚体の強さは格の影響を受ける。検証や決闘で遊ぶわけじゃないなら無入力。

 結論:カスタム性が広がってかなり自由度が増した。人によってかなり個性が出そうだけど、逆に見た目での大体の強さが分からなくなった。メタスケだから30レベル帯の補正……とは限らない。竜種と亜竜はある程度項目が固定されるっぽい。


 ふぅむ……そう言えば昨日のスケさんは……アーマーの形がだいぶ違ったような。私も弄るとしましょうか。


 どれどれ……1箇所変更がキャパシティに影響を与えなくなったのはとても良い。ウルフ系に気軽に腕を生やせます。

 早速RP用テンプレートを弄りましょう。雰囲気重視の大きい骨が欲しいわけなので……骨格は人型。素材はスケルトン。サイズは大。色は白が良いので外殻は1に指定して、弱くする必要が無いので格は特に弄らず。所持スキルも今は弄らず装備もそのままで召喚!


「うん、大きくなりましたね。さあ持つのです」


 私が安定するのを第一に、一号に角度やらを変えさせます。私の視界だとSS撮って確認する必要がないので便利ですね。


「RPの裏側を見た気がする」

「ええ、魅せるためには欠かせない事です」


 いっその事、この素体にも腕増やしますか? 人外感増して良い気もします。ものは試しですね。テンプレートを変えて……【クイックチェンジ】っと。


「お、腕増えた。これがカイリキーの標本ですか」

「そう言われるとなんとも言えませんが……」


 4本腕の人型骨格……まあ、うん。これで不意打ちにも多少抵抗できるでしょう。

 1対の腕追加でコストが増えなくなったなら、四刀流でも慣れさせますかね? 両手鎚2本とかもありですかね。特殊なスキル無く大盾と両手武器が持てる? ……使役系総合板と死霊魔法板を対象に検索っと。既に誰かしら試しているはずです。


 武器の取り回しはかなり安定はするが、重量がありすぎる。スケルトンよりゾンビやアーマー向き。スケルトンだと本体が軽すぎて武器の重量に振り回される。アーマーにした場合は重量過多で移動が絶望的。結果的にゾンビでの運用が現実的?


 とか過去に書かれていますね。

 四足なら安定はしますが、せっかくの四足の利点であるスピードを潰すのはどうなんでしょうね。しかも4本腕にするにはカスタム2箇所必要です。それするならもう、単独ランスチャージさせた方が効率的では? 今でも辻斬りをさせていますからね……。

 んー……RP用のテンプレート以外は特に変えなくて良いですかね。似た感じになるように組みましょう。ウルフ型がカスタムしてた分キャパが空くはずです。スキルは上位スキルに入れ替えるだけっと……。

 のんびり雑談しながら弄り倒します。


「そう言えば、猫とカボチャは判明したんでしょうか……」

「猫は光からがん逃げするらしく、赤い目が3個あったらしいな。今日でラストだし、カボチャは結局謎のままかね」


 ああ、そんなことだろうと思いましたよ。




 昨日の激戦が嘘のようにのんびり午前中を過ごし、お昼にユニオンは西の門を出た平原に集合して打ち上げです。

 イベントの終了は15時なので、このまま解散でしょう。15時終了なのはリアルがそのぐらいだからですね。最終日の終了時間はリアルと同じ時間にしたようです。


「姫様よろしくー」

「私ですか? ネタに走るべきか、RPにするか……。でも撮られる気がするんですよね……」

「『もはや今更』」

「……それもそうですか。んー……‥‥よし」


 グラスを持ちまして、乾杯といきましょう。


「皆様、同胞が大変お世話になりました。今宵は無礼講と参りましょう。乾杯」

「『お疲れー!』」

「ヒャッハー! 姫様からの無礼講だぜぇ兄弟!」

「いくら無礼講でもモヒカンのノリは許されないと思うんですよ」

「ギャハハハ! そりゃ無いぜぇ兄弟!」

「あんら~セシルちゃんじゃないの~!」


 ああ、モヒカンさんは美月さんとPTだったようですね。

 この世界の無礼講はどうなるんでしょうね。主に使うのは騎士団の気がします。ある程度の爵位は無視されそうですが、どの程度なのか。王族クラスになると言うだけ言って退出した方が良いでしょうからね。


