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虚構世界の弓使い  作者: 釜飯より生まれし男
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ぼっち ザ・リターンズ

サブヒロイン(予定)が再登場です

なるべく早く学校から帰り自分の部屋に戻る。

ここ2週間ほど体調が優れなくて親からゲーム禁止を言われてたのだが今日ようやく解禁されたのだ。


「腕がなまってないといいけど」


久しぶりにゲームの世界に入る。

最後にプレイした時と何も変わらない風景に心なしか安堵する。


アナディンを始めてから一ヶ月。

瀬奈の服装も初心者装備ではない。


今の瀬奈は軽くて丈夫な黄緑の服を着ており下は膝ぐらいまでのスカートにスパッツを履いていた。


走っても破けたりしないをコンセプトに彼女が今まで集めた素材で作ってもらったのである。


「久しぶりだし挨拶してかないと」


そう言って向かったのはあの触手焼き屋あれから人気が出たらしくあの店主は店をもう一軒増やし、夜限定で居酒屋を始めたらしい。


「お、お嬢ちゃん久しぶり!しばらく見なかったから心配したよ!」


「あ、あの私その、体調崩しててそれで…」


「そうかい、まぁ無事治ってなによりだな。よし!完治祝いだ!これは俺のおごりだ!」


そう言って店主は瀬奈に触手焼きを差し出す。


「あ、ありがとう、こざいます」


ぎごちなく返事をすると瀬奈は店主と別れをフィールドへと向かう。


「とりあえず思いっきり走るとするか!」


そう言って瀬奈は広大なフィールドを走り出す。

病弱故に激しい運動ができず緊張のあまり走って逃げ出した後は毎回保健室の世話になっていた瀬奈にとって。スタミナの限り走れるというのはとても新鮮だった。

10分ほどそうしてた時瀬奈の気配感知が反応した。どうやらプレイヤーとモンスターだったので千里眼で観察してみる。


そこにはオークと戦う3人のプレイヤーがいた。

3人とも女であり1人は長刀使いの獣人、槍使いの人、杖使いのエルフとバランス型のパーティーであり獣人と人が前線で戦い後ろからエルフが回復魔法をかけるという戦い方だった。

しかしレベル差があるのかかなり劣勢だった。


しばらく悩んでいた瀬奈だが助けることに決めた。

以前からピンチのパーティーを遠くから援護していたのだ。

ただし面と向かって話すのは無理なので倒すのを確認したら全力で逃げていたのだが。


愛用の「雷獣の弓」を構えると彼女は狙いを定める。

武器自体の性能、スナイパーと千里眼と気配感知のスキルは彼女を凄まじい弓使いにしていた。


「いけ!」


掛け声とともに矢が稲妻のごとく飛んでいく。









迂闊だった。

藤沢 咲…プレイヤーネーム 「サキ」は後悔していた。

友人といつものようにレベル上げをしていたのだがその内の1人がもうちょっと難しい所にに行こうと言ってきたのだ。

中堅プレイヤーとして実力を固めていたサキたちのパーティーはすっかり油断していた。


その結果がこれである。

オーク相手にこの始末だ。


「ぎゃっ!」


オークに思い切り弾き飛ばされる。身体能力が高い獣人だったのでずっと正面から攻撃していたがさすがに限界だった。

オークはサキには気にも止めずもう1人の友人を弾き飛ばし仲間のエルフへ向かう。


「シーナちゃん逃げて!」


間に合わないとわかっていてもとっさに叫ぶ。


その時


突然の飛来してきた矢がオークの顔面に深々と突き刺さった。

オークは断末魔を放つことなく倒れた。


しばらくあっけにとられていたサキだがすぐに友人を助け起こす。


「シーナちゃん、クリスちゃん大丈夫?」


「う、うん大丈夫」


「にしても今のは?」


2人とも突然のことに未だ動転している。

サキは気配感知であたりを探るが周囲には誰もいない。


「気配感知で探ってみたけど誰もいないよ」


「サキの気配感知って確かCでしょ?それでも引っかからないの?」


「ひょっとしてそれあの姿なき弓兵じゃない?」


「姿なき弓兵?」


聞きなれない言葉にサキは聞き返す。

クリスいわくピンチのプレイヤーをどこからか援護してくれる弓使いがいるらしい。


「けど誰も見たことがないし前回のイベントでもそれらしき人はいなかったからね。デマじゃないかってのがもっぱらの噂よ」


「でも実際に私達を助けてくれたよ⁉︎」


「そうね…やっぱり本当にいるのかしら」


「その話はやめにしない?今の戦闘でレベルも上がったし1のボスのとこへ行きましょう」


シーナが話の流れを止めて入ってくる。


1のボスというのはアナディンの世界に数匹いるエリアボスの一匹でこいつを倒すと始まりの街「アルーニマ」から第二の街「グンラドイン」へ行けるのである。


なおボスを倒したものはその街の石板に名前とタイムが刻まれるのだ。


話を戻すとシーナの話に賛同した2人はそのままアルーニマへ引き返していった。





【弓スキル 溜め撃ちを取得しました】


そんな声が聞こえる。


「エリアボス…そんなのいたんだ!」


瀬奈は新情報に唖然としていた。

最初に訓練所に行っていれば、普通わかることなのだが訓練所に行かず情報を共有する友人もいない瀬奈には知る由もないことだった。


こうしちゃいられない!私も挑戦しよう!


そう言うと彼女は駈け出す。

そしてすぐに


「あれ?どこに行けばボスと戦えるの⁉︎それ以前にここどこー!?」


迷子になっていた。

溜め撃ち 一定時間弦を引き続けることで矢の威力が上昇する。3段階までためることができる。


獣人の長刀使いがサキちゃん

人の槍使いがクリスちゃん

エルフの杖使いがシーナちゃんです


瀬奈ちゃんに方向音痴属性追加です

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