「ところで、この食材達どうしたん?」

「領主様提供ですよ。招待しようにも人数が人数ですからね。私のPTだけ招待されてもあれですし、食材を提供してもらいました」

「なるほど、それであれか」


 荷馬車に野菜やらが山積みになっており、近づくとUIが表示され大体の食材が貰えます。個数表示も値段もありませんが、このイベントエリア限定です。

 このゲームはお店に在庫システムが採用されているので、イベント後の宴会対策ですかね。


「【リザレクション】欲しいですが、肝心のポーションがないんですよね……」

「昨日で全部無くなったでござる」

「お姉ちゃん補充よろしく!」

「まあ自分のPT分の補充も必要だから作るけど……【リザレクション】取るのを手伝ってくれるなら、報酬に蘇生薬3個あげようか。品質は多少ブレるかもしれないけど」

「やるやるー」

「うちのPTは私だけだから……」

「あーそっか。というか私も覚えたい」


 一番死ににくいのは多分私で、次にトリンさんですかね。一番死にやすいのはスケさんよりアメさんですね。近接アタッカーなので、遠距離のスケさんより事故りやすい。アルフさんはタンクなので論外です。


「そう言えば姫様、不死者PTだとヒーラーポジでござるか」

「《聖魔法》は自分にしか使えませんが、回復量で見ればそうなりますかね」

「……ヒーラーが強すぎるでござる」

「いい加減不死者が使えるポーションに本腰入れるべきですかね……」

「不死者はロールプレイヤーには良いでござるが、他が厳しいでござるからなぁ」

「私達がやるには情報が無さすぎるんですよね。あ……まずは宰相に聞きましょう。それで無いならソフィーさんに……」

「ソフィー……ああ、不老の魔女でござるか。それは良いでござるな!」

「問題はシステムが許してくれるかですが、蘇生薬のように行きませんかね……」

「試してダメなら考えれば良いでござるよ」

「それもそうですね。……試すのは明日に回しますか」


 今日は蘇生薬の補充と……狩りですかね。スケさんとアルフさんが進化できるかもしれないので、行くことになるでしょう。




 雑談やら情報交換をしながらのんびり過ごしました。


「はーはっはっは! 俺だぁ!」

「三武です。そろそろ終了時間です」

「11月に恒例のアプデがあるぞ!」

「内容はコミュニティの追加、サイズ設定の変更、人外の弱点属性倍率の変更、武器セット追加、師弟関係の追加……などになります」

「詳しくは公式の方を見てくれ!」

「『うい』」

「それと11月はクリスマスイベントをやります」

「『11月に?』」

「12月は年越しイベントがあるからな!」

「『なるほど理解』」

「まあこっちの世界ではクリスマスとは言わないが、その枠組だ!」

「では皆さん、お疲れ様でした」

「『お疲れ!』」

「しばらくイベント掲示板とか見れるようになるからな!」



〈〈第四回公式イベント:ハロウィンを終了します〉〉

〈〈総合評価……S 報酬が支払われます〉〉

〈〈イベントUIから通常サーバーへ移動可能です〉〉

〈〈5分後、プレイヤーを強制転移させ、フィールドのクローズ処理を開始〉〉



 お、Sクリアお馴染み15万ですか。まずは戻って組合ですね。

 【リザレクション】用の集合場所と大体の時間を決めてから、通常サーバーに戻ります。近くの組合に寄ってお金を預け、マイハウスに戻ったら蘇生薬をせっせと作成。スケさん達に渡すのも含め、とりあえず時間まで作ります。

 作ったら集合場所へ移動。自分のPTメンバーにはもう渡しておきます。


「「助かる」」

「「ありがとー!」」

「さて、死んでもらわないといけませんね」

「ご褒美タイム! 更にご褒美に蘇生薬! ご褒美二重取りはまずいですよ!」

「なら駄犬は俺が殺るわ」

「なんでや! 邪魔すんなクマ!」

「来いよ犬。魔法なんか捨ててかかってこい」

「野郎ブッコロッシャー!」


 なんか、ルゼバラムさんと駄犬さんのガチバトルが始まりました。まあ、放置でいいでしょう。

 属性持ちのアメさんとトリンさんに1回ずつ死んでもらい、起こします。決闘モードでHPを1にしてから、側にいるウルフやラビットに殴られる簡単なお仕事。


「シクシクシクシク……」

「俺の勝ち。なんで負けたか明日までに考えといてください」

「カーッ……ペッ!」

「このクソ犬!」


 仲良いですね……。

 起こされた人はしばらく蘇生を受け付けないデバフが付くので、基本的に1人1回ですね。起こした人に報酬として蘇生薬を渡して……とやっていると、《聖魔法》に【リザレクション】が追加されました。


「あ、覚えました」

「じゃあ次やるー!」


 私の蘇生薬は品質が品質なので、買うと案外します。1回死ぬだけで3個分で約15k浮くので割と美味しい。

 【リザレクション】が欲しい妹や他の人も、人がいるうちに覚えるつもりのようです。今回のような死に具合のイベントはそうないと思いますが、0ではありませんし無駄にはなりませんからね。ここで覚える分には少し安く売ってあげましょう。

 他の人は蘇生薬ではなく、普通にお金をお礼に渡すようですよ。私から蘇生薬をあげる訳がないですからね。



 終わり次第解散。


「助かるー」

「おっし、狩りでも行くかぁ」

「行くべ。50は進化あるかねー?」


 ぞろぞろとPT毎に行動を開始です。私達も双子を引き連れて狩りに行きましょうか。


「ただ、どこ行くよ?」

「ダンジョンっしょー?」

「うちのPTは魔法が多いので、西も無くはありませんが……」

「魔法は多いけど弱点というわけじゃないからなー」


 西のダンジョンは動物系と虫系。弱点は火ですからね。火持ちがこのPTにいるわけもなく。


「ソロなら南の遺跡に好んで行くのですが……」

「ロボ組か。ドロップが魔鉄だし悪くはない」

「ただ双子が大丈夫か不安です。敵も遠距離ばかりなので」

「跳ねる事は無いだろうし、大丈夫じゃないー? 範囲攻撃あったっけ」

「抹殺型のグレポンと多弾頭ぐらいでしょうか。あれはアルフさんがいるので、大盾下僕もう1体で押さえられるかと」

「ミサイルをリフレクトすれば良いんだっけか」

「そうですね。2回もやればクールタイムの問題から大体死にます」

「北は双子が楽そうだけど、僕らが面倒過ぎるからパスで」

「南しかねーじゃん。行くか」

「「おー!」」


 ではディナイト帝国にある遺跡ダンジョンでレベル上げですね。


「あ、ダンジョン前で洗濯物入れたいわー」

「お、そうだな」

「では軽く体でも伸ばしましょうかね……10分ぐらい休憩ですか?」

「そんなもんかね。トイレも行っておくか……」

「「分かったー!」」


 ダンジョン前まで移動後に一旦ログアウト。そしてトイレやらストレッチでもして再ログインです。


「おっしゃー殺るかー」

「殺るか」

「では行きますよ?」

「「おっけー」」


 狩り開始です。目標は全員1レベ上がるぐらい。イベントで貰った経験値があるので、割とすぐのはずなんですよね。

 このダンジョンはサブタンクとして、複数の敵が来たら《古今無双・一刀流》を上げるためにも1体貰います。


「さすが、慣れてらっしゃる」

「上げたいスキル的にも、このダンジョンがとても良いんですよね。魔法防御系が遅れ気味ですが、ここなら上げられますし」

「大量に撃ってくるから確かにうまい。ただ、俺ソロだと死ぬなこれ」


 大盾でガードしてもじわじわ減っていきますからね。遺跡ダンジョンはHPが無いと、結構辛いダンジョンです。乱射してくるので避けるのは大変ですからね。

 特に問題なのは無属性魔法扱いということでしょうか。大体のタンクは物理防御型です。魔法は結構抜けてくるので、物理を相手にするよりHPが早く減ります。かといって敵の通常攻撃に、クールタイムが長い【リフレクトシールド】を使うのはありえませんからね。甘んじて受け続けるしかありません。……頑張れタンク。


「「来たー!」」

「おめっとさん」

「おめおー」

「おめでとうございます」


 双子のレベルが上がりました。ついに40ですか。早いですね……。

 このゲーム課金アイテムに経験値増加が無いんですが、この2人はエクストラ種族への装備が、経験値増幅効果あるんですよね。効果は高くないと思いますが、塵も積もれば……でしょう。


「「んー……?」」

「どった?」

「「進化の流れが違うー」」

「「ほう?」」

「何か条件付きとかですか?」

「「なんかこんなのー」」

「「……は?」」


 『過去の発言ログと行動ログを読み込み中……』ですか。こんな条件もあると? 私もその条件来そうですね。注意するべきか、余計な事は考えるべきでないか……。余計なことは考えない方が? どうせ先は分からないわけですし、なるようにしかならないですか。


無邪気なる運び人(イノセンスルーター)!」

無邪気なる収穫者イノセンスハーベスター!」

「「なるほど、無邪気」」


 まあ、中学1年生ですからね……。

 となると、無邪気の部分がプレイヤーによって変わる可能性が高い……と言いたいですが、そもそも双子はエクストラ種族か。アルフさんの種族でもあれば、人によって変わりそうですね。

 双子の進化を見守り、再開。次はスケさんかアルフさん、または私ですか。



〈種族レベルが上がりました〉



 あ、私ですか。


「「「おめおー」」」

「おめっとさん」

「ありがとうございます。……進化は次ですが」

「テーブルがあれだねー?」

「そうですね……必要経験値が多い気がします」

「俺らもそろそろ怪しそうだけどな……」


 さあ、どんどん行きましょう!

 む、この音は抹殺型が来ますね。


「リジィ、投擲を主体に」

「アルフーリフレクは?」

「問題ない。返ってきてる」

「じゃあうちのは後半なー」

「あいよ」

「「待機!」」


 抹殺型は下手に動くと面倒なので、双子は最初から上空待機。トリンさんがマイン置くぐらいですね。突進時の避ける方向を決めておき、固まっておきます。

 グレポンは私が反射、ミサイルは大盾で反射、通常攻撃は気合です。


「ほんと、分かりやすい音してるな」

「せめてもの慈悲でしょー」

「音無くあれ来たら割と辛いですね」

「レベル上がったら静音化に成功してたりして」


 他のと戦闘中にあれが来たら、突進を避けれる気がしません。開幕ミサイルだったら目も当てられませんね。誰に撃たれるか分かったものじゃありませんし。

 グレポンは反射してもどうせ当たらないので、雑に弾いておきます。


 うん、PTでも特に問題なく。むしろPTだと突進が面倒ですね。


「「上がったわ」」

「おめでとうございます」

「「おめでとう!」」


 スケさんは冥府の賢者(ネザーリッチ)から奈落の賢者(アビスリッチ)へ。アルフさんは奈落の騎士(デュラハン・アビス)から常夜の首無し騎士(デュラハン・ニュクス)だそうです。

 本に書いてあったエリート順……冥府、奈落、常夜ですね。私は不死者から幽世に行きましたが、常夜の後ですかね?


「目標は達成したが、どうするかね?」

「とりあえず誰かしらのご飯とかまで続ければ良くねー」

「それで構いませんよ」

「「うんー」」

「じゃあそうするか」


 時間が来たら解散ということで、誰かしらの時間が来るまで狩りすることに。


 そして夕食やらお風呂やらを済ませたら、今日大量消費されたであろう蘇生薬を就寝時間まで作成。【ヨグ=ソトースのこぶし】や不死者用ポーションは明日のソロの時に回します。蘇生薬での稼ぎ時なので、作るのは今です。

 今日は公式イベントがあって長い1日でしたね。

 おやすみなさい。


これで第四回公式イベントは終了です。

次は掲示板回で、主人公の知らない部分の予定です。

あとは第一サーバー以外の、シュブ=ニグラスではない場合も少し予定しています。

それと、便座カバー。

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― 新着の感想 ―
HPを1にしてから、側にいるウルフやラビットに殴られる > PK扱いにはならないだろうけど、プレイヤー殴るのって大丈夫なの?
[一言] ああー、 これの会話ログ見るの楽しみだなぁー!!!
[良い点] きたーーーっ!!間に休憩を挟むほどの読みごたえ。大満足です。更新お疲れ様です。次回も気長にお待ちしてます。
